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市販薬に関する注意事項

執筆者:

Shalini S. Lynch

, PharmD, University of California San Francisco School of Pharmacy

医学的にレビューされた 2019年 7月
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本ページのリソース

薬同士の危険な相互作用 薬物間相互作用 薬が人に与える影響については、薬が以下のものと相互作用することにより、予想されたものとは異なる可能性があります。 その人が服用している別の薬(薬同士の相互作用) その人が摂取している飲食物やサプリメント(薬と栄養素の相互作用) その人がかかっている別の病気(薬と病気の相互作用) 薬物相互作用は、通常は好ましくなく、ときに害をもたらすことがあります。相互作用では以下のことが起こる可能性があります。 さらに読む を避けるには、処方薬と市販薬を同時に服用する前に、薬剤師や医師に相談するべきです。慢性疾患のある人も薬剤師または医師に相談するべきでしょう。市販薬は重症疾患の治療を目的として設計されておらず、また一部の病気を悪化させることがあります。発疹または不眠など予期しなかった反応は、薬の服用を直ちに中止して医学的な助言を受けるための合図です。

小児

小児の体は、成人の体とは異なる形で薬を代謝し、薬に対する反応も異なります。多くの人が長年使用している薬であっても、改めて小児に対して危険であることが判明するケースもあります。例えば、水痘やインフルエンザにかかった小児にアスピリンを投与すると ライ症候群 ライ症候群 ライ症候群は非常にまれな病気ですが、脳の炎症や腫れと、肝機能の低下または喪失をもたらし、生命を脅かすことがあります。 ライ症候群の原因は不明ですが、ウイルス感染症やアスピリンの使用が引き金になると考えられています。 ウイルス感染症の症状に続いて激しい吐き気、嘔吐、錯乱、反応の鈍化がみられるのが典型的で、ときに昏睡に至ることもあります。 診断は、小児の精神状態の急な変化、血液検査および肝生検の結果に基づいて下されます。... さらに読む のリスクが生じますが、この関係を研究者が確認するまでに何年もかかっています。小児への推奨用量が記載されている薬でさえ、市販薬の大半は小児を対象に十分な試験が行われていないことを知って驚く医師や両親も少なくありません。せき止め薬やかぜ薬の中には、その有効性が、特に小児については証明されていないものがあることから、これらの薬を小児に投与すると、小児を不要な有害作用のリスクにさらすことがあり、費用の無駄使いにもなりかねません。

小児に正しい用量の薬を投与することが難しい場合もあります。多くの場合、小児の投与量は2~6歳とか6~12歳までというように年齢幅で表現されていますが、年齢は最適な基準ではありません。小児の場合、どの年齢層でも体の大きさにかなりの幅があるため、専門家は市販薬の用量を小児の体重に基づいて決めることを推奨しています。

薬のラベルに小児に対する投与量の指示がない場合は、親が推測してはいけません。分からないときは、薬剤師か医師に相談するようにします。相談すれば、小児に危険な薬を投与したり、正しく使えば有用な薬を危険な高用量で投与することもなくなります。

小児を治療するための薬の多くは液状です。たとえラベルに投与量について明確なガイドラインが記載されていたとしても、薬を管理する大人が食事用のスプーンなどで計量すれば、間違った投与量を小児に与えてしまう可能性があります。家庭で液剤を正確に測るのに適しているのは、料理用の計量スプーンのみです。ただし小児への投与量を測るには円筒形の計量スプーンの方がはるかに使いやすくなります。また正確な量の薬を測り、乳児の口の中に垂らすのには経口用シリンジが好まれます。経口用シリンジは、使う前に必ず先端からキャップを外します。もしキャップが偶然に小児の気管に入ってしまうと、窒息するおそれがあります。ときには、小児用の薬に計量器具が同梱されていることがあります。その場合は、その付属の器具を使って適量を測るようにします。

小児用の薬の中には剤形が複数あるものがあります。小児用の新しい薬を使うときはその都度大人がラベルをよく読む必要があります。

市販の小児用せき止め薬とかぜ薬

小児は特にせきが出たりかぜを引いたりしやすく、そのような病気の症状が小児を非常に不快にさせることがあります。親や介護者は、当然のことながら症状を和らげて子どもを楽にしてやりたいと望みます。しかし、せきやかぜを治療する製品の有効性と安全性を4歳未満の小児で調べた研究は限られています。

医師から市販薬を飲ませるように言われ、かつ用量の具体的な指示をもらわない限り、4歳未満の小児に市販のせき止め薬やかぜ薬を飲ませてはいけません。

養育者は、小児の年齢と体重に合わせて処方された製品のみを必ず使うようにします。

高齢者

正常な老化により、体が薬を代謝する仕方と速度が変わり(加齢と薬 加齢と薬 最も一般的な医学的介入である薬は、高齢者医療の重要な部分です。薬がなければ、多くの高齢者の身体機能はさらに衰えたり、またはより早く死を迎えるでしょう。 高齢者は、高血圧、糖尿病、または関節炎など複数の慢性疾患にかかりやすいことから、若い人より多くの薬を服用する傾向があります。高齢者が慢性疾患の治療に使用するほとんどの薬は何年にもわたり服用... さらに読む 加齢と薬 を参照)、また高齢者ではかかっている病気の数が増え、複数の薬を同時に服用する傾向が出てきます。こうした理由から、高齢者は若い人よりも薬の副作用や相互作用を経験することが多くなります。処方薬では、高齢者に投与量の調整が必要かどうかをラベルに表示しているケースが増えてきていますが、市販薬ではそのような情報をラベルに記載していることはめったにありません。

市販薬の多くは高齢者にとって危険なものとなる可能性があります。薬を最大投与量で定期的に服用する場合、その危険は高まります。例えば、関節炎を患っている高齢者が鎮痛薬や抗炎症薬を頻繁に使用すると、 出血性の消化性潰瘍 出血 消化性潰瘍(かいよう)とは、胃や十二指腸の内面が胃酸や消化液で侵食されて、円形やだ円形の傷ができた状態をいいます。 消化性潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染や、胃や十二指腸の粘膜を衰弱させる薬によって生じることがあります。 潰瘍による不快感が生じたり消えたりしますが、この不快感は食べることで胃酸が分泌されるために食後に起こる傾向があります。... さらに読む 出血 など深刻な結果を招く可能性があります。高齢者の場合、このような潰瘍は生命を脅かし、また何の前触れもなく起こることがあります。

多くの抗ヒスタミン薬、例えばジフェンヒドラミンなどは、「鎮静作用がある」抗ヒスタミン薬とされていますが、高齢者に特有のリスクをもたらす可能性があります。夜間用の鎮痛薬、せき止め薬、かぜ薬、アレルギー薬、睡眠補助薬には、抗ヒスタミン薬が入っているものが多数あります。これらの抗ヒスタミン薬は眠気や疲労を起こすことがあり、閉塞隅角緑内障や前立腺肥大症など高齢者によくみられる病気を悪化させることもあります。また、めまいやふらつきを起こし、転倒や骨折に至ることがあります。抗ヒスタミン薬は、特に高用量で投与したり他の薬と併用投与した場合に、かすみ目、立ちくらみ、口腔乾燥、排尿困難、便秘、錯乱を引き起こすことがあります。フェキソフェナジンとロラタジンは「鎮静作用がない」抗ヒスタミン薬とみなされており、眠気やその他の副作用を起こす可能性は低くなります。

高齢者は制酸薬の副作用をより受けやすい可能性があります。アルミニウムを含む制酸薬では便秘を、マグネシウムを含む制酸薬では下痢や脱水を起こす可能性が高くなります。

鎮静作用がある抗ヒスタミン薬を認識する

抗ヒスタミン薬は、多くの市販薬(かぜ薬やアレルギー治療薬、乗り物酔いの薬、睡眠補助薬など)に含まれています。ほとんどの抗ヒスタミン薬(つまり、鎮静作用がある抗ヒスタミン薬)は注意力の減退など多くの副作用をもたらし、ある種の病気をもつ人にとっては危険なことがあります。したがって、抗ヒスタミン薬が入っている製品の見分け方を知っておくと役に立ちます。市販薬に入っている抗ヒスタミン薬は、包装の有効成分が表示されている部分に記載されています。そのような副作用をもつ抗ヒスタミン薬には以下のものがあります。

  • ブロムフェニラミン

  • クロルフェニラミン

  • デキスブロムフェニラミン(dexbrompheniramine)

  • ジメンヒドリナート

  • ジフェンヒドラミン

  • ドキシラミン(doxylamine)

  • フェニンダミン

  • フェニラミン

  • ピリラミン

  • トリプロリジン

妊婦と授乳中の女性

薬が妊婦から胎内の胎児に移行したり(主に胎盤を通じて― 妊娠中の薬の使用 妊娠中の薬の使用 妊婦の50%以上が、妊娠中に処方薬や市販薬(処方なしで購入できる薬剤)を服用したり、社会的薬物(タバコやアルコール)または違法薬物を使用しており、妊娠中の薬の使用は増えてきています。一般に、薬の多くは胎児に害を及ぼす可能性があるため、妊娠中は、必要な場合を除いて、薬剤を使用すべきではありません。病気や症状の治療に使用された薬剤が原因で発生する先天異常は全体の2~3%未満です。... さらに読む を参照)、母乳を通じて乳児に移行したりすることがあります。そのような薬の中には胎児や乳児に影響や害を及ぼすものがあるため、妊婦や授乳中の女性は、市販薬(OTC)や薬用ハーブを使う前に医師や薬剤師に相談するべきです。市販薬のラベルには、妊娠中と授乳中の薬の使用についての警告が記載されているため、該当する場合は必ずチェックします。

特定のタイプの薬が特に問題となります。このようなタイプの薬には、抗ヒスタミン薬(せき止め薬やかぜ薬、アレルギー薬、乗り物酔いの薬、睡眠補助薬などに含まれていることが多い)や非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)などがあります。妊娠最後の3カ月間は、医師の指示がない限り、NSAIDを使用すべきではありません。なぜなら、この薬は胎児に問題を起こしたり、分娩中に合併症を引き起こすおそれがあるからです。

慢性疾患の患者

市販薬を不適切な形で使用すると悪化する慢性疾患がいくつかあります。市販薬は、基本的に健康な人がときおり使用することを主に意図しているため、慢性疾患や重い疾患の人、また市販薬を毎日続けて使用しようとしている人は、薬局で製品を購入する前に医療従事者に相談するべきです。このようなケースで薬を使用することは、通常の自己管理の範囲を超える問題なので、専門家のアドバイスが必要です。

薬物間相互作用

多くの人は市販薬(OTC)の使用について医師や薬剤師に話すのをなおざりにしがちです。かぜや便秘、たまの頭痛などのために断続的に服用する薬であれば、なおさら伝えるのを忘れてしまいます。また、医療従事者の方も、処方や調剤をしているときに、市販薬や薬用ハーブを使用しているかどうか尋ねることを思いつかないことがあります。しかし市販薬や薬用ハーブには、様々な種類の薬と有害な相互作用を起こすものが多数あります(薬物相互作用 薬物相互作用 薬が人に与える影響については、薬が以下のものと相互作用することにより、予想されたものとは異なる可能性があります。 その人が服用している別の薬(薬同士の相互作用) その人が摂取している飲食物やサプリメント(薬と栄養素の相互作用) その人がかかっている別の病気(薬と病気の相互作用) 薬物相互作用は、通常は好ましくなく、ときに害をもたらすことがあります。相互作用では以下のことが起こる可能性があります。 さらに読む を参照)。

これらの相互作用の中には、薬の有効性を妨げたり、副作用を引き起こしたりする深刻なものもあります。例えば、アスピリンを抗凝固薬のワルファリンとともに服用すると、異常出血のリスクが高まることがあります。アルミニウムやマグネシウムを含む制酸薬は、心臓病に使用されるジゴキシンの吸収を低下させることがあります。総合ビタミン剤やミネラルのサプリメントが、一部の処方薬の作用を阻害することもあります。例えば、抗生物質のテトラサイクリンは、カルシウム、マグネシウム、あるいは鉄を含む製品とともに服用すると、効果が失われることがあります。

市販薬同士の相互作用については、系統立った研究はこれまで行われていません。多くの深刻な問題は、副作用や死亡が報告された後、偶然に発見されたものです。市販薬のラベルに相互作用の警告が印刷されていても、大半の人にはその意味がよく分からないかもしれません。例えば、プソイドエフェドリンが入った一部のかぜ薬では、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI:まれにうつ病および他の特定の医学的な異常に使用)と併用したり、MAOIの投与中止後2週間の間は使用することのないように、ラベルに警告が記載されています。しかし、服用中の抗うつ薬がMAOI(フェネルジン[phenelzine]やトラニルシプロミン[tranylcypromine]など)であることを知らない多くの人にとって、この重要な警告が役に立ちません。

薬同士の相互作用のリスクを減らす最もよい方法は、薬剤師に相互作用の有無を確認してもらうことです。さらに、医師に服用中のすべての処方薬と市販薬について話しておくべきです。

薬に含まれる成分の重複

ほかに考えられる問題として、薬の重複があります。異なる病気の治療に使用される市販薬に、同じ有効成分が入っていることがあります。服用するすべての薬のラベルを読まないと、うっかり過剰摂取になりかねません。例えば、睡眠補助薬とかぜ薬を服用する人は、そのどちらにもジフェンヒドラミンが入っている場合、服用量が安全とされる投与量の倍になってしまうおそれがあります。多くの市販薬にはアセトアミノフェンが入っています。頭痛用のものとアレルギーまたは鼻の疾患用のものなど、アセトアミノフェンが入っている市販薬を2種類同時に服用した場合、アセトアミノフェンの服用量が推奨量を超える可能性があります。

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