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遺伝子の構成と薬への反応

執筆者:

Shalini S. Lynch

, PharmD, University of California San Francisco School of Pharmacy

最終査読/改訂年月 2017年 3月
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遺伝子の構成は人によって違い、体が薬に及ぼす作用や、薬が体に及ぼす作用に影響します。遺伝子の違いが、薬に対する反応にどう影響するかを研究する分野を薬理遺伝学といいます。

ある遺伝子構成をもつ人では、薬の変化のプロセス(代謝)がゆっくりと起こります。その結果、薬が体内に蓄積し、毒性が生じることがあります。別の遺伝子構成をもつ人は、薬の代謝が速すぎて、通常用いられる投与量を服用しても薬の血中濃度が十分に上がらないため、薬が効きません。

米国人の約半数では、ある種の薬を代謝する肝臓の酵素、N-アセチルトランスフェラーゼの働きが遅いといわれています。このような人はアセチル化が遅い人(slow acetylator)と呼ばれます。この酵素よって代謝されるイソニアジド(結核治療薬)などの薬は、アセチル化が遅い人では速い人に比べ血中濃度が高くなる傾向があり、薬が体内に長くとどまります。

1500人に1人程度の割合で、ときに外科手術の間に筋肉を一時的に弛緩させるために投与するスキサメトニウムのような薬を不活化する血液中の酵素である、偽性コリンエステラーゼの濃度が低い人がいます。スキサメトニウムが速やかに不活化されないと、筋肉の弛緩状態が長引き、手術が終わっても、すぐにはいつも通り自然に呼吸できないことがあります。この場合、人工呼吸器が必要な時間が長引きます。

黒人男性の約10%と少数の黒人女性では、ある種の有毒化学物質から赤血球を保護する酵素であるグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)が欠損しています。G6PD欠損症の人に、例えば、マラリアの治療薬であるクロロキン(chloroquine)やプリマキンのような薬を投与すると、薬が赤血球を破壊して、溶血性貧血を引き起こすことがあります。

また、2万人に1人程度の割合で、ハロタンやイソフルラン、セボフルランのような特定の吸入麻酔薬に筋肉が過敏に反応するような遺伝子欠損がみられます。こうした人に、これらの麻酔薬のいずれかとスキサメトニウムなどの筋弛緩薬を併用すると、悪性高熱症と呼ばれる生命を脅かす病気を引き起こすことがあります。この病気では、熱が非常に高くなり、筋肉が硬直し、心臓の拍動が早くなり、血圧が下がります。

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