( 肝腫瘍の概要 肝腫瘍の概要 肝臓の腫瘍(肝腫瘍)には、がんではない良性腫瘍と、がんである悪性腫瘍があります。 肝臓の悪性腫瘍は、原発性(肝臓から発生したもの)と転移性(他の部位から肝臓に転移してきたもの)に分類されます。ほとんどの肝臓がんは転移性です。体の各部で発生した腫瘍から離れたがん細胞は、しばしば血流に入って全身に運ばれますが、肝臓では体全体に流れる血液の大部... さらに読む も参照のこと。)
肝細胞腺腫は主に妊娠可能年齢の女性にみられ、特に 経口避妊薬 経口避妊薬 避妊のためのホルモン剤は、以下の方法で投与することができます。 内服(経口避妊薬) 腟への挿入(腟リングまたはバリア式の避妊具) 皮膚への貼り付け(パッチ剤) 皮下インプラント さらに読む を服用している女性によく発生します。
この種の腫瘍は通常、症状を引き起こさないため、大半が発見されることはありません。腺腫が大きくなると、右上腹部に痛みが生じることがあります。まれに、肝細胞腺腫が突然破裂して腹腔内に出血を起こし、緊急手術が必要になることがあります。ごくまれですが、がん化することがます。
腺腫は通常、超音波検査、CT検査、MRI検査などの 画像検査 肝臓と胆嚢の画像検査 肝臓、胆嚢、胆管の画像検査には、超音波検査、核医学検査、CT検査、MRI検査、内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査、経皮経肝胆道造影、術中胆道造影、単純X線検査などがあります。 超音波検査では、音波を利用して肝臓や胆嚢、胆管を画像化します。経腹超音波検査は、肝硬変(肝臓の重度の瘢痕化)や脂肪肝(肝臓に過剰な脂肪が蓄積している状態)など肝臓全体を一様に侵す異常よりも、腫瘍など肝臓の特定の部分だけを侵す構造的な異常の検出に優れています。これは、胆... さらに読む で異常がみられる場合に疑われます。診断を確定するために、 生検 肝生検 肝臓の組織サンプルは、試験開腹中に採取することもありますが、多くの場合、皮膚から肝臓に中空の針を刺す方法で採取します。このタイプの生検は、経皮的肝生検と呼ばれます。また、経静脈的肝生検と呼ばれる生検の方法もあります。 肝生検では、他の検査で得られない肝臓の情報を検出することができます。肝生検は、肝臓の過剰な脂肪(脂肪肝)、慢性的な肝臓の炎症(慢性肝炎)、ウィルソン病(銅が過剰に蓄積する病気)やヘモクロマトーシス(鉄が過剰に蓄積する病気)... さらに読む が必要になることがあります。
経口避妊薬に起因する肝細胞腺腫は、薬の服用をやめると消失することがあります。腺腫が大きい場合や肝臓の表面付近にある場合は、出血やがん化のリスクがあるため、手術が推奨されることがあります。