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精巣腫瘍

執筆者:

J. Ryan Mark

, MD, Sidney Kimmel Cancer Center at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 1月
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概要
本ページのリソース
  • 精巣腫瘍は若い男性によくみられますが、通常は治癒させることが可能です。

  • 通常は痛みのないしこりができます。

  • 超音波検査と血液検査を実施します。

  • 精巣を除去し、放射線療法または化学療法を行う場合や、さらに手術を行う場合があります。

精巣腫瘍の多くは40歳未満の男性に発生します。この腫瘍は若い男性に多い悪性腫瘍の1つで、毎年約8850人の男性に発生し、約410人が死亡しています。精巣に多くみられる悪性腫瘍には、セミノーマ(精上皮腫)、奇形腫、胎児性がん、絨毛がんなどがあります。

精巣腫瘍の原因は不明ですが、3歳までに精巣が陰嚢に下降しなかった人(停留精巣 停留精巣と移動性精巣 停留精巣(潜在精巣)とは、陰嚢(いんのう)の中に下りてくるはずの精巣が腹部にとどまったままになっている状態です。移動性精巣(遊走精巣)とは、精巣が陰嚢の中まで下りてきているにもかかわらず、刺激に反応して容易に鼠径管(そけいかん)の中に戻ってしまう(移動する)ことです。 胎児では精巣は腹部の中で発育します。精巣が発育した後、一般的には出生前(通常は第3トリメスター[訳注:日本のほぼ妊娠後期に相当])に腹部の開口部から会陰部の通路(鼠径管)... さらに読む )では、3歳までに精巣が下降した人より高い確率で精巣腫瘍が発生します。停留精巣は、小児期に手術で治しておくのが最善です。停留精巣を治療すると、精巣腫瘍のリスクは低下します。ただし、その治療を受けても、停留精巣になったことのない人と比べると精巣腫瘍のリスクは高くなります。正常に下降していた反対側の精巣にも、悪性腫瘍が発生することがあります。ときに成人になっても精巣が下降しない場合は、悪性腫瘍のリスクを減らすために、下行していない方の精巣を摘出する手術を受けるよう勧められます。

症状

精巣腫瘍ができると、精巣の腫大やしこりがみられることがあります。正常な精巣は滑らかな卵形で、背部と上部が精巣上体とつながっています。精巣腫瘍は、精巣の内部や表面に硬い増殖性のしこりを形成します。腫瘍が発生した精巣は正常な形ではなくなり、腫大し、いびつででこぼこな形になります。精巣腫瘍は通常は痛みを伴いませんが、精巣やしこりに軽く触れると痛むことがあり、ときに触れなくても痛みます。精巣に硬いしこりができたら、すぐに医師の診察を受ける必要があります。ときには腫瘍の内部で血管が破裂して、突然激しい痛みを伴う腫れを生じることがあります。

診断

  • 超音波検査

  • 血液検査(アルファ-フェトプロテイン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

身体診察と超音波検査で、しこりが精巣の一部であるか、充実性(悪性の可能性が高い)、または液体で満たされているか(嚢胞性)を調べます。アルファ-フェトプロテインとヒト絨毛性ゴナドトロピンという2種類のタンパク質の血中濃度を測定する検査が診断に役立ちますが、診断の確定には至りません。精巣腫瘍があると、これらのタンパク質の測定値が高くなります。このほかに、胸部X線検査やCT検査などを行って腫瘍が広がっているかどうかを調べることもあります。多くの医師は、若い男性が1カ月に1回程度、精巣にしこりがないかどうかを自分で調べることを推奨しています。

知っていますか?

  • 片方の精巣を失っても、性欲がなくなったり、子どもを作る能力や勃起機能が失われたりすることはありません。

治療

  • 手術

精巣腫瘍の初期治療では、腫瘍ができた精巣全体を手術で取り除きます(根治的精巣摘除術)。患者の希望があれば、人工の精巣を入れることもあります。もう一方の精巣は摘出せずに残すことで、十分な男性ホルモンの量を維持し、生殖能力を保つことができます。精巣腫瘍が原因となって生殖能力が失われる場合もありますが、治療後には正常に戻ります。治療の前に精子バンクを利用することも可能です。

セミノーマ以外の精巣腫瘍は、腹部のリンパ節に最初に転移するため、手術の際にそれらのリンパ節も摘出します(後腹膜リンパ節郭清術)。セミノーマは放射線療法で治癒する可能性があります。

手術と化学療法を併用した治療により、転移した精巣腫瘍が治癒することもよくあります。血液中のアルファ-フェトプロテインとヒト絨毛性ゴナドトロピンの測定値は、診断時には高くなっていますが、治療が成功すると低下します。治療後にこれらの測定値が上昇した場合は、腫瘍が再発している可能性があります。

精巣腫瘍の予後(経過の見通し)は、腫瘍の種類と転移の状況で異なりますが、腫瘍が転移していない場合は通常極めて良好です。がんが転移していても、しばしば治癒が望めます。

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