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ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)食中毒

執筆者:

Jonathan Gotfried

, MD, Lewis Katz School of Medicine at Temple University

レビュー/改訂 2021年 10月
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ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)食中毒は、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)という細菌に汚染された食べものを摂取することで起こります。この細菌は小腸に入ると毒素を放出し、しばしば下痢を起こします。

ウェルシュ菌 クロストリジウム感染症の概要 クロストリジウム属の 細菌は、健康な成人や新生児の腸内に一般的にみられます。また、動物、土壌、腐敗した野菜中にも存在します。これらの細菌は、生存に酸素を必要としない 嫌気性の細菌です。 クロストリジウム属には多くの種があります。 最も頻度の高いクロストリジウム感染症は 胃腸炎(ウェルシュ菌[Clostridium perfringens]による食中毒)で、これは通常、軽度の感染症で、典型的には自然に治癒します。重篤なクロス... さらに読む によって 胃腸炎 胃腸炎の概要 胃腸炎とは、胃と腸(小腸および大腸)の粘膜に炎症が起きた状態のことです。通常は微生物が感染することで起こりますが、毒性のある化学物質や薬の摂取が原因で起こることもあります。 胃腸炎の通常の原因は感染ですが、毒性物質や薬の摂取が原因となることもあります。 典型的には下痢、吐き気、嘔吐、腹痛がみられます。... さらに読む 胃腸炎の概要 などのいくつかの病気が引き起こされます。菌株によっては、軽度から中等度の胃腸炎が起こり、治療しなくても回復しますが、重度の胃腸炎を引き起こして小腸に損傷を与え、ときに死に至らしめる菌株もあります。通常、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)食中毒の集団発生は、汚染された牛肉、鶏肉、グレービーソース、乾燥食品、加熱調理済み食品が原因で起こります。ウェルシュ菌の中には、十分に加熱調理しても死滅しない菌株があります。

ウェルシュ菌食中毒の症状

汚染された食べものの摂取からおよそ6~24時間で胃腸炎が始まります。最もよくみられる症状は水様性下痢と差し込むような腹痛です。通常は軽度ですが、腹痛、ガスによる腹部のふくらみ(膨隆)、重度の下痢、脱水、重度の血圧低下(ショック ショック ショックとは、臓器に向かう血流が減少することで、酸素の供給量が低下し、それにより臓器不全やときに死にもつながる、生命を脅かす状態です。通常、血圧は低下しています。 ( 低血圧も参照のこと。) ショックの原因には血液量の減少、心臓のポンプ機能の障害、血管の過度の拡張などがあります。 血液量の減少または心臓のポンプ機能の障害によってショックが起きると、脱力感、眠気、錯乱が生じ、皮膚が冷たく湿っぽくなり、皮膚の色が青白くなります。... さらに読む )などが起こることもあります。ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)食中毒の症状は、通常24時間続きます。

ウェルシュ菌食中毒の診断

  • 医師による評価

  • ときに、汚染された食べものや便の検査

ある地域でウェルシュ菌(Clostridium perfringens)食中毒が集団発生している場合は、通常はこの食中毒の可能性が疑われます。汚染された食べものや感染者からの便のサンプルを検査し、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)の有無を確認することで、診断が確定します。

ウェルシュ菌食中毒の予防

  • 食事の残り物はすぐに冷蔵庫に入れ、食べる際には十分に再加熱する

感染の予防には、加熱調理した肉の残り物はすぐに冷蔵庫に入れ、その後食事に出す前には十分に再加熱するようにします。

ウェルシュ菌食中毒の治療

  • 水分補給と安静

患者は水分の補給を受け、安静を保つように指示されます。抗菌薬は投与しません。

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