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家族性大腸腺腫症

執筆者:

Elliot M. Livstone

, MD, Sarasota Memorial Hospital, Sarasota, FL

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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家族性大腸腺腫症は遺伝性疾患で、小児期または青年期に、多数(しばしば100個以上)の前がん性のポリープが大腸直腸の至るところに発生します。

ポリープは、腸のような中空の臓器の壁から増殖した組織が突出したものです(結腸と直腸のポリープも参照)。家族性大腸腺腫症は8000人に1人から14,000人に1人の割合でみられます。この病気では、15歳までに50%、35歳までに95%の人にポリープがみられます。治療をしなければ、ほぼすべての場合、40歳までにポリープが大腸がんや直腸がんになります。

知っていますか?

  • 家族性大腸腺腫症では、ほぼすべての場合、40歳までに結腸がんが発生します。

家族性大腸腺腫症の人は、十二指腸、膵臓、甲状腺、脳、肝臓にがんが発生するリスクも高くなります。また、家族性大腸腺腫症の人では、他の合併症(以前はガードナー症候群と呼ばれていました)も発生し、特に様々な種類の良性腫瘍がみられます。そのような良性腫瘍は、皮膚、頭蓋骨、あごなど、別の場所にできます。

症状

家族性大腸腺腫症の症状は、他の大腸ポリープと同じです(結腸と直腸のポリープの症状を参照)。ほとんどの人には症状がみられませんが、下血が少数の人にみられます。通常、このような出血は顕微鏡でやっと検出できる量にすぎません。

診断

  • 大腸内視鏡検査

  • 遺伝子検査

  • 小児で肝芽腫の検査

診断を下すために大腸内視鏡検査が行われます。

家族性大腸腺腫症の人には、遺伝子検査も勧められます。近親者も遺伝子検査を受ける必要があります。遺伝子検査が利用できない場合、血縁者は12歳からS状結腸鏡検査(観察用の管状の機器で大腸の下部を調べる検査)によるスクリーニング検査を1年に1回受け、その後は10年単位で頻度を少なくして受ける必要があります。

家族性大腸腺腫症の人の子どもには、出生から5歳までの間に肝臓がんの一種(肝芽腫)の検査を行うことがあります。

治療

  • 手術による結腸およびときに直腸の切除

  • 場合により非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)

家族性大腸腺腫症のほぼすべての人でがんが発生するため、典型的には診断されたらすぐに手術を行うように勧められます。手術にはいくつか方法があります。大腸と直腸をすべて切除する(結腸全摘術または大腸切除術と呼ばれる)と、がんのリスクがなくなります。この手術では直腸が失われるため、小腸を切断した端と腹壁に手術であけた開口部を永久的に接続します(回腸瘻[ろう]造設術)。排泄物は開口部から排泄され、使い捨てのバッグに入ります。

回腸瘻造設術の代わりに、大腸全体と直腸の内面のみ(ポリープは内面から増殖するため)を切除する方法もあります。この場合、小腸の端を袋にして、肛門に接合することができます。この袋が直腸のような機能をある程度果たすため、回腸瘻造設術の必要がなくなります。

回腸瘻造設術の別の代替法として、大腸のみを切除して、直腸を小腸につなぎ合わせる方法があります。この手術では、がん化することがある直腸ポリープが発生する可能性はなくなりません。そのため、直腸の残った部分は、新しいポリープができていたら切除できるように、頻繁にS状結腸鏡検査で観察する必要があります。ただし、新しいポリープがあまりにも早く現れる場合は直腸も切除しなければなりません。

直腸全体と大腸を切除した後は、胃と小腸の上部(十二指腸)にがんがないか、定期的に内視鏡検査で調べる必要があります。医師が甲状腺のスクリーニングを毎年受けるように推奨する場合もあります。

家族性大腸腺腫症の人や大腸にポリープやがんがある人を対象として、一部のNSAIDを投与することでポリープの成長を抑えることができないか検討する研究が行われています。しかし、その効果は一時的なもので、投与をやめるとポリープは再び大きくなります。

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