飲酒と喫煙が慢性膵炎の2大原因です。
腹痛は持続する場合もあれば、現れたり消えたりする場合もあります。
診断は症状、急性膵炎の再発歴と飲酒歴、ならびに画像検査と膵機能検査の結果に基づいて下されます。
治療としては、禁酒と禁煙、食事の変更、膵酵素サプリメントの服用、痛みを緩和する対策を行います。
(膵炎の概要 膵炎の概要 膵炎とは、膵臓の炎症です。 膵臓は木の葉の形をした臓器で、長さは約13センチメートルあります。周囲を胃の下側と小腸の最初の部分(十二指腸)に囲まれています。 膵臓には主に以下の3つの機能があります。 消化酵素を含む膵液を十二指腸に分泌する 血糖値の調節を助けるインスリンとグルカゴンというホルモンを分泌する さらに読む も参照のこと。)
膵臓 膵臓 膵臓(すいぞう)は以下の2種類の腺組織を含む臓器です。 膵腺房(すいせんぼう) ランゲルハンス島 ( 消化器系の概要も参照のこと。) 膵腺房では消化酵素がつくられます。ランゲルハンス島ではホルモンがつくられます。膵臓は消化酵素を十二指腸へ、ホルモンを血液中へ分泌します。 さらに読む は上腹部にある臓器で、インスリンというホルモンをつくり、膵管を通して十二指腸(小腸の最初の部分)に膵液を分泌します。この膵液には、食べものの消化を助ける消化酵素が含まれています。
急性膵炎 急性膵炎 急性膵炎は、膵臓の突然の炎症で、軽度のものから生命を脅かすものまでありますが、通常は治まります。 胆石とアルコール乱用が急性膵炎の主な原因です。 重度の腹痛が主な症状です。 診断には血液検査と画像検査(CT検査など)が役立ちます。 軽度であれ中等度であれ重度であれ、急性膵炎では通常は入院が必要になります。 さらに読む では、炎症が急に発生し、数日から数週間以内に治まります。
慢性膵炎では、炎症が進行しながら長期間続き、それによって膵臓に永続的な損傷と瘢痕化(線維化)が生じます。この線維化は慢性膵炎の大きな特徴です。慢性膵炎が進行するにつれて、膵液に含まれる消化酵素を分泌する細胞が徐々に破壊されていきます。
膵臓の位置
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原因
米国では、慢性膵炎の約半数の原因が大量飲酒です。喫煙者でも慢性膵炎の発生リスクが高くなります。
慢性膵炎のあまり一般的でない原因としては、 嚢胞性線維症 嚢胞性線維症(CF) 嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)は、特定の分泌腺が異常な分泌物を産生し、それによって組織や器官、特に肺や消化管が損傷を受ける遺伝性疾患です。 嚢胞性線維症は、遺伝子の突然変異を親から引き継ぐことで発生し、粘り気の強い濃厚な分泌物が肺やその他の臓器の働きを妨げます。 典型的な症状としては、腹部膨満、軟便、体重増加不良のほか、せき、喘... さらに読む 、遺伝性膵炎、自己免疫性膵炎などの遺伝性疾患があります。まれに、重症の 急性膵炎 急性膵炎 急性膵炎は、膵臓の突然の炎症で、軽度のものから生命を脅かすものまでありますが、通常は治まります。 胆石とアルコール乱用が急性膵炎の主な原因です。 重度の腹痛が主な症状です。 診断には血液検査と画像検査(CT検査など)が役立ちます。 軽度であれ中等度であれ重度であれ、急性膵炎では通常は入院が必要になります。 さらに読む の発作によって膵臓に永続的な瘢痕(線維化)が生じることで、慢性膵炎になることがあります。一部の人では、膵管が結石や腫瘍によって詰まる(閉塞する)ことで、慢性膵炎が発生します。
慢性膵炎では明らかな原因がない場合(特発性)もあります。熱帯地域の国(インド、インドネシア、ナイジェリアなど)では、原因不明の慢性膵炎が小児や若い成人に起こります(熱帯性膵炎と呼ばれる)。
症状
腹痛は慢性膵炎の主な症状です。上腹部の痛みは強さが変化し、急激な悪化(発作)が何時間ないし数日間持続することがあります。病気が進行すると、痛みが持続的になる傾向があります。痛みは、通常は食後に悪化し、背筋を伸ばして座るか前かがみになると軽減することがあります。
慢性膵炎が進行して消化酵素を分泌する細胞が破壊されると、腹痛が止まることがあります。
膵機能不全は、慢性膵炎のもう1つの主な症状です。膵機能不全とは、膵液に含まれる膵酵素の量が減少した状態です。消化酵素の量が減少するにつれ、食べたものが十分に消化されなくなります。食べものの消化が不十分だと吸収がうまくいかず(吸収不良 吸収不良の概要 吸収不良症候群とは、食べたものに含まれる栄養素が様々な理由により小腸で適切に吸収されない状態のことをいいます。 ある種の病気、感染症、手術でも吸収不良が起こることがあります。 吸収不良によって、下痢、体重減少、極度の悪臭がする大量の便がみられます。 診断は、典型的な症状と、便検査の結果、ときに小腸粘膜の生検結果に基づいて下されます。... さらに読む )、異常な悪臭のある脂ぎった便(脂肪便)が大量に出ることがあります。便の色は薄く、小さな油滴を含んでいることもあります。便中に未消化の筋線維がみられることもあります。食べものの吸収が不十分だと 低栄養 低栄養 低栄養とは、カロリーまたは1つ以上の必須栄養素が不足している状態です。 低栄養は、食べものを手に入れたり調理したりできない、食べものを食べたり吸収したりしにくくなる病気がある、またはカロリーの必要量が大幅に増えているということが原因で発生することがあります。 低栄養は、多くの場合、見た目にも明らかです。低体重で、しばしば骨が突き出ており、... さらに読む や体重減少も起こります。
慢性膵炎の合併症
膵仮性嚢胞(のうほう)と呼ばれる体液の貯留が生じることがあります。仮性嚢胞は出血したり破裂したりすることがあり、大きくなったものは痛みを引き起こしたり、十二指腸や胆管を詰まらせたりすることがあります。
最終的には、インスリンを分泌する膵臓の細胞が破壊されて、徐々に 糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に産生しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 神経を損傷し、知覚に問題が生じます。 血管を損傷し、心臓発作、脳卒中、慢性腎臓病、視力障害のリスクが高まります。... さらに読む に発展することがあります。
診断
画像検査
膵機能検査
ときに血液検査
慢性膵炎は、患者にみられる症状と急性膵炎の再発歴や大量の飲酒歴から疑われます。画像検査と膵機能検査の結果を用いて診断します。
画像検査
慢性膵炎の一部の患者でみられる膵臓へのカルシウムの沈着がないか調べるために、腹部のX線検査を行うことがあります。
慢性膵炎の変化を明らかにし、仮性嚢胞などの合併症がないか調べるために、腹部の CT検査 CT(コンピュータ断層撮影)検査 CT検査(以前はCAT検査とよばれていました)では、X線源とX線検出器が患者の周りを回転します。最近の装置では、X線検出器は4~64列あるいはそれ以上配置されていて、それらが体を通過したX線を記録します。検出器によって記録されたデータは、患者の全周の様々な角度からX線により計測されたものであり、直接見ることはできませんが、検出器からコンピュータに送信され、コンピュータが体の2次元の断面のような画像(スライス画像)に変換します。(CTとは... さらに読む を行うこともあります。
現在では、多くの医師が 磁気共鳴胆道膵管造影 MRI検査 肝臓、胆嚢、胆管の画像検査には、超音波検査、核医学検査、CT検査、MRI検査、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)検査、経皮経肝胆道造影検査、術中胆道造影検査、単純X線検査などがあります。 ( 肝臓と胆嚢の概要も参照のこと。) 超音波検査では、音波を利用して肝臓や胆嚢、胆管を画像化します。経腹超音波検査は、 肝硬変(肝臓の重度の瘢痕化)や 脂肪肝(肝臓に過剰な脂肪が蓄積している状態)など肝臓全体を一様に侵す異常よりも、腫瘍など肝臓の特... さらに読む (MRCP)検査と呼ばれる特殊な MRI検査 MRI(磁気共鳴画像)検査 MRI(磁気共鳴画像)検査は、強力な磁場と非常に周波数の高い電磁波を用いて極めて詳細な画像を描き出す検査です。X線を使用しないため、通常はとても安全です。( 画像検査の概要も参照のこと。) 患者が横になった可動式の台が装置の中を移動し、筒状の撮影装置の中に収まります。装置の内部は狭くなっていて、強力な磁場が発生します。通常、体内の組織に含まれる陽子(原子の一部で正の電荷をもちます)は特定の配列をとっていませんが、MRI装置内で生じるよう... さらに読む を行っています。MRCP検査では、CT検査よりも胆道や膵管が鮮明に示されます。
内視鏡的逆行性胆道膵管造影 内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査 肝臓、胆嚢、胆管の画像検査には、超音波検査、核医学検査、CT検査、MRI検査、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)検査、経皮経肝胆道造影検査、術中胆道造影検査、単純X線検査などがあります。 ( 肝臓と胆嚢の概要も参照のこと。) 超音波検査では、音波を利用して肝臓や胆嚢、胆管を画像化します。経腹超音波検査は、 肝硬変(肝臓の重度の瘢痕化)や 脂肪肝(肝臓に過剰な脂肪が蓄積している状態)など肝臓全体を一様に侵す異常よりも、腫瘍など肝臓の特... さらに読む (ERCP)検査を行えば、胆管と膵管を観察することができます。この検査は、慢性膵炎の診断のために行われることはまれですが、閉塞部を通してステント(筒状の器具)を留置したり膵管の結石を除去するなど、膵管に対する特定の治療が必要な場合に行うことがあります。
超音波内視鏡検査(先端に超音波プローブを取り付けた観察用の柔軟な管状の機器を口から胃を通して小腸の最初の部分まで挿入します)は、膵臓と膵管の異常の検出に役立つ別の検査です。
慢性膵炎の人では膵臓がんのリスクが高くなるため、症状が悪化するか、膵管が狭くなった場合は、膵臓がんが疑われます。このようなケースでは、血液検査、MRI検査、CT検査、または超音波内視鏡検査がよく行われます。
内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査について
内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)検査では、内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を口から挿入し、胃を通して十二指腸(小腸が始まる部分)まで到達させます。その後、オッディ括約筋を通して胆道に造影剤(X線画像に写る液体)を注入します。造影剤によって閉塞の輪郭が描き出されます。 さらに内視鏡を通して手術器具を挿入することにより、胆管の結石を除去したり、結石、瘢痕、がんなどで詰まった胆管を迂回するためのステント(筒状の器具)を挿入したりすることが可能です。 ![]() |
膵機能検査
慢性膵炎の場合、膵臓がどの程度機能しているかを調べる検査も行います。この検査は、 吸収不良 吸収不良の概要 吸収不良症候群とは、食べたものに含まれる栄養素が様々な理由により小腸で適切に吸収されない状態のことをいいます。 ある種の病気、感染症、手術でも吸収不良が起こることがあります。 吸収不良によって、下痢、体重減少、極度の悪臭がする大量の便がみられます。 診断は、典型的な症状と、便検査の結果、ときに小腸粘膜の生検結果に基づいて下されます。... さらに読む につながる膵機能不全の有無を判定する上で役立ちます。便のサンプルを検査して、含まれる脂肪の量やエラスターゼなどの消化酵素の量を確認します。エラスターゼの測定値が低ければ、膵機能不全が示唆されます。
血液検査
血液検査は慢性膵炎の診断では急性膵炎の場合ほど有用ではありませんが、アミラーゼとリパーゼ(膵臓で産生される2つの酵素)の濃度上昇が示されることがあります。血糖値が上昇していることがあり、血糖値の確認のためにも血液検査を行うことができます。
治療
痛みのコントロール
膵酵素のサプリメント
糖尿病の管理
慢性膵炎の予後は様々です。
慢性膵炎の人は、たとえアルコールが原因ではない場合であっても、飲酒と喫煙を控える必要があります。
痛みのコントロール
痛みのコントロールは慢性膵炎の管理で最も難しい部分であり、治療の重点は痛みを軽減し、病気の進行を遅らせることに置かれます。脂肪分の少ない食事を1日4~5回に分けてとると、膵酵素の分泌量が減少して痛みが軽減する可能性があります。
痛みを緩和するために オピオイド鎮痛薬 オピオイド鎮痛薬 基礎疾患を治療することで、痛みを解消したり最小限に抑えたりできるケースがあります。例えば、骨折をギプスで固定することや、感染を起こした関節に抗菌薬を投与することは、鎮痛に役立ちます。しかし、痛みの基礎疾患が治療可能な場合でも、痛みに速やかに対処するために痛み止め(鎮痛薬)が必要になる場合もあります。 ( 痛みの概要も参照のこと。) 医師が鎮痛薬を選択する際、痛みのタイプと持続期間、それぞれの鎮痛薬の便益とリスクを考慮します。ほとんどの鎮... さらに読む が必要になることもあります。痛みを和らげる対策を行っても痛みが緩和せず、オピオイドの量を増やさざるを得なくなる場合が非常に多いですが、その場合は依存症のリスクがあります。慢性の痛みを管理するために、医師が三環系抗うつ薬、ガバペンチン、プレガバリン、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)など、追加の痛み止めを推奨することがあり、それらは単独またはオピオイドとの併用で処方されますが、得られる結果は様々です。慢性膵炎の痛みには薬物療法では十分な効果が得られないことがよくあります。
自己免疫性膵炎の治療では、コルチコステロイドを投与することがあります。
ときに、治療のために内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を使用することがあります。 内視鏡的逆行性胆道膵管造影 内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査 肝臓、胆嚢、胆管の画像検査には、超音波検査、核医学検査、CT検査、MRI検査、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)検査、経皮経肝胆道造影検査、術中胆道造影検査、単純X線検査などがあります。 ( 肝臓と胆嚢の概要も参照のこと。) 超音波検査では、音波を利用して肝臓や胆嚢、胆管を画像化します。経腹超音波検査は、 肝硬変(肝臓の重度の瘢痕化)や 脂肪肝(肝臓に過剰な脂肪が蓄積している状態)など肝臓全体を一様に侵す異常よりも、腫瘍など肝臓の特... さらに読む (ERCP)検査と同時に内視鏡治療を行うことで、瘢痕化(狭窄)や結石によって詰まった管から溜まった液体を排出することができます。この処置によって痛みが緩和することがあります。
砕石術 結石の除去 結石は尿路のいずれかの部位で形成される硬い固形物で、痛み、出血、または尿路の感染や閉塞の原因となることがあります。 小さな結石の場合は症状がみられませんが、大きな結石が発生すると、肋骨と腰の間の部分に耐えがたい激痛が生じることがあります。 結石の診断では通常、画像検査と尿検査が行われます。... さらに読む (さいせきじゅつ)(衝撃波で結石を砕く治療法)は、大きな結石や膵管に詰まった結石に対する治療として行われます。
膵管が拡張している場合や膵臓の一部に炎症を伴う腫瘤がある場合には、外科的な治療が選択肢の1つになります。例えば、膵管が拡張している場合は、膵臓から小腸に迂回路を形成することで、約70~80%の人で痛みが軽減します。膵管が拡張していない場合は、膵臓の一部の切除が必要になることがあります。膵臓の一部を切除すれば、インスリンを分泌する細胞を切除することになり、糖尿病が発生すことがあります。アルコールの摂取をやめており、糖尿病が生じた場合に管理ができる患者にのみ手術が行われます。
ときに膵仮性嚢胞は大きくなるにつれて痛みを引き起こすことがあり、内視鏡によって、または患部の皮膚を通して、中身を排出する減圧処置を行わなければならないことがあります。
膵酵素のサプリメント
膵酵素のサプリメントは、膵酵素の分泌を減らすことで慢性の痛みを軽減できる可能性があります。酵素による治療は安全で副作用もほとんどないため、しばしば試されますが、十分な痛みの緩和が得られないことがあります。
膵機能不全がある場合は、膵酵素の抽出物の錠剤やカプセルを食事と一緒に服用することで、便の脂肪化を抑え、食べものの吸収を改善することができますが、これらの問題が完全に消失することはまれです。サプリメントは食事とともに服用する必要があります。ときに、ヒスタミンH2受容体拮抗薬またはプロトンポンプ阻害薬(胃酸の産生を抑える薬)を膵酵素のサプリメントと一緒に服用することを医師が推奨することがあります。膵酵素による治療を行うと、通常は体重がある程度増加し、排便回数が減り、便に油滴が混ざることがなくなり、全体的に気分がよくなります。これらの処置で効果がみられない場合は、脂肪の摂取量をさらに減らしてみることができます。 脂溶性ビタミン 脂溶性ビタミン ビタミンは健康的な食事に不可欠です。ほとんどのビタミンについて、健康な人の大半が健康を維持するのに必要な1日当たりの量を表した推奨量(RDA)が設定されています。一部のビタミンには、安全な上限量(耐容上限量)が決められています。この上限を超えて摂取すると、有害な影響(毒性)が出るリスクが高まります。... さらに読む (A、D、E、K)のサプリメントも必要になることがあります。
糖尿病の管理
(糖尿病の治療 治療 糖尿病は、体がインスリンを十分に産生しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 神経を損傷し、知覚に問題が生じます。 血管を損傷し、心臓発作、脳卒中、慢性腎臓病、視力障害のリスクが高まります。... さらに読む も参照のこと。)
慢性膵炎による糖尿病の治療では、まれに血糖降下薬の内服薬が役立ちます。インスリンが必要になることが一般的ですが、患者ではインスリンの作用のバランスを取る働きをするホルモンであるグルカゴンの濃度も低下しているため、インスリンにより問題が生じることがあります。血液中のインスリンが過剰になると、低血糖が生じ、このため低血糖昏睡が生じることがあります(低血糖の症状 症状 低血糖とは、血液中のブドウ糖の値(血糖値)が異常に低くなっている状態です。 低血糖は、糖尿病を管理するために服用する薬によるものが最も多くみられます。低血糖のまれな原因としては、他の種類の薬、深刻な病態や臓器不全、炭水化物に対する反応(感受性の高い人において)、膵臓のインスリン産生腫瘍、一部の肥満外科手術(減量のための手術)などがあります。 血糖値が下がると、空腹、発汗、ふるえ、疲労、脱力感、思考力の低下といった症状が生じますが、重度の... さらに読む を参照)。