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閉塞性血栓血管炎

(バージャー病、ビュルガー病)

執筆者:

Koon K. Teo

, MBBCh, PhD, McMaster University, Hamilton, Ontario, Canada

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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閉塞性血栓血管炎とは、脚や腕の細い動脈や中間サイズの動脈が、炎症を起こして閉塞する病気です。

  • 閉塞性血栓血管炎は喫煙者によくみられます。

  • 症状は、腕や脚への血流減少による冷感、しびれ、チクチクする感覚、灼熱感などです。

  • 超音波検査を行って、患部の腕や脚の血流が減少していることを検出します。

  • 治療で最も重要なのは禁煙です。

  • 薬剤の投与が必要になる場合もあります。

閉塞性血栓血管炎は、まれな種類の末梢閉塞性動脈疾患で、通常は喫煙者に発生し、ほとんどが20~40歳の男性に起こります。閉塞性血栓血管炎は、かつては男性の病気と考えられていましたが、喫煙者の女性でも多くみられるようになってきています。

喫煙と閉塞性血栓血管炎の関係はよく分かっておらず、この病気の原因も明らかになっていません。1つの仮説としては、喫煙により動脈の炎症や狭窄(収縮)が誘発されるというものがあります。しかし、閉塞性血栓血管炎を発症するのは喫煙者のうちごく少数のみです。未知の理由により、他の人よりもこの病気にかかりやすい人がいる可能性があります。いずれにしても、閉塞性血栓血管炎は喫煙を続ける人では例外なく悪化し、腕や脚の切断が必要になることがよくあります。一方、閉塞性血栓血管炎の患者が禁煙した場合、切断が必要になることはまれです。

症状

通常、腕や脚への血流が減少することによる症状が徐々に現れます。症状には以下のものがあります。

  • 冷感

  • しびれ

  • チクチクする感覚または灼熱感

  • 痛み

このような異常な感覚は手や足の指先から始まり、腕や脚へと上っていきます。腕よりも脚がよく侵されます。医師が虚血(不十分な血液供給)や壊疽を示す何らかの皮膚の変化に気づく前に、患者は感覚の異常を自覚します。レイノー症候群間欠性跛行(運動中の筋肉の不快感)がみられることもあります。脚に起こった場合はふくらはぎや足の筋肉がけいれんを起こし、腕に起こった場合は手や前腕がけいれんします。

病気が進行するにつれて、筋けいれんによる痛みが強くなり、長時間続くようになります。病気の後期には、皮膚潰瘍や壊疽、またはその両方が生じる場合があり、通常は手足の1本以上の指に現れます。手や足が冷たく青白くなることもあり(チアノーゼ)、これはおそらく血流が大幅に減少するためです。

閉塞性血栓血管炎にかかっている人の一部では、静脈の炎症(遊走性静脈炎)がみられることがあり、これは通常、表在静脈で起こります。

診断

  • 医師による症状の評価

  • 血管造影検査

医師は通常、症状と身体診察の結果から閉塞性血栓血管炎を疑います。患者のほとんどは、足や手首の1本以上の動脈で脈が弱くなったり、脈がとれなくなったりします。しばしば、患部の手、足、手足の指を心臓より上にもち上げると皮膚の色が青ざめ、心臓より低くすると赤くなります。超音波検査では、患部の足、手、手足の指の血圧と血流がかなり減少していることを検出できます。血流の減少を起こす他の異常(血管の炎症[血管炎]や心臓からの血栓など)を否定するために、血液検査と画像検査を行います。

血管造影検査は特定のパターンの狭窄を検出できるため、診断の確定に役立ちます。

ときには、診断を確定するため、患部の動脈の生検(組織サンプルを採取して顕微鏡で調べること)や専門医への紹介が必要なこともあります。

治療

  • 禁煙

  • ときに薬剤または手術

直ちに禁煙することが必須で、さもなければ症状は悪化の一途をたどります。その結果、腕や脚の切断が必要になる可能性が高くなります。

寒さにより血管が狭くなるため(収縮)、寒さへの曝露を回避することが助けになります。

特定の薬剤の使用を控えることも役立ちます。使用を控えるべき薬剤としては、血管を収縮させる薬(エフェドリン、プソイドエフェドリン、フェニレフリンなどで、これらはいくつかの副鼻腔の詰まりやかぜに対する薬の成分です)や血液の凝固傾向を促進する薬(経口避妊薬やホルモン補充療法で使用される エストロゲンなど)などがあります。

患部の脚や腕にけがをしないことが大切です。また、熱傷(やけど)や凍傷、簡単な手術(たこを削るなど)による傷が生じないように、十分注意する必要があります。うおのめやたこについては足の専門医の治療を受けるべきです。つま先部分が広く、足によく合う靴を履くことが、足のけがを予防するのに役立ちます。

禁煙しても依然として動脈が閉塞している人では、イロプロストなどの薬剤が腕や脚の切断を予防する上で助けになる場合があります。閉塞した血管を開通させるために、ペントキシフィリンやカルシウム拮抗薬などの薬剤を使用することもありますが、効果はあまり期待できません。

血管が収縮しなくなるよう、近くにある特定の神経を手術により切断することがあります(交感神経切除術)。この手術による血流の改善は通常は一時的なものにすぎないため、めったに行われません。

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