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ビポーマ

(ウェルナー-モリソン症候群)

執筆者:

Elliot M. Livstone

, MD, Sarasota Memorial Hospital, Sarasota, FL

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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  • この種の腫瘍は、血管作動性腸管ペプチドを作っている膵臓の細胞から発生します。

  • 主な症状は水様性の下痢です。

  • 診断では血液検査や画像検査などを行います。

  • 治療法は水分および電解質の補充と手術です。

症状

ビポーマの主な症状は、長期間続く大量の水様性下痢です。患者は1日に1000~3000ミリリットルの水様便を排泄し、脱水が起こります。50%の人では、下痢が一定の強さで続きますが、残りの人では時間の経過とともに下痢の重症度が変化します。

下痢によって体内の正常な塩類の多くが失われるため、しばしば血液中のカリウム濃度が下がり( 低カリウム血症 低カリウム血症(血液中のカリウム濃度が低いこと) 低カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が非常に低い状態をいいます。 カリウム濃度の低下には多くの原因がありますが、通常は嘔吐、下痢、副腎の病気、利尿薬の使用が原因で起こります。 カリウム濃度が低下すると、筋力低下、筋肉のけいれんやひきつり、さらには麻痺が生じるほか、不整脈を起こすことがあります。 診断は、カリウム濃度を測定する血液検査に基づいて下されます。 通常は、カリウムを豊富に含む食べものを食べるか、カリウムのサプリメントを飲むだ... さらに読む )、血液が過度に酸性になります( アシドーシス アシドーシス アシドーシスには、酸の産生過剰による血液中の酸の蓄積または血液中からの重炭酸塩の過剰な喪失が原因で発生する代謝性アシドーシスと、肺機能や呼吸速度が低下し、血液中に二酸化炭素が蓄積して生じる呼吸性アシドーシスとがあります。 血液の酸性度は、酸を含む物質や酸を産生する物質を摂取した場合や、肺から十分な二酸化炭素が排出されない場合に上昇します。 代謝性アシドーシスの人では、吐き気、嘔吐、疲労がよく起こるほか、呼吸が通常より速く、深くなります。... さらに読む )。これらの変化により、嗜眠(しみん)、筋力低下、吐き気、嘔吐、けいれん性の腹痛が生じます。皮膚の紅潮がみられる人もいます。

診断

  • 血液検査

  • 画像検査

ビポーマの診断は、下痢の症状と血液中の血管作動性腸管ペプチド(VIP)濃度の上昇に基づいて下されます。

VIP濃度が上昇している場合は、ビポーマの位置を確認するために、 超音波内視鏡検査 超音波検査 超音波検査では、超音波を用いて内臓の画像を描き出します( 超音波検査)。超音波検査により、肝臓や膵臓(すいぞう)など多くの内臓の形や大きさが確認でき、嚢胞(のうほう)や腫瘍などの内臓の中の異常部位も発見できます。また、腹腔内の液体(腹水)も確認できます。腹壁にプローブを当てる超音波検査は、消化管の粘膜や壁を調べる方法としては不適切です。しかし、超音波内視鏡検査の場合は、内視鏡の先端にプローブがあるため、消化管壁や一部の腹部臓器がより明確... さらに読む 超音波検査 PET検査 PET(陽電子放出断層撮影)検査 PET(陽電子放出断層撮影)検査は核医学検査の一種です。 PET検査では、体内で使用(代謝)されるグルコース(ブドウ糖)や酸素などの物質を放射性核種で標識します。この場合の放射性核種とは、正の電荷をもつ放射性粒子を放出する原子のことで、陽電子と呼ばれます。体内で使用される物質と放射性核種の複合体を放射性トレーサーといいます。トレーサーは体の特定の領域に集まります。この際、組織の活動が活発であればあるほど(例えば、より多くのグルコースまた... さらに読む PET(陽電子放出断層撮影)検査 、オクトレオチドシンチグラフィーや動脈造影検査(造影剤を動脈に注射した後に行うX線検査)などの画像検査も行う必要があります。

治療

  • 水分と電解質の補充

  • オクトレオチド

  • 手術による摘出

まず水分と電解質(血液中のカリウムやナトリウムなどのミネラル)を静脈内投与して補充しなければなりません。重炭酸塩を投与して、便中に失われた分を補充し、アシドーシスを予防する必要があります。水分補給を行うと水分と電解質が便中に失われ続けるため、水分と電解質を補充し続けるのが困難なことがあります。

オクトレオチドにより通常は下痢をコントロールできますが、高用量が必要になることもあります。

腫瘍が広がっていない患者では、ビポーマを手術で切除することで、約50%が治癒します。腫瘍が広がっている人でも、手術により一時的な症状の緩和が得られる可能性があります。化学療法薬により下痢が軽減し、腫瘍が小さくなることがありますが、この病気が治癒するわけではありません。

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