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尿路への加齢の影響

執筆者:

Navin Jaipaul

, MD, MHS, Loma Linda University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 3月
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加齢に伴い、泌尿生殖器全体にいくつかの変化がみられるようになります。

加齢に伴い腎臓にみられる変化

年齢を重ねるにつれて、腎臓の重量はゆっくりながら着実に減っていきます。30~40歳を過ぎると、約3分の2の人では(腎臓に病気がない人でも)腎臓での血液のろ過量が次第に低下していきますが、残り3分の1の人では、ろ過の量に変化はみられません。このことから、年齢以外の要因が腎機能に影響を及ぼしている可能性があります。

年齢を重ねるにつれて、腎臓に血液を送り込む動脈が狭くなっていきます。狭くなった動脈では正常な大きさの腎臓に十分な血液を供給できなくなるため、腎臓のサイズも小さくなります。さらに、糸球体につながる細い動脈の壁が厚くなるため、残っている糸球体の機能も低下していきます。こうした機能の低下に伴って、老廃物や多くの薬物を排泄するネフロンの能力が低下し、尿の濃縮・希釈や水素イオンの分泌ができなくなります。

しかし、以上のような加齢に伴う変化が生じたとしても、体の要求を満たせるだけの腎機能は維持されます。年齢とともに生じる変化は、それ自体が直接病気を引き起こすものではありませんが、そうした変化によって腎臓の予備的な機能が確実に低下していきます。これはつまり、正常な腎臓の機能をすべて果たすためには、左右両方の腎臓がそれぞれの能力の限界近くまで働かなければならなくなるということです。そのため、片方または両方の腎臓に小さな障害が生じるだけで、十分な腎機能を維持できなくなってしまうようになります。

加齢に伴い尿管にみられる変化

尿管には加齢による大きな変化はみられませんが、膀胱と尿道にはいくらかの変化がみられるようになります。まず、膀胱に尿を貯めておける限界の量が少なくなります。尿意を感じてから排尿を我慢する能力も低下します。また、膀胱から尿道への尿の流れが遅くなります。

一方、年齢とは関係なく、膀胱の壁の筋肉が尿意や排尿できる状況の有無とは無関係に自然に収縮してしまう現象が散発的にみられます。若いうちは、このような収縮の大半が脊髄や脳からの信号によって阻止されますが、年齢を重ねるにつれ、そうやって阻止されない散発的な収縮の回数が増え、ときに尿失禁に至ることがあります。排尿後に膀胱に残る尿(残尿)の量は加齢に伴って多くなっていきます。その結果、排尿する回数が増え、尿路感染症のリスクが高まります。

加齢に伴い尿道にみられる変化

女性の場合は、尿道が短くなり、その内側を覆う粘膜が薄くなっていきます。こうした尿道の変化により、尿道括約筋をしっかりと閉じることが難しくなり、尿失禁のリスクが上昇します。女性の尿道におけるこうした変化については、更年期にエストロゲンの血中濃度が低下することが誘因になっているようです。

加齢に伴い前立腺にみられる変化

男性の場合は、加齢とともに前立腺が大きくなっていく結果、尿道内の尿の流れが徐々に妨げられるようになります( 前立腺肥大症)。治療しないでいると、尿の流れがほぼ遮断されるか完全に遮断され、それにより尿閉という尿が排出されなくなる状態に陥り、ときに腎障害に至る場合もあります。

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