Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

honeypot link

グルカゴノーマ

執筆者:

Elliot M. Livstone

, MD, Sarasota Memorial Hospital, Sarasota, FL

最終査読/改訂年月 2017年 9月
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
  • この種の腫瘍は、グルカゴンを作っている膵臓の細胞から発生します。

  • 症状は糖尿病によるものに似ていて、具体的には体重減少や排尿の増加などがみられます。

  • 診断では血液検査や画像検査などを行います。

  • 治療としては手術のほか、ときに化学療法を行います。

グルカゴンは、正常時には血液中のグルコース濃度(血糖値)が低下したときに膵臓から分泌されるホルモンです。グルカゴンは肝臓を刺激して、貯蔵された炭水化物を分解して血液中のグルコースを増加させるように促します。グルカゴノーマは膵内分泌腫瘍 膵内分泌腫瘍の概要 膵臓は上腹部にある臓器です。消化管に分泌される消化液を分泌しています。膵臓ではインスリンも分泌されており、インスリンは血糖やその他のホルモンの調節を助けています。膵内分泌腫瘍は、ホルモンを分泌するタイプの膵臓細胞から生じる腫瘍です。このような腫瘍はそれ自体がホルモンを分泌することもしないこともあり、がん(悪性)のこともそうでないこともあります。腫瘍には以下の2種類があります。... さらに読む の一種です。グルカゴノーマのおよそ80%は悪性腫瘍(がん)です。しかし腫瘍の増殖が遅いため、多くの人が診断後15年以上生存します。症状が出始める平均年齢は50歳です。グルカゴノーマの患者は約80%が女性です。多発性内分泌腫瘍症 多発性内分泌腫瘍症 多発性内分泌腫瘍症はまれな遺伝性の病気で、いくつかの内分泌腺で良性(がんではない)腫瘍または悪性腫瘍(がん)が発生したり、腫瘍はできないものの腺が過剰に肥大したりします。 多発性内分泌腫瘍症は、遺伝子変異により発生するため、家族内で遺伝する傾向がみられます。 症状は多様で、影響を受けた内分泌腺によって異なります。... さらに読む 多発性内分泌腫瘍症 の人は少数です。

症状

血液中のグルカゴン濃度が高いと、体重減少や頻繁な大量の排尿など、糖尿病 糖尿病 糖尿病は体が必要とするインスリンを十分に産生しないため、血糖(ブドウ糖)値が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇き、減量しようとしていないのに体重が減少します。 神経を損傷し、知覚に問題が生じます。 血管を損傷し、心臓発作、脳卒中、慢性腎臓病、視力障害のリスクが高まります。... さらに読む と同じ症状が現れます。さらに、90%の患者では、慢性的な赤褐色の発疹(壊死性遊走性紅斑と呼ばれる)と滑らかで赤橙色に輝く舌という非常に際立った特徴がみられます。口角のひび割れもできることがあります。発疹はうろこ状に剥がれ、鼠径(そけい)部から始まって殿部、前腕、手、足、脚へと移動します。

診断

  • 血液検査

  • 画像検査

グルカゴノーマの診断は、血液中のグルカゴン濃度の上昇を確認することによって下されます。腹部のCT検査 CT検査とMRI検査 CT検査( CT(コンピュータ断層撮影)検査)とMRI検査( MRI(磁気共鳴画像)検査)は、腹部臓器の大きさや位置を調べるのに適しています。さらに、これらの検査では悪性腫瘍(がん)や良性腫瘍(がんではない腫瘍)もしばしば検出されます。血管の変化も検出できます。虫垂や憩室などの炎症も通常は明確に分かります。ときに、X線照射や手術のガイド役としてこれらの検査を用いることもあります。... さらに読む の次に超音波内視鏡検査 超音波検査 超音波検査では、超音波を用いて内臓の画像を描き出します( 超音波検査)。超音波検査により、肝臓や膵臓(すいぞう)など多くの内臓の形や大きさが確認でき、嚢胞(のうほう)や腫瘍などの内臓の中の異常部位も発見できます。また、腹腔内の液体(腹水)も確認できます。腹壁にプローブを当てる超音波検査は、消化管の粘膜や壁を調べる方法としては不適切です。しかし、超音波内視鏡検査の場合は、内視鏡の先端にプローブがあるため、消化管壁や一部の腹部臓器がより明確... さらに読む 超音波検査 を行って腫瘍の位置を確認します。CT検査で腫瘍を確認できない場合は、MRI検査 CT検査とMRI検査 CT検査( CT(コンピュータ断層撮影)検査)とMRI検査( MRI(磁気共鳴画像)検査)は、腹部臓器の大きさや位置を調べるのに適しています。さらに、これらの検査では悪性腫瘍(がん)や良性腫瘍(がんではない腫瘍)もしばしば検出されます。血管の変化も検出できます。虫垂や憩室などの炎症も通常は明確に分かります。ときに、X線照射や手術のガイド役としてこれらの検査を用いることもあります。... さらに読む PET検査 PET(陽電子放出断層撮影)検査 PET(陽電子放出断層撮影)検査は核医学検査の一種です。 PET検査では、体内で使用(代謝)されるグルコース(ブドウ糖)や酸素などの物質を放射性核種で標識します。この場合の放射性核種とは、正の電荷をもつ放射性粒子を放出する原子のことで、陽電子と呼ばれます。体内で使用される物質と放射性核種の複合体を放射性トレーサーといいます。トレーサーは体の特定の領域に集まります。この際、組織の活動が活発であればあるほど(例えば、より多くのグルコースまた... さらに読む PET(陽電子放出断層撮影)検査 を行うこともあります。

治療

  • 手術による切除

  • ときに化学療法

  • オクトレオチド

理想としては、手術で腫瘍を切除し、それによりすべての症状が消えます。しかし、切除ができない場合や腫瘍が広がっている場合は、化学療法でグルカゴン値を下げて症状を軽減することがあります。しかし化学療法では余命は延長できません。

グルカゴン値を下げるためにオクトレオチドが用いられることがあり、発疹が消えて食欲が回復し体重増加が促されることがあります。しかし、オクトレオチドにより血糖値がさらに上がってしまうこともあります。

発疹の治療には、亜鉛の服用、軟膏塗布、または静脈内投与が行われることがあります。発疹はアミノ酸や脂肪酸の静脈内投与で治療を行うこともあります。

プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP