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透析

執筆者:

L. Aimee Hechanova

, MD, Texas Tech University

最終査読/改訂年月 2017年 4月
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透析とは、体内の老廃物や過剰な水分を機械的に取り除く処置のことで、腎臓が十分な機能を果たさなくなったときに必要になります。

透析が必要になる理由はいくつかありますが、最も多いのは、腎臓が血液から老廃物を十分にろ過できなくなること(腎不全)です。腎臓の機能は急速に低下することもあれば(急性腎障害または急性腎不全と呼ばれます)、老廃物をろ過する能力が徐々に失われることもあります(慢性腎臓病または慢性腎不全と呼ばれます)。

腎不全の人では、腎臓で老廃物を十分にろ過できなくなり、体内に蓄積した老廃物によって問題が生じていることが血液検査で示された場合、多くの医師は透析を勧めます。急性腎障害では、腎機能が十分回復したことが血液検査の結果で確認されるまで、透析が続けられます。慢性腎臓病では、長期的な治療として透析を実施することもあれば、腎移植を受けられるようになるまでの一時的な治療手段として利用することもあります。また体内から水分、特定の薬物、毒物を取り除くために、短期透析または緊急透析を行う場合もあります。

透析は、生命を維持するために機械に依存しなければならないことを含めて、生活習慣に大きな変化を伴うことから、長期にわたる透析を始める決断を下すことは容易ではありません。それでも、ほとんどの場合、透析プログラムがうまくいけば、許容できる程度の生活の質(QOL)が得られます。透析を受けていても、ほとんどの人が、健康に支障が出ない程度の食事ができる上に、血圧も正常に保たれ、神経の損傷や重い貧血(身体の細胞に酸素を運ぶ赤血球の減少)など重度の合併症の進行も避けられます。

通常、透析はチームで行う必要があります。

  • 医師は、透析の指示、合併症の管理、その他の医療行為を行います。

  • 看護師は、患者の一般的な健康状態をモニタリングして、透析に関することやできるだけ良好な健康状態を維持するために必要なことを患者に指導し、透析の手順を監視し、透析に関連する薬を投与するとともに、透析技師を監督します。

  • しばしば、ソーシャルワーカーが患者の精神的な健康状態を評価し、交通手段を手配するとともに、患者が旅行中であれば他の場所での透析を設定し、必要に応じて在宅支援の準備を行います。

  • 栄養士は、適切な食事療法を推奨し、食事の変更に対する患者の反応をモニタリングします。

  • 腎移植が可能になるまでの一時的な措置として透析を行う場合は、移植を行う外科医も透析チームに加わります。

血液透析では、血液を体外に取り出して、腎臓を模した装置(透析機)でろ過します。

  • 技師が処置の開始を補助し、透析中の透析機器をモニタリングします。

  • 血管外科医やインターベンショナルラジオロジーの専門医などの医師が血管に関する準備を行うことで、血液を体外に出し人工透析器に通して循環させる処置を容易にします。

腎不全で透析が必要になる理由

医師が透析の決定を下すのは、腎不全によって以下のような特定の状態になった場合です。

  • 脳機能の異常(尿毒症性脳症)

  • その他の特定の重い症状(食欲不振、嘔吐、体重減少など)

  • 心膜炎(心臓を包んでいる膜の炎症)

  • 透析以外の治療では改善しないアシドーシス(血液の酸性度が高くなった状態)

  • 全身的な体液の過剰

  • 透析以外の治療では効果がみられない肺水腫(肺の中に体液が過剰にたまった状態)

  • 高カリウム血症(血液中のカリウム濃度が異常に高い状態)

  • 高カルシウム血症(血液中のカルシウム濃度が高い状態)

  • 大幅な腎機能の低下

ときに、他の処置(血液ろ過または血液吸着)によって一時的に血液のろ過を行う場合もあり、透析と同様の効果が得られます。これらは、透析を行うことができない場合に、血液から毒物を除去したり急性腎障害の人から大量の水分を除去したりするために最もよく用いられる処置です。

血液ろ過と血液吸着:血液をろ過する別の方法

ときに、血液をろ過するために透析以外の方法が用いられます。

血液ろ過は、重篤な病気にかかり、集中治療室に入院している人に対し、しばしば継続的に実行される処置です。この処置では、大量の血液をろ過することが可能です。

血液吸着は、中毒に対する治療として最もよく使用されます。毒物を吸収する活性炭などの素材が入ったフィルターに血液を通します。

透析の種類

透析には次の2種類があります。

  • 血液透析

  • 腹膜透析

血液透析

血液透析では、血液を体外に取り出してから、体外のポンプで透析器(人工腎臓)に送り込みます。この透析器で血液をろ過して老廃物を取り除いた後、きれいになった血液を体内に戻します。その際、体内に戻す体液の総量を調節することができます。

血液透析では、その都度血流へのルートを確保する必要があります。太い静脈カテーテルを太い静脈に挿入することで、一時的なルートを確保することができますが、通常は長期にわたるルートの確保を容易にするために、手術によって動脈と静脈を人工的につなぐ経路(動静脈瘻[ろう])を作成します。この手術では、前腕にある橈骨(とうこつ)動脈という血管と橈側皮(とうそくひ)静脈という血管をつなぐのが一般的です。その結果、橈側皮静脈が広がってそこを通過する血流が増加するため、針を繰り返し刺すことに適した状態になります。動静脈瘻は血管外科医が作成します。動静脈瘻を作成できない場合は、人工的な接続器具(人工血管)を用いた手術によって動脈と静脈をつなぐこともあります。人工血管はしばしば患者の腕に設置されます。血液透析では、技師が患者の動静脈瘻か人工血管に針を留置することで、血液を体外に取り出し、ろ過できるようにします。

血液透析中には抗凝固薬のヘパリンを投与して、透析器の中で血液が凝固するのを防ぎます。透析器の中では、多孔性の人工膜によって血液と別の液体(透析液)が隔てられています。この膜を通して血液中の余分な液体、老廃物、電解質などがろ過され、透析液中に出ていきます。血球や大きなタンパク質は膜の小さな孔を通過できないため、血液中に残ることになります。こうして透析された(きれいになった)血液が患者の体に戻されます。

透析器の大きさは様々で、透析効率も異なります。通常、透析に要する時間は約3~5時間です。慢性腎臓病の患者では、ほとんどの場合、週3回の血液透析が必要です。

血液透析で最も多くみられる合併症は、透析中または透析直後の低血圧です。透析と透析の間の期間中は、血圧は通常上昇します。透析患者には、強い痛みを伴う筋肉のけいれん、かゆみ、吐き気、嘔吐、頭痛、レストレスレッグス症候群、胸部や背部の痛みなどが生じることがあり、特に血液透析を開始するときによくみられます。比較的頻度は低いものの、混乱、不穏(落ち着かなくなる)、かすみ目、けいれん発作などが起こる可能性もあります。

人工血管や動静脈瘻が関与する合併症として、感染症、血栓、出血、膨隆(動脈瘤の形成)なども起こる場合があります。以下の異常がみられた場合は、速やかに主治医に知らせる必要があります。

  • 痛み

  • 発赤または熱感

  • 近くの皮膚の破綻

  • あざ

  • 動静脈瘻部の長期の出血

  • 人工血管または動静脈瘻部の急速(数日以内)に拡大する膨隆

  • 人工血管または動静脈瘻部で通常は感じられる脈拍または振動の消失

  • 腫れ(浮腫)

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血液透析の主な合併症

合併症

よくある原因

血液中の細菌または発熱物質(発熱を引き起こす物質)

透析液の温めすぎ

透析器の内部や血液が流れるチューブの内部にある物質、あるいは透析中に投与される薬に対するアレルギー

水分の過剰な除去

カリウムなどの物質の血中濃度の異常

低血圧

血液が流れるチューブへの空気の混入

腸、、眼、または腹部での出血

透析器内での血液凝固を予防するためのヘパリンの過量使用

血液透析ルート確保のために静脈に刺した針を介した血液への細菌の侵入

強い痛みを伴う筋肉のけいれん

ときに体液または塩分の量や分布の急速な変化

腹膜透析

腹膜透析では、腹膜(腹壁の内側を覆い、腹部にある臓器を包んでいる膜)をフィルターとして利用します。この膜は表面積が広く、血管の網が豊富に存在します。血液中の物質は、腹膜を容易に通過して腹腔に入ることができます。腹壁に挿入したカテーテルを介して、透析液という液体が腹壁内部の腹腔に注入されます。注入した透析液は、老廃物が血液中から透析液に徐々に染みだしてくるまで、しばらく中に入れたままにしておきます。その後、この透析液を排出して廃棄し、新しい透析液に交換します。

柔らかいシリコンゴムまたは多孔性ポリウレタンのカテーテルを使用することで、透析液の流れをスムーズにすることができ、損傷を生じる危険性が少なくなります。カテーテルは、透析のたびにベッドサイドで一時的に取り付けることができますが、手術により長期的に留置する場合もあります。長期留置型のカテーテルの中には、やがて皮膚にほぼ覆われた状態になるタイプもあり、使わないときには先端の開口部にふたをしておくことができます。

腹膜透析は、機械を使用する自動腹膜透析として行う場合と、機械を使用せずに手動で行う場合があります。

手動の腹膜透析は最も単純な方法です。この方法では機械を使用しません。以下の2種類があります。

  • 手動の間欠的腹膜透析では、透析液の入った袋を体温と同じ温度まで温めてから、およそ10分かけて腹腔の中に注入します。透析液は60~90分間にわたって腹腔内に入れておき(滞留時間)、およそ10~20分かけて排出します。以上の手順を繰り返します。全体で12~24時間かかります。透析と透析の間の期間中は、透析液は腹腔に入っていません。

  • 連続携行式腹膜透析では、透析液の排出と補充を1日に4回または5回行います。一般に、透析の液交換のうち3回は日中に行い、滞留時間は4時間以上です。夜間の交換は1回で、滞留時間は睡眠中の8~12時間と長くとります。連続携行式腹膜透析が手動の間欠的腹膜透析と異なる点は、透析液が常に腹腔に入っていることです。

自動腹膜透析は、腹膜透析で最もよく用いられる方式になってきています。自動腹膜透析では、患者が夜間眠っている間に、自動化された装置によって複数回の交換を行います。この方法では、日中の交換回数を最小限に抑えられますが、就寝時に装置を接続する必要があるため、夜間の動きが妨げられます。ときに日中の交換を行う場合もあります。自動腹膜透析法は、さらに3つのサブカテゴリーに分類されます。

  • 連続周期的腹膜透析では、日中に長時間(12~15時間)の滞留時間を設定し、自動サイクラーにより3~6回の夜間交換を行います。

  • 夜間間欠的腹膜透析では、夜間にサイクラーを用いて交換を行い、日中は腹腔に透析液を滞留させません。

  • タイダル腹膜透析は、透析液の交換から次の交換まで透析液の一部を腹腔内に残すように変更が加えられた方式です。この手法では、より不快感が少なくなる可能性があります。タイダル腹膜透析は、日中に滞留を行う場合もあれば、日中には行わない場合もあります。

一部の患者では、血液から老廃物を十分に除去するために、連続携行式腹膜透析と連続周期的腹膜透析の併用が必要になります。

透析法の選択

個々人にどの透析法が最適かを判断するにあたっては、生活習慣など様々な要素を考慮する必要があります。一般に透析センターで血液透析を受ける人が多く、病院以外の場所に透析センターがあるのが普通です。腹膜透析は自宅で行うことができるため、血液透析センターに通わずに済みます。

医師が血液透析を勧めるのは、腹部に傷を負ったばかりの人や腹部を手術した直後の人、あるいは腹壁に欠陥があり腹膜透析が困難な人です。血圧が高血圧と低血圧の間または正常血圧と低血圧の間で頻繁に変動する人は、血液透析よりも腹膜透析の方がよく耐えられます。

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腹膜透析の主な合併症

合併症

原因

透析中の水分および塩分の過剰な除去

出血

カテーテル留置中に偶発的に発生した内臓の穿孔

体内からのカテーテル除去

腹膜(腹壁の内側を覆う膜)またはカテーテル挿入部位の周辺組織(腹壁とカテーテルが密着していない場合)の刺激感や炎症

感染症

清潔でない手順による透析

アルブミン(タンパク質の一種)の血中濃度の低下

食事中のタンパク質不足に加え、透析で除去される体液中へのタンパク質流出

腹膜の瘢痕化*

炎症や感染症

透析液中の電解質

特定の薬剤の使用

血糖値(グルコース濃度)の上昇

グルコース濃度が高い腹膜透析液の使用(透析中に水分やナトリウムを除去するために使用)

腹部または鼠径部(そけいぶ)のヘルニア

大量の液体にさらされる状態が続くことで生じる腹部内の圧力上昇(通常は臓器などの組織構造が動きすぎないように防いでいる壁が弱くなる)

食物繊維の摂取不足、または高リン血症を治療するためのカルシウム塩の使用による腸の拡張(腹部への透析液の出し入れを妨げる可能性がある)

*腹膜透析では腹膜がフィルターの役割を果たします。腹膜が瘢痕化すると、水分や老廃物が腹膜を容易に透過できなくなり、それらの除去が難しくなります。

腹膜透析で最も一般的な煩わしい合併症は、透析液の感染(腹膜炎と呼ばれる腹膜の炎症を引き起こす)とカテーテルが皮膚に入る部位(挿入部位)の感染症です。腹膜炎は、腹部全体の鋭く激しい持続的な痛みを引き起こすことがありますが、ときにほとんど痛みのない場合もあります。挿入部位の感染は、挿入部位の皮膚の発赤と痛みをもたらします。これらの感染症は抗菌薬および慎重な創傷ケアで治療することができます。

血液透析と腹膜透析の比較

腎臓が十分に機能しなくなった場合には、血液透析や腹膜透析によって血液から老廃物や過剰な水分を取り除くことができます。

血液透析では、血液を体外に取り出して透析器(人工腎臓と呼ばれます)に通し、血液をろ過します。動脈と静脈の間に人工的な連絡路(動静脈瘻)を作り、血液を取り出しやすくします。

腹膜透析では、腹膜をフィルターとして利用します。腹膜は腹壁の内側と腹部臓器の外側を覆っている膜で、腹膜で囲まれた空間を腹腔と呼びます。体の老廃物は腹膜を通して腹腔内の液体(透析液)へと排出されます。

血液透析と腹膜透析の比較

特別な配慮

食事

透析を受けている人は、特別な食事が必要になります。腹膜透析を受けている人では、一般に食欲が減退し、透析中にタンパク質が失われます。食事は、十分なカロリーがあり(1日に理想体重450グラム当たり約16キロカロリー、小児ではこれよりわずかに多くする)、また比較的タンパク質が多くなる(1日に理想体重450グラム当たりタンパク質約0.5グラム)ようにする必要があります。(全米腎疾患患者協会[American Association of Kidney Patients]が食事の指針を公開しています。)塩分の制限は、ナトリウムを含む普通の食塩とカリウムを含む塩のどちらも対象になります。

血液透析を受けている人では、毎日のナトリウムとカリウムの摂取量がさらに厳しく制限されます。リンを多く含む食品を制限しなければならない場合もあります。尿の量が極めて少ない人や血液中のナトリウム濃度が持続して低いか低下傾向にある人では、毎日の水分摂取量が制限されます。体重増加をモニタリングするには、日々の体重測定が重要です。血液透析を受けてから次回の透析までに体重が過度に増加している場合は、水分のとりすぎと考えられます。通常、水分の過剰摂取は、ナトリウムのとりすぎによりのどが渇くのが原因です。

総合ビタミン剤によって、血液透析や腹膜透析で失われた栄養素を補う必要があります。ビタミンサプリメントについては、医師または栄養士に相談する必要があります。

医療上の配慮

慢性腎臓病の人は貧血を起こすことから、赤血球の増加を促すためにエリスロポエチンまたはダルベポエチンを使用することがあります。また、新しい赤血球の生産を助けるために鉄分が必要になる場合があります。

さらに、食事に含まれる過剰なリンを除去するため、リン吸着薬(最もよく使用されるのは炭酸カルシウムや酢酸カルシウムなど)を服用します。

通常、体の骨組織は絶え間なく置き換わっており、骨の強さや骨密度を維持しています。腎臓はビタミンDを活性型( カルシトリオール)に変換し、これにより血液中のカルシウム量と骨組織の生成で使用される量を調節しています。腎不全になると、腎臓が十分な量のビタミンDを活性型に変換できないため、副甲状腺ホルモンの血中濃度が高まる可能性があります。副甲状腺ホルモンの血中濃度が高いと、骨密度が低下して骨が弱くなる可能性があり、このような骨の状態は腎性骨異栄養症と呼ばれます( 慢性腎臓病(CKD))。この問題を是正するには、活性型ビタミンDまたは類似の物質を投与することにより、上昇している副甲状腺ホルモンの濃度を低下させます。

透析を受けている人は、高血圧、血中脂質濃度の高値、糖尿病など冠動脈疾患の危険因子をしばしば有しています。冠動脈疾患のリスクを減らすには特別なケアが必要です。

透析を受けている人では便秘が起こる可能性があり、これにより腹膜透析が阻害されることがあります。腸内に過剰な量の便が存在すると、透析液を排出するカテーテルが腸の過剰な容積により部分的に閉塞する可能性があります。緩下薬(下剤)が必要になることもありますが、通常はリンやマグネシウムを含有する緩下薬ではなく、膨張剤(オオバコ)やソルビトールを使用します( 下剤)。

アルミニウムを含有するリン吸着剤を使用すると、血中アルミニウム濃度が上昇する場合があります(アルミニウム中毒)。アルミニウムの他の供給源として考えられるものには、透析液の作成に用いられる水があります。しかし、アルミニウムを含有しないリン吸着剤が多数利用可能であること、また現在の透析液に使用される超純水は調製時にアルミニウムを十分に除去してあることから、アルミニウム中毒は現在ではまれです。アルミニウム中毒により骨の脆弱化、貧血、認知症が引き起こされる可能性があります。身体からアルミニウムを除去するための補助として、デフェロキサミンを腹膜カテーテルまたは静脈を通して投与することができます。

カルシフィラキシスは、動脈が固くなり、体幹、殿部、脚の皮膚への血流が減少するまれな病気です。その原因の一部は、カルシウムとリンの血中濃度が高いことにあります。痛みを伴う皮膚の隆起および潰瘍が発生し、しばしば感染を起こします。重度の感染は全身に影響を及ぼすことがあり、死に至ることもあります。治療の目標は、カルシフィラキシスの合併症を軽減することです。例えば、感染症には抗菌薬を投与し、痛みには鎮痛薬を使用します。カルシウムとリンの血中濃度を低下させる薬も投与されることがあります。創傷は慎重な皮膚のケアで治療します。

心理社会的な配慮

透析を受けている人は、生活のあらゆる面で喪失感を経験することがあります。自立して生活できなくなることがあり、とりわけつらい状態に置かれることも考えられます。生活習慣の乱れへの対処が難しくなる場合もあります。透析を受けていると、気分が落ちこみ不安になる人が多くいます。心理カウンセリングや社会カウンセリングは、多くの場合、透析を受けている本人だけでなく家族にとっても有用です。多くの透析センターが心理面や社会面でのサポートを行っています。自立して生活できなくなることに対処するには、以前と同じ趣味や、関心をもっていたことを続けるように励ますことが役に立ちます。血液透析を受けている人は、定期的に透析センターまで往復する移動手段を確保する必要があります。透析を受けることで、仕事や学校、余暇の活動に支障が出ることもあります。

長期にわたって透析を受けている人の半数以上が60歳以上です。若い人より高齢者の方が、長期透析の生活や自立性の喪失にうまく順応できることが多いようです。それでも、透析を受けている高齢者は、成長した子どもに多くを依存するようになったり、独りで暮らしていけなくなったりすることがあります。また、若い人と比べて治療の疲れを感じやすくなります。しばしば、透析のスケジュールに合わせるために家庭内での役割や責任を以前通りに果たせなくなり、そのことで心理的なストレスが生じたり、罪悪感や引け目を感じたりすることがあります。

小児における配慮

発育が阻まれた小児は、自分は同年代の友だちと違うという孤独感を抱くことがあります。アイデンティティ、自立、身体像などの問題に直面している若い成人や青年の場合は、透析によってそうした問題がさらに複雑になります。また、小児期は発育に必要な栄養を十分に摂取しなければならないため、透析を受けている小児にとって食事は重要な問題です。

さらなる情報

  • 全米腎疾患患者協会(American Association of Kidney Patients:AAKP)が発行している食事の指針

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