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遺伝子の構成と薬への反応

執筆者:

Shalini S. Lynch

, PharmD, University of California San Francisco School of Pharmacy

最終査読/改訂年月 2017年 3月
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米国人の約半数では、ある種の薬を代謝する肝臓の酵素、N-アセチルトランスフェラーゼの働きが遅いといわれています。このような人はアセチル化が遅い人(slow acetylator)と呼ばれます。この酵素よって代謝されるイソニアジド(結核治療薬)などの薬は、アセチル化が遅い人では速い人に比べ血中濃度が高くなる傾向があり、薬が体内に長くとどまります。

1500人に1人程度の割合で、ときに外科手術の間に筋肉を一時的に弛緩させるために投与するスキサメトニウムのような薬を不活化する血液中の酵素である、偽性コリンエステラーゼの濃度が低い人がいます。スキサメトニウムが速やかに不活化されないと、筋肉の弛緩状態が長引き、手術が終わっても、すぐにはいつも通り自然に呼吸できないことがあります。この場合、人工呼吸器が必要な時間が長引きます。

黒人男性の約10%と少数の黒人女性では、ある種の有毒化学物質から赤血球を保護する酵素であるグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)が欠損しています。G6PD欠損症の人に、例えば、マラリアの治療薬であるクロロキン(chloroquine)やプリマキンのような薬を投与すると、薬が赤血球を破壊して、 溶血性貧血 貧血の概要 貧血とは、赤血球の数やヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質)の量が少ない状態をいいます。 赤血球には、肺から酸素を運び、全身の組織に届けることを可能にしているヘモグロビンというタンパク質が含まれています。赤血球数が減少したり、赤血球中のヘモグロビンの量が少なくなったりすると、血液は酸素を十分に供給できなくなります。組織に酸素が十分... さらに読む を引き起こすことがあります。

また、2万人に1人程度の割合で、ハロタンやイソフルラン、セボフルランのような特定の吸入麻酔薬に筋肉が過敏に反応するような遺伝子欠損がみられます。こうした人に、これらの麻酔薬のいずれかとスキサメトニウムなどの筋弛緩薬を併用すると、 悪性高熱症 悪性高熱症 悪性高熱症とは、もともと悪性高熱症にかかりやすい人が、一部の筋弛緩薬と手術のための麻酔ガスを併用した場合に生じるまれな、生命を脅かす体温の上昇です。 悪性高熱症は、麻酔を行ったとき、または手術中や手術直後に生じることがあります。 筋細胞の働きが過度に活発になることで、持続性の筋収縮が起き、その結果熱が生じ、体温が非常に高くなります。 症状には、筋肉の硬直、心拍数の増加、速い呼吸などがあります。... さらに読む と呼ばれる生命を脅かす病気を引き起こすことがあります。この病気では、熱が非常に高くなり、筋肉が硬直し、心臓の拍動が早くなり、血圧が下がります。

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