膵臓

執筆者:Michael Bartel, MD, PhD, Fox Chase Cancer Center, Temple University
レビュー/改訂 2022年 10月
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やさしくわかる病気事典

    膵臓(すいぞう)は以下の2種類の腺組織を含む臓器です。

    • 膵腺房(すいせんぼう)

    • ランゲルハンス島

    消化器系の概要も参照のこと。)

    膵腺房では消化酵素がつくられます。ランゲルハンス島ではホルモンがつくられます。膵臓は消化酵素を十二指腸へ、ホルモンを血液中へ分泌します。

    アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなどの消化酵素は、腺房の細胞から分泌されて膵管に流れ込みます。膵管はファーター膨大部(ぼうだいぶ)のところで総胆管と合流し、ここから十二指腸へ流れていきます。正常な場合、消化酵素は不活性の状態で分泌されます。酵素は消化管に到達したときだけ活性化されます。アミラーゼは炭水化物を、リパーゼは脂肪を、トリプシンはタンパク質を消化します。膵臓はまた、大量の炭酸水素ナトリウムを分泌して、から流れてくる胃酸を中和することで十二指腸粘膜を保護しています。

    膵臓すいぞう位置いち

    膵臓では、以下の3種類のホルモンがつくられます。

    • インスリン

    • グルカゴン

    • ソマトスタチン

    インスリンは、糖(ブドウ糖)を細胞内へ移動させることで血液中の糖分を減らします。グルカゴンは、肝臓を刺激して保存されている糖分を放出させることで血液中の糖分を増やします。ソマトスタチンは、体内での必要性に合わせてインスリングルカゴンの放出を抑えます。

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