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ビポーマ

(ウェルナー-モリソン症候群)

執筆者:

Elliot M. Livstone

, MD, Sarasota Memorial Hospital, Sarasota, FL

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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ビポーマは、血管作動性腸管ペプチドというホルモンを分泌する膵臓のまれな腫瘍で、この物質によって重度の水様性下痢が引き起こされます。

  • この種の腫瘍は、血管作動性腸管ペプチドを作っている膵臓の細胞から発生します。

  • 主な症状は水様性の下痢です。

  • 診断では血液検査や画像検査などを行います。

  • 治療法は水分および電解質の補充と手術です。

ビポーマは膵内分泌腫瘍の一種です。この腫瘍の約50~75%が悪性腫瘍(がん)です。約6%の患者では、多発性内分泌腫瘍症という病気の一部としてビポーマが発生します。

症状

ビポーマの主な症状は、長期間続く大量の水様性下痢です。患者は1日に1000~3000ミリリットルの水様便を排泄し、脱水が起こります。50%の人では、下痢が一定の強さで続きますが、残りの人では時間の経過とともに下痢の重症度が変化します。

下痢によって体内の正常な塩類の多くが失われるため、しばしば血液中のカリウム濃度が下がり(低カリウム血症)、血液が過度に酸性になります(アシドーシス)。これらの変化により、嗜眠(しみん)、筋力低下、吐き気、嘔吐、けいれん性の腹痛が生じます。皮膚の紅潮がみられる人もいます。

診断

  • 血液検査

  • 画像検査

ビポーマの診断は、下痢の症状と血液中の血管作動性腸管ペプチド(VIP)濃度の上昇に基づいて下されます。

VIP濃度が上昇している場合は、ビポーマの位置を確認するために、超音波内視鏡検査PET検査、オクトレオチドシンチグラフィーや動脈造影検査(造影剤を動脈に注射した後に行うX線検査)などの画像検査も行う必要があります。

治療

  • 水分と電解質の補充

  • オクトレオチド

  • 手術による摘出

まず水分と電解質(血液中のカリウムやナトリウムなどのミネラル)を静脈内投与して補充しなければなりません。重炭酸塩を投与して、便中に失われた分を補充し、アシドーシスを予防する必要があります。水分補給を行うと水分と電解質が便中に失われ続けるため、水分と電解質を補充し続けるのが困難なことがあります。

オクトレオチドにより通常は下痢をコントロールできますが、高用量が必要になることもあります。

腫瘍が広がっていない患者では、ビポーマを手術で切除することで、約50%が治癒します。腫瘍が広がっている人でも、手術により一時的な症状の緩和が得られる可能性があります。化学療法薬により下痢が軽減し、腫瘍が小さくなることがありますが、この病気が治癒するわけではありません。

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