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ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染

(ピロリ菌感染)

執筆者:

Nimish Vakil

, MD, University of Wisconsin School of Medicine and Public Health

最終査読/改訂年月 2020年 3月
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概要
本ページのリソース

ヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pylori (ピロリ菌 H. pylori)感染は、胃の炎症(胃炎 胃炎 胃炎とは、胃の粘膜の炎症です。 胃炎は、感染、重度の疾患によるストレス、損傷、ある種の薬、免疫系の病気など、様々な要因によって起こります。 胃炎の症状が発生する場合、腹痛や腹部不快感、ときには吐き気や嘔吐などがみられます。 診断は、多くの場合患者の症状に基づいて下されますが、内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)で胃を調べなければならないこともあります(上部消化管内視鏡検査)。 治療は胃酸を減らす薬や、ときに抗菌薬により行います。 さらに読む 胃炎 )、消化性潰瘍(かいよう) 消化性潰瘍 消化性潰瘍(かいよう)とは、胃や十二指腸の内面が胃酸や消化液で侵食されて、円形やだ円形の傷ができた状態をいいます。 消化性潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染や、胃や十二指腸の粘膜を衰弱させる薬によって生じることがあります。 潰瘍による不快感が生じたり消えたりしますが、この不快感は食べることで胃酸が分泌されるために食後に起こる傾向があります。... さらに読む 消化性潰瘍 、ある種の胃がん 胃がん ヘリコバクター・ピロリの感染は胃がんの危険因子です。 漠然とした腹部の不快感、体重減少、筋力低下が典型的な症状の一部です。 診断としては内視鏡検査や生検などを行います。 胃がんは早期に他の部位に転移する傾向があるため、生存率は低くなっています。 がんを摘出したり、症状を緩和するために手術が行われます。 さらに読む 胃がん を引き起こす細菌感染です。

  • この感染はヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pylori(ピロリ菌 H. pylori)と呼ばれる種類の細菌により引き起こされます。

  • ピロリ菌(H. pylori)感染の症状が現れる場合、消化不良と上腹部の痛みや不快感などがみられます。

  • 診断は多くの場合、呼気試験と内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)で胃を調べる検査(上部消化管内視鏡検査)の結果に基づいて下されます。

  • 治療には抗菌薬とプロトンポンプ阻害薬を用います。

ヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pyloriの感染は、胃炎や消化性潰瘍の原因として世界で最もよくみられるものです。この感染は非常に多くみられ、年齢とともに増加します。60歳までに約50%の人が感染します。ただし、最近の研究では若年者におけるピロリ菌(H. pylori)感染者が減少しつつあることが示されています。この感染は、黒人、ヒスパニック系やアジア系の人に多くみられます。

ピロリ菌 H. pyloriは、便、唾液、歯垢(しこう)でみつかります。ピロリ菌 H. pyloriは人から人へと広がる可能性があり、特にこの細菌に感染している人が排便後にしっかり手を洗わないと感染しやすくなります。キスなどの濃厚な接触によって細菌が広がることもあるため、家族内や介護施設などの管理施設に生活している人の間で集団感染する傾向があります。

知っていますか?

  • ヘリコバクター・ピロリ Helicobacter pyloriと呼ばれる特定の細菌への感染は、胃炎や消化性潰瘍の原因として世界で最もよくみられるものです。

胃の内面には、胃から分泌される強酸性の胃液にさらされないように保護する粘液層があり、ピロリ菌 H. pyloriはこの保護粘液の中で増殖します。その上、ピロリ菌 H. pyloriはアンモニアを作り出し、アンモニアはピロリ菌を胃液から保護するのに役立つとともに、ピロリ菌が粘液層を破壊して貫通させるのを可能にします。

ピロリ菌( H. pylori )感染の合併症

ピロリ菌 H. pyloriに感染しているほぼすべての人に胃の炎症(胃炎 胃炎 胃炎とは、胃の粘膜の炎症です。 胃炎は、感染、重度の疾患によるストレス、損傷、ある種の薬、免疫系の病気など、様々な要因によって起こります。 胃炎の症状が発生する場合、腹痛や腹部不快感、ときには吐き気や嘔吐などがみられます。 診断は、多くの場合患者の症状に基づいて下されますが、内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)で胃を調べなければならないこともあります(上部消化管内視鏡検査)。 治療は胃酸を減らす薬や、ときに抗菌薬により行います。 さらに読む 胃炎 )がみられ、胃炎は胃全体に広がっていることもあれば、胃の下部(胃前庭部)だけの場合もあります。ピロリ菌感染は、ときにびらん性胃炎 胃炎とは、胃の粘膜の炎症です。 胃炎は、感染、重度の疾患によるストレス、損傷、ある種の薬、免疫系の病気など、様々な要因によって起こります。 胃炎の症状が発生する場合、腹痛や腹部不快感、ときには吐き気や嘔吐などがみられます。 診断は、多くの場合患者の症状に基づいて下されますが、内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)で胃を調べなければならないこともあります(上部消化管内視鏡検査)。 治療は胃酸を減らす薬や、ときに抗菌薬により行います。 さらに読む の原因になり、おそらく胃潰瘍 消化性潰瘍 消化性潰瘍(かいよう)とは、胃や十二指腸の内面が胃酸や消化液で侵食されて、円形やだ円形の傷ができた状態をいいます。 消化性潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染や、胃や十二指腸の粘膜を衰弱させる薬によって生じることがあります。 潰瘍による不快感が生じたり消えたりしますが、この不快感は食べることで胃酸が分泌されるために食後に起こる傾向があります。... さらに読む 消化性潰瘍 も引き起こす可能性があります。

ピロリ菌 H. pyloriは、胃酸の分泌を増やし、胃酸に対する正常な胃の防御機能を損ない、毒素を産生することで、胃潰瘍が形成される一因になります。

症状

ピロリ菌(H. pylori)感染による胃炎のうち、症状や合併症(胃や十二指腸の消化性潰瘍など)が生じるのは20%にすぎません。

ピロリ菌(H. pylori)感染による胃潰瘍がある場合は、上腹部の痛みなど、他の原因による胃潰瘍と同様の症状が起きます。

診断

予後(経過の見通し)

ピロリ菌(H. pylori)感染による消化性潰瘍が3年以内に再発する可能性は、抗菌薬による治療を受けていない人で約50%以上です。この割合は、抗菌薬による治療を受けた場合、10%未満まで低下します。また、ピロリ菌(H. pylori)感染を治療することにより、他の治療で効果がなかった胃潰瘍が治癒することがあります。

治療

  • 抗菌薬とプロトンポンプ阻害薬

  • 治療後に、ピロリ菌 H. pyloriの除菌を確認するための検査

ピロリ菌(H. pylori)感染に対して最もよく行われている治療法では、胃酸分泌を減少させるプロトンポンプ阻害薬 プロトンポンプ阻害薬 消化性潰瘍、胃炎、胃食道逆流症(GERD)などのいくつかの胃の病気には胃酸が関与しています。胃に存在する酸の量は通常、このような病気の患者では正常ですが、胃と腸の損傷の治療や症状の緩和には、胃酸の量を減らすことが重要です。 プロトンポンプとは化学的過程の名称であり、これによって胃から酸が分泌されます。プロトンポンプ阻害薬は胃酸の分泌を最も強く抑制する薬です。プロトンポンプ阻害薬は、ヒスタミンH2受容体拮抗薬と比較して、より多くの人でより... さらに読む 、2種類の抗菌薬、そして感染を治癒させるためにときに次サリチル酸ビスマスも投与されます。いくつかのプロトンポンプ阻害薬(ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、またはエソメプラゾール)のうち1つが投与されます。これらの薬により下痢、便秘、頭痛が生じることがあります。アモキシシリン、クラリスロマイシン、メトロニダゾール、テトラサイクリンなど、いくつかの異なる抗菌薬が用いられる可能性があります。これらすべての抗菌薬は味覚を変化させて吐き気を引き起こし、アモキシシリン、クラリスロマイシン、テトラサイクリンは下痢を引き起こす可能性があります。次サリチル酸ビスマスは、便秘や舌や便の黒ずみを引き起こす可能性があります。

通常は治療が成功したことを確認するために、治療が終了してから約4週間後に呼気試験や便検査または内視鏡検査を繰り返し行います。

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