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悪性心臓腫瘍

執筆者:

Anupama K. Rao

, MD, Rush University Medical Center

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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最初から心臓でがんが発生する場合もありますが、他の臓器から心臓に転移してくる場合の方が一般的です。

  • 症状としては、息切れ、失神、発熱、体重減少、心不全、不整脈などがみられます。

  • 心臓腫瘍の診断を確定するには画像検査を行います。

  • 手術は助けになりませんが、化学療法のほか、ときに放射線療法が有用となる場合があります。

ほとんどの悪性心臓腫瘍は、最初に体内の別の部分(通常は肺、乳房、腎臓、血液、または皮膚)で発生した腫瘍が心臓に広がった(転移した)ものです。転移性心臓腫瘍は、原発性心臓腫瘍と比べれば30~40倍多くみられますが、それでもまれな病気です。

症状

悪性心臓腫瘍の症状は、 良性心臓腫瘍 症状 腫瘍(しゅよう)という用語は、それががんであるか(悪性)、がんではないか(良性)に関係なく、異常に増殖する組織のことを指します。心臓の腫瘍は以下のように分けられます。 原発性(良性または悪性) 転移性(常に悪性) 原発性心臓腫瘍とは、心臓で発生した腫瘍のことです。原発性心臓腫瘍はまれな病気で、その頻度は2000人に1人を下回ります。原発性... さらに読む の症状と基本的に同じで、腫瘍が発生した部位によって異なります。しかし、悪性腫瘍は非常に増殖が速いため、その症状は良性腫瘍の症状よりも急速に悪化する傾向があります。具体的な症状としては、突然発症する 心不全 心不全 心不全とは、心臓が体の需要を満たせなくなった状態のことで、血流量の減少や静脈または肺での血液の滞留(うっ血)、心臓の機能をさらに弱めたり心臓を硬化させたりする他の変化などを引き起こします。 心不全は心臓の収縮や弛緩が不十分になることで発生しますが、これらの変化は一般的に、心筋が弱ったり硬くなったりすることが原因で起こります。... さらに読む 心不全 (息切れと疲労を引き起こします)、 不整脈 不整脈の概要 不整脈とは、一連の心拍が不規則、速すぎる(頻脈)、遅すぎる(徐脈)、あるいは心臓内で電気刺激が異常な経路で伝わるなど、心拍リズムの異常のことをいいます。 不整脈の最も一般的な原因は心臓の病気(心疾患)です。 自分で心拍リズムの異常に気づくこともありますが、ほとんどの人は、脱力感や失神などの症状が起きるまで不整脈を自覚しません。... さらに読む 不整脈の概要 (動悸、脱力、失神を引き起こします)、心膜(心臓を包んでいる袋状の膜)内への出血および体液貯留(心機能を低下させ、 心タンポナーデ 心タンポナーデ 心タンポナーデとは、心臓を包んでいる2層の膜(心膜)の間に体液などの血液が貯留し、心臓が圧迫されることです。その結果、血液を送り出す心臓のポンプ機能が阻害されます。 典型的にはふらつきや息切れを感じ、失神することもあります。 症状と診察結果のほか、救急外来で行われる心臓超音波検査(心エコー検査)に基づいて診断されます。 針を使ったり、ときに手術を行ったりして、心臓の周りにたまった血液を除去します。... さらに読む を引き起こします)などがあります。

転移性心臓腫瘍の症状としては、元からある腫瘍による症状に加えて、他の部位に転移した腫瘍による症状もみられます。例えば、肺がんが心臓に転移した人には、呼吸困難、疲労感、喀血(かっけつ)がみられることがあります。

原発性の悪性心臓腫瘍が他の部位に広がる(転移する)こともあります。腫瘍の転移は、脊椎(痛みを引き起こします)や周辺の組織のほか、肺(呼吸困難や喀血を引き起こします)や脳(錯乱を引き起こします)などの臓器にもみられます。

診断

  • 画像検査

悪性心臓腫瘍の診断に用いられる検査は、 良性心臓腫瘍 診断 腫瘍(しゅよう)という用語は、それががんであるか(悪性)、がんではないか(良性)に関係なく、異常に増殖する組織のことを指します。心臓の腫瘍は以下のように分けられます。 原発性(良性または悪性) 転移性(常に悪性) 原発性心臓腫瘍とは、心臓で発生した腫瘍のことです。原発性心臓腫瘍はまれな病気で、その頻度は2000人に1人を下回ります。原発性... さらに読む の場合と同じで、具体的には 心エコー検査 心エコー検査とその他の超音波検査 超音波検査では、周波数の高い超音波を内部の構造に当てて跳ね返ってきた反射波を利用して動画を生成します。この検査ではX線を使いません。心臓の超音波検査(心エコー検査)は、優れた画像が得られることに加えて、以下の理由から、心疾患の診断に最もよく用いられる検査法の1つになっています。 非侵襲的である 害がない 比較的安価である 広く利用できる さらに読む 心エコー検査とその他の超音波検査 CT検査 心臓のCT(コンピュータ断層撮影)検査 CT検査は、心臓や心膜(心臓を包んでいる袋状の膜)、大血管、肺、胸部の支持組織などの構造的な異常を検出するために行われることがあります。 非常に高速なCT装置であるマルチスライスCTでは、1回の拍動の間に撮影を行うことができます。そのような高速で行うCT検査(CT冠動脈造影検査)は、心臓に血液を供給する冠動脈を評価するために用いられることがあります。一般的には、造影剤(X線画像に写る物質)が静脈内に注射されます。検査を受ける人は、画像が... さらに読む MRI検査 心臓のMRI(磁気共鳴画像)検査 MRI検査では、強力な磁場と電磁波を用いて心臓と胸部の詳細な画像を描き出します。この高価で複雑な検査法は、主に複雑な先天性の心疾患の診断や正常組織と異常組織の識別のために用いられます。 MRI検査には短所もあります。MRI検査では、CT検査よりも画像の生成に時間がかかります。また心臓の拍動による影響を受けやすいため、MRI画像はCT画像よりも不鮮明になります。ただし、新しい方式のMRI検査(心電図同期MRI)では、心電図の特定部分にタイ... さらに読む などを行います。

転移性心臓腫瘍については、最初の発生部位がまだ判明していない場合、最初にできた腫瘍を見つけ出すための検査を行います。

治療

  • 症状を改善する治療(対症療法)

  • 放射線療法または化学療法

心膜内の腫瘍によって心臓の周囲に液体が貯留している場合は、その液体を排出する必要があります。

原発性か転移性かにかかわらず、悪性心臓腫瘍はほぼ常に治癒を望めないことから、症状の緩和を目的とする治療を行います。腫瘍の種類に応じて、放射線療法または化学療法、あるいはその両方を行います。

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