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薬剤エラー

執筆者:

Shalini S. Lynch

, PharmD, University of California San Francisco School of Pharmacy

最終査読/改訂年月 2019年 7月
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薬剤エラーは、薬を処方する、投与する、服用する、または保管するときに、医師、医療従事者、薬剤師、および患者が犯す誤りのことです。薬剤エラーにより、病気になったり、病気を悪化させたりすることがあります。米国では、薬剤エラーによって、毎年最多で1770億ドル(定義により異なります)にのぼる費用が医療制度にかかると推定されます。(薬の概要 薬の概要 米国の法律では、薬は「病気の診断、治癒、緩和、治療、予防を目的として使用する物質(食品や装置を除く)」または「体の構造や機能に作用することを目的とする物質」と定義されています。(例えば、経口避妊薬は病気ではなく、体の機能に作用する薬の一例です)。こうした薬のあらゆる側面を網羅した定義は、法律を運用する上では重要ですが、日常的に使用するには... さらに読む も参照のこと。)

薬剤エラーの原因には次のようなものがあります。

  • 患者が混乱し、薬を誤って服用

  • 医師が間違った薬を選択、または間違った用量を処方せんに記入

  • 薬剤師が処方せんや薬の容器のラベルを読み違えて間違った薬または用量を渡す

  • 介護者が薬の容器のラベルを読み誤って、間違った薬または用量を渡す

  • 介護者が薬を渡す患者を間違える

  • 薬剤師などによる薬の不適切な保管で、薬の効力が弱まる

  • 期限切れの薬を使用する

  • 患者が空腹時に最も効果的に吸収される薬を食事と一緒に服用する、または副作用を避けるために食事が必要である場合に食事をとらずに服用する

薬剤エラーはいつどのように 薬の概要 米国の法律では、薬は「病気の診断、治癒、緩和、治療、予防を目的として使用する物質(食品や装置を除く)」または「体の構造や機能に作用することを目的とする物質」と定義されています。(例えば、経口避妊薬は病気ではなく、体の機能に作用する薬の一例です)。こうした薬のあらゆる側面を網羅した定義は、法律を運用する上では重要ですが、日常的に使用するには... さらに読む を服用するかについての混乱の結果生じることが最も多く、間違った薬の服用や、用量の間違いにつながります。混乱の一般的な原因には、2種類以上の薬を1つのびんに入れる、薬びんに書かれている指示がすり減っている、薬びんに書かれている指示を理解していない、同じ薬のびんが2つ以上ある、あまりに多くの薬びんがあるためにどのびんの薬をいつ服用するか(およびどの薬をすでに服用したのか)が分からなくなるということがあります。

薬の整理ケース

特にいくつかの異なった薬を1日に服用する場合、薬の整理ケースが役立ちます。薬の整理ケースは、各曜日毎に1日当たり最大4回分の薬を分けて入れておけるコンパートメントを備えています。薬を服用する人またはその介護者は、1週間分の薬を適切なコンパートメントに振り分けます。例えば、ある薬を1日1回、朝に服用するよう処方されていれば、各曜日の朝用のコンパートメントに1回分の薬を入れます。適切な時刻になったら、そのコンパートメントに入った薬をすべて服用します。1つのコンパートメントの薬はすべて同時に服用するため、違う薬が混ざり合っていても問題はありません。整理ケースは薬を服用する人にとっては備忘録の役割を果たし、介護者にとっては薬を服用したかどうかを確認する手段となります。

処方せんを理解する

処方せんを受け取る際には、いつどのように薬を服用するかを必ず理解するようにします。理解できない点があれば、薬をどのように服用するのか薬剤師に聞いて説明してもらうようにします。

薬の処方

薬物相互作用は、多数の薬を服用する場合に起こる可能性が高くなります。このリスクを最小限にするために、医師は、他の医療従事者により処方された薬や市販薬を含め、患者が服用しているすべての薬を把握する必要があります。また、患者は現在用いているすべての薬と投与量を記したリストを携行し、医療機関を受診するたびまたは救急外来を受診する際にそのリストを持参する必要があります。どの薬を用いているかについて疑いがあれば、医療機関を受診する際に確認のため薬をすべて持ってくるよう医師に指示されます。

薬の調剤と投与

医療施設では薬を誤って投与されることがあります。間違った人への投与や、投与時間の間違い、経路の間違いが考えられます。例えば、経口で投与されるはずの薬が、静脈を介して(静脈内に)投与されることがあります。静脈を介して投与する場合にはゆっくりと投与しなければならない薬もあれば、同時に投与できない薬もあります。今では多くの医療施設が、患者の薬剤にバーコードを付けた形で調剤できるコンピュータ化された薬局システムを備えており、そのバーコードの情報は患者が身に着けている医療情報を記したブレスレットと照合できるようになっています。このようなシステムは、薬剤エラーの発生率の減少に役立つ可能性があります。

薬の適切な保管

薬剤師は適切な方法で薬を保管する必要があります。例えば、多くの薬は熱から遠ざけて保管する必要があり、また薬の中には冷蔵が必要なものがあります。メールオーダー薬局は、輸送中に薬が熱くなりすぎないよう注意する必要があります。家で薬を誤った方法で保管すると、薬は使用期限が来るずっと前に効力が低下する可能性が高くなります。

薬を冷蔵庫や冷所で保管する必要があるかどうか、表示を確かめることが必要です。一方で、不必要な使用上の注意によって、患者が指示された通りに薬を服用することが難しくなったり、患者の時間の無駄につながることがあります。例えば、未開封のインスリンは冷蔵する必要がありますが、開封したびんは、太陽や過剰な熱にさらさなければ、比較的長時間冷蔵庫の外で安全に保管できます。さらに、子どもがインスリンをさわる心配がない場合は、もともとのチャイルドプルーフの容器にチャイルドプルーフではないふたをつけて保管してもかまいません。

使用期限切れの薬の服用

使用期限切れの薬を誤って使うことがあります。時間とともに劣化するため、使用期限切れの薬は多くの場合効果が失われています。しかし、薬の中には(アスピリンまたはテトラサイクリンのように)劣化して有害物質に変わるものがあり、使用期限をすぎてから使うと実際に有害なことがあります。

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