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ネフロン癆と常染色体優性尿細管間質性腎疾患

(ADTKD)

執筆者:

Navin Jaipaul

, MD, MHS, Loma Linda University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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ネフロン癆(ろう)と常染色体優性尿細管間質性腎疾患は、液体で満たされた袋状の病変(嚢胞)が腎臓内の深い部分に形成され、最終的には腎不全を伴う慢性腎臓病に発展する病気です。

  • ネフロン癆と常染色体優性尿細管間質性腎疾患は、遺伝子異常が受け継がれることによって発生します。

  • 症状としては過度の排尿や強いのどの渇きなどがみられますが、それらはネフロン癆では小児期または青年期から、常染色体優性尿細管間質性腎疾患では青年期または成人期から始まります。

  • 診断は家族歴のほか、臨床検査、画像検査、遺伝子検査の結果に基づいて下されます。

  • どちらの病気も治療法は腎機能の変化をコントロールすることですが、小児では栄養補助食品と成長ホルモン製剤の使用が必要になる場合もあります。

  • 腎不全に対処するために透析または腎移植が必要になる場合もあります。

ネフロン癆と常染色体優性尿細管間質性腎疾患は遺伝性の疾患群であり、腎臓の深部にあって尿の濃縮とナトリウムの再吸収を担っている微細な管(尿細管)の発達が障害されます。その結果、過剰な量のナトリウムが尿中に排出されるため、身体および血液中のナトリウムが不足します。また血液の酸性度が異常に高まることもあります。尿細管に損傷が生じて炎症や瘢痕化が起き、最終的には重度の慢性腎臓病 慢性腎臓病(CKD) 慢性腎臓病では、血液をろ過して老廃物を除去する腎臓の能力が、数カ月から数年かけて徐々に低下します。 主な原因は糖尿病と高血圧です。 血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、神経が傷つき、骨の組織が劣化し、動脈硬化のリスクが高くなります。 症状としては、夜間の排尿、疲労、吐き気、かゆみ、筋肉のひきつりやけいれん、感覚の消失、錯乱、呼吸困難、皮膚の黄褐色への変色などがあります。 診断は、血液検査と尿の検査の結果により下されます。 さらに読む が生じ、結果として末期腎不全(末期腎臓病) 慢性腎臓病(CKD) 慢性腎臓病では、血液をろ過して老廃物を除去する腎臓の能力が、数カ月から数年かけて徐々に低下します。 主な原因は糖尿病と高血圧です。 血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、神経が傷つき、骨の組織が劣化し、動脈硬化のリスクが高くなります。 症状としては、夜間の排尿、疲労、吐き気、かゆみ、筋肉のひきつりやけいれん、感覚の消失、錯乱、呼吸困難、皮膚の黄褐色への変色などがあります。 診断は、血液検査と尿の検査の結果により下されます。 さらに読む になります。これらの病気は似ていますが、いくつかの重要な違いがあり、特に遺伝パターンと慢性腎臓病が重症化する年齢が異なります。

ネフロン癆は、常染色体劣性疾患であるため、両親から異常遺伝子を1つずつ受け継いだ場合にのみ発症します。症状は小児期、または青年期の初期から始まり、通常は青年期の初期に腎不全に至ります。

常染色体優性尿細管間質性腎疾患は、常染色体優性遺伝疾患ですので、片方の親から異常遺伝子が受け継がれるだけで発症し、通常は成人期に最初の症状が現れます。ときに、腎疾患の家族歴がない人に発生する場合もあります。そのような場合については、新たな突然変異(明らかな理由なしに遺伝子が異常なものに変化すること)として遺伝子異常が発生したか、あるいは遺伝子異常はそもそも存在していたが両親の片方または両方で認識されていなかったという可能性が考えられます。

症状

腎臓での尿の濃縮やナトリウムの保持ができなくなるため、尿が過剰に作られるようになり、極めて強いのどの渇きがみられます。

ネフロン癆では、症状は小児期の1歳以降に始まります。成長が遅れ、骨の脆弱化を伴う場合があります。ネフロン癆の患者には、眼の病気、肝臓の病気、知的障害(精神遅滞)などがみられます。以降の小児期には、慢性腎臓病により貧血、高血圧、吐き気、筋力低下などが生じます。

常染色体優性尿細管間質性腎疾患では、症状は青年期または成人期の初期から始まります。強いのどの渇きと過剰な尿の生成は、ネフロン癆ほど重度ではありません。高血圧になる場合もあります。腎臓以外の臓器は侵されません。通常は30~70歳で慢性腎臓病が起こります。痛風 痛風 痛風は、尿酸の血中濃度が高いこと(高尿酸血症)が原因で、尿酸の結晶が関節に沈着し蓄積する病気です。結晶が蓄積することで、関節とその周辺に痛みのある炎症の発作が起きます。 尿酸結晶が蓄積すると、関節や組織に激しい痛みや炎症が断続的に起こることがあります。 医師は関節から関節液を採取し、尿酸結晶の有無を調べます。... さらに読む 痛風 を発症する場合もあります。

診断

  • 家族歴

この種類の腎疾患に関する家族歴が診断上の重要な手がかりになります。臨床検査では、腎機能の低下と尿の希釈のほか、ときに血液中のナトリウムまたはカリウム濃度の低下や尿酸濃度の上昇が認められます。

治療

  • 高血圧のコントロール

  • 貧血の管理

  • ナトリウムおよび尿酸の血中濃度の適切な水準での維持

治療法は、高血圧 高血圧 高血圧とは、動脈内の圧力が恒常的に高くなった状態のことです。 高血圧の原因は不明のことも多いですが、腎臓の基礎疾患や内分泌疾患によって起こる場合もあります。 肥満、体を動かさない生活習慣、ストレス、喫煙、過度の飲酒、食事での過剰な塩分摂取などはすべて、遺伝的に高血圧になりやすい人の高血圧の発症に何らかの形で関与しています。... さらに読む 貧血 貧血の概要 貧血とは、赤血球の数やヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質)の量が少ない状態をいいます。 赤血球には、肺から酸素を運び、全身の組織に届けることを可能にしているヘモグロビンというタンパク質が含まれています。赤血球数が減少したり、赤血球中のヘモグロビンの量が少なくなったりすると、血液は酸素を十分に供給できなくなります。組織に酸素が十分... さらに読む を抑えるほか、体内のナトリウムや尿酸の量をコントロールすることなどです。発育が遅れている小児では、栄養補給や成長ホルモンの投与が必要になることがあります。痛風を発症した人にはアロプリノールが投与される場合があります。特にネフロン癆の場合、ナトリウムが過剰に排泄され、薄い尿が多量に作られるため、毎日大量の水分と塩分(ナトリウム)を摂取することによって、過剰に排泄される分を補う必要があります。慢性腎臓病 慢性腎臓病(CKD) 慢性腎臓病では、血液をろ過して老廃物を除去する腎臓の能力が、数カ月から数年かけて徐々に低下します。 主な原因は糖尿病と高血圧です。 血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、神経が傷つき、骨の組織が劣化し、動脈硬化のリスクが高くなります。 症状としては、夜間の排尿、疲労、吐き気、かゆみ、筋肉のひきつりやけいれん、感覚の消失、錯乱、呼吸困難、皮膚の黄褐色への変色などがあります。 診断は、血液検査と尿の検査の結果により下されます。 さらに読む から末期腎不全になると、透析 透析 透析とは、体内の老廃物や過剰な水分を機械的に取り除く処置のことで、腎臓が十分な機能を果たさなくなったときに必要になります。 透析が必要になる理由はいくつかありますが、最も多いのは、腎臓が血液から老廃物を十分にろ過できなくなること(腎不全)です。腎臓の機能は急速に低下することもあれば(急性腎障害または急性腎不全と呼ばれます)、老廃物をろ過す... さらに読む 透析 または腎移植 腎移植 不可逆的腎不全(腎臓が機能せず、治療しても治らない)の患者にとって、年齢にかかわらず腎移植は透析に代わる救命法です。米国では毎年約1万7000件の腎移植が行われています。最も多いタイプの臓器移植です。 腎移植は以下の病気がある場合に必要になります。 進行した不可逆的腎不全 以下に当てはまる場合、70代の人と、場合によっては80代の人にも移植が適切になることがあります。 他の点では健康で、自立して生活することができ、十分な社会的支援がある... さらに読む 腎移植 が必要になる場合があります。

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