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守秘義務と「医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)」

執筆者:

Charles Sabatino

, JD, American Bar Association

最終査読/改訂年月 2018年 9月
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医療従事者には、合理的な手順で相手の要望に沿って個人の医療情報の秘密を守る義務があります。例えば、通常は医師と患者が行う医療上の話し合いは内密に行われ、患者は医師からの電話を自宅ではなく自身の携帯電話で受けたいと望むことがあります。仲の良い家族に対してさえ、当人の病状に関する情報が必ずしも開示されるとは限りません。(医療における法的問題と倫理的問題の概要も参照のこと。)

すべての人には個人情報を内密に扱われる権利がありますが、患者が情報開示を認めた場合はこの限りではありません。米国では、「医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA―医療情報のプライバシー(Health Information Privacy))」と呼ばれる連邦法が定められており、ほとんどの医療従事者に適用されます。HIPAAのプライバシー・ルールという規定は、プライバシーや情報の閲覧、情報開示に関する詳しい規則を定めています。HIPAAの規定には、例えば以下のものがあります。

  • 通常、患者は自分の診療記録を閲覧して、その写しを入手することができ、誤りを発見した場合は訂正を要求できます。

  • 医療に関する決定を行う能力を欠いている患者のために、そうした決定を行う法的な権限が与えられている人は、患者と同等に患者の個人的な医療情報を入手する権利をもちます。

  • 医療従事者は、患者の医療情報のプライバシーに関する取扱い方法を普段から開示しなければなりません。

  • 医療従事者は患者の医療情報を共有することができますが、情報の共有は医療従事者の間だけに限り、医療の提供に必要な範囲にとどめなければなりません。

  • 患者の医療情報はマーケティング目的のためには開示できません。

  • 医療従事者は、患者との間で交わした情報の秘密が守られるよう、適切な対策を行わなければなりません。

  • 医療従事者のプライバシー保護の取り組みに対し、苦情を申し立てることができます(直接、医療従事者に対して、または米国保健福祉省の公民権局に対して―公民権局への苦情申し立て方法(How To File a Complaint with the Office for Civil Rights))。

なお、HIPAAのプライバシー・ルールは、患者の家族や友人に対する通常の情報提供を妨げるものではありません。この法律では、配偶者や家族、友人、患者が指名した人など、周囲の人の関与に直接関係する情報を医師などの医療従事者が共有することを認めています。医療に関する決定能力が患者にある場合は、患者が同意すれば、または患者が反対できる状況で反対しなければ、医師はこうした情報について、家族などの前で説明することができます。患者がその場にいない場合や、患者の許可を得ることが現実的に困難な場合(緊急事態が生じた場合や、患者に判断能力がない場合)でも、医師は、専門的な観点から患者の利益につながると判断すれば、こうした情報を家族や友人に提供することができます。

法律によって、医療従事者が特定の情報を開示するよう求められることがあります。情報の開示が求められるのは、患者の状態が原因で他者に危険が及ぶ場合です。例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染や梅毒、結核のような一部の感染性疾患は、州当局や地域の公衆衛生当局に報告しなければなりません(訳注:日本でも保健所に報告しなければならない感染症が法律で決まっています)。小児、成人、高齢者の虐待またはネグレクトに気づいた医療従事者は、そのことを保護局に報告する義務があります。米国の一部の州では、認知症やけいれん発作といった自動車の運転能力が大きく低下する病気について、陸運局に報告しなければなりません。

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