CT検査(CT(コンピュータ断層撮影)検査 CT(コンピュータ断層撮影)検査 CT検査(以前はCAT検査とよばれていました)では、X線源とX線検出器が患者の周りを回転します。最近の装置では、X線検出器は4~64列あるいはそれ以上配置されていて、それらが体を通過したX線を記録します。検出器によって記録されたデータは、患者の全周の様々な角度からX線により計測されたものであり、直接見ることはできませんが、検出器からコンピュータに送信され、コンピュータが体の2次元の断面のような画像(スライス画像)に変換します。(CTとは... さらに読む )とMRI検査(MRI(磁気共鳴画像)検査 MRI(磁気共鳴画像)検査 MRI(磁気共鳴画像)検査は、強力な磁場と非常に周波数の高い電磁波を用いて極めて詳細な画像を描き出す検査です。X線を使用しないため、通常はとても安全です。( 画像検査の概要も参照のこと。) 患者が横になった可動式の台が装置の中を移動し、筒状の撮影装置の中に収まります。装置の内部は狭くなっていて、強力な磁場が発生します。通常、体内の組織に含まれる陽子(原子の一部で正の電荷をもちます)は特定の配列をとっていませんが、MRI装置内で生じるよう... さらに読む
)は、腹部臓器の大きさや位置を調べるのに適しています。さらに、これらの検査では悪性腫瘍(がん)や良性腫瘍(がんではない腫瘍)もしばしば検出されます。血管の変化も検出できます。通常、虫垂や憩室などの炎症(虫垂炎 虫垂炎 虫垂炎とは、虫垂に感染と炎症が起きた状態です。 しばしば虫垂の内部に閉塞が生じることで虫垂が炎症を起こし、感染症が生じます。 腹痛、吐き気、発熱がよくみられます。 試験開腹、またはCT検査や超音波検査などの画像検査が行われます。 治療では、虫垂の切除手術と感染症治療のための抗菌薬の投与が行われます。 さらに読む や 憩室炎 憩室炎 憩室炎(けいしつえん)は、1つ以上の風船状の袋(憩室)に炎症が起きた状態です。感染することもあれば、感染しないこともあります。 通常、憩室炎は大腸(結腸)に起こります。 左下腹部の痛み、圧痛、発熱が、典型的な症状です。 診断は、CT検査の結果に基づいて下され、憩室炎が治まった後に、大腸内視鏡検査を行います。 憩室炎の症状が軽度の場合は、安静、流動食と、ときに抗菌薬の服用により治療しますが、重度の場合は入院して、抗菌薬を静脈内投与し、とき... さらに読む
など)も検出できます。ときに、X線照射や手術のガイド役としてこれらの検査を用いることもあります。
消化管のCT検査とMRI検査では、造影剤(画像検査に写る物質)を投与して、1つの組織または構造を周囲のものと区別しやすくすることがあります。造影剤の投与法には、経口投与、静脈内投与、注腸などがあり、それらを組み合わせることもあります。
CT小腸造影
この検査では、小腸の内面が鮮明に観察でき、腫瘍や出血がないか調べることができます。この検査を受ける場合、バリウムなどの液体の造影剤を大量に(約1.5リットル)飲みます。造影剤によって小腸が広がることで、観察しやすくなります。
CTコロノグラフィー
この検査では、結腸の2次元画像と3次元画像が作成され、腫瘍や他の問題が明らかになる可能性があります。結腸がんのスクリーニング検査として大腸内視鏡検査の代わりにこの検査を用いる医師もいます。
この検査では、造影剤を服用し、直腸に挿入したチューブからガスを注腸して結腸を膨らませます。検査前には、通常の大腸内視鏡検査で必要なものと同様の下剤投与や浣腸を行って便を完全に取り除きます。CTコロノグラフィーでは、異常な増殖物(腸のポリープ 結腸と直腸のポリープ ポリープは、腸のような中空の臓器の壁から増殖した組織が突出したものです。 ポリープの中には遺伝性疾患により生じるものがあります。 下血が最もよくみられる症状です。 一部のポリープはがん化します。( 大腸がんを参照) 診断を下すために大腸内視鏡検査が行われます。 さらに読む )や、さらには 結腸がん 大腸がん 大腸がんのリスクは、家族歴や食事に関する一部の要因(低繊維、高脂肪)によって高まります。 典型的な症状としては、排便時の出血、疲労、筋力低下などがあります。 50歳以上の人ではスクリーニング検査が重要です。 診断を下すために大腸内視鏡検査がよく行われます。 早期に発見された場合に最も高い治癒の可能性があります。 さらに読む
を検出できますが、検査中に検出されたポリープや異常を取り除くには大腸内視鏡検査も必要です。