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解剖学的構造と病気

執筆者:

Alexandra Villa-Forte

, MD, MPH, Cleveland Clinic

最終査読/改訂年月 2017年 10月
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人間の体は、驚くほど見事に設計されています。人体の多くの器官にはかなりの余裕や余力があり、ダメージを受けても十分に機能を果たすことができます。例えば肝臓は、通常、その3分の2が破壊されて初めて深刻な状態となります。また、肺や腎臓が片方しかなくても、通常は生きていけます。一方、わずかなダメージでも機能不全や症状の発現につながってしまう器官もあります。例えば、脳の動脈に閉塞や破裂(脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中は、脳に向かう動脈が詰まったり破裂したりして、血流の途絶により脳組織の一部が壊死し(脳梗塞)、突然症状が現れる病気です。 脳卒中のほとんどは虚血性(通常は動脈の閉塞によるもの)ですが、出血性(動脈の破裂によるもの)もあります。 一過性脳虚血発作は虚血性脳卒中と似ていますが、虚血性脳卒中と異なり、恒久的な脳損傷が起こらず、症状は1時間... さらに読む )が起こり、脳の重要な部分の組織が少量破壊されただけでも、話す、手足を動かす、バランスを保つといったことができなくなります。また心臓発作 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) 急性冠症候群は、冠動脈が突然ふさがる(閉塞)ことによって起こります。閉塞の位置と量に応じて、不安定狭心症か心臓発作(心筋梗塞)が起こります。 急性冠症候群を発症すると、通常は胸部の圧迫感や痛み、息切れ、疲労などが起こります。 急性冠症候群が起きたと思ったら、まず救急車を呼んでから、アスピリンの錠剤を噛み砕いて服用します。 病院では心電図検査と血液中の物質を測定する検査により、急性冠症候群かどうかを診断します。... さらに読む 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) によって、心拍を発生させる信号を出したり伝えたりする心臓の組織がわずかでも破壊されると、心拍数が危険な水準にまで低下し、死に至る場合もあります。

病気はしばしば解剖学的構造に影響を与えます。また解剖学的構造の変化が病気の原因となることもあります。組織への血流が遮断されれば、組織が死んでしまい(梗塞)、心臓発作(心筋梗塞)や脳卒中(脳梗塞)が生じます。心臓の弁に異常があれば、心臓の機能不全が起こります。皮膚に外傷ができれば、バリアとしての機能が低下し、感染につながります。がんのように細胞の異常な増殖が起これば、正常な組織を直接的に破壊したり、最終的に破壊したりするような圧力が生じます。

病気と解剖学的構造の間には深い関係があるため、体の内部を見る画像検査は病気の診断と治療の柱であるといえます。X線検査 単純X線検査 X線は高エネルギーの放射線で、程度の差こそあれ、ほとんどの物質を通過します。医療では、極めて低線量のX線を用いて画像を撮影し、病気の診断に役立てる一方、高線量のX線を用いてがんを治療します(放射線療法)。 X線は単純X線検査のように単独で使用することもありますが、コンピュータ断層撮影(CT)などの他の手法と組み合わせて使用することもあります。 X線検査では、調べたい体の部位をX線源と画像の記録装置との間に置きます。撮影者はX線を遮断する... さらに読む (レントゲン)の登場で医療のあり方は大きく変わり、医師は手術をしなくても体の内部を見て、内部構造を調べることができるようになりました。X線とコンピュータを組み合わせた検査(CT CT(コンピュータ断層撮影)検査 CT検査では、X線源とX線検出器が患者の周りを回転します。最近の装置では、X線検出器は4~64列あるいはそれ以上配置されていて、それらが体を通過したX線を記録します。検出器によって記録されたデータは、患者の全周の様々な角度から撮影された一連のX線画像であり、直接見ることはできませんが、検出器からコンピュータに送信され、コンピュータが体の2次元の断面のような画像(スライス画像)に変換します。(CTとはcomputed... さらに読む CT(コンピュータ断層撮影)検査 )も、大きな進歩をもたらしました。CT検査では、人体内部の詳細な断面像(2次元像)を撮影することができます。

体内の構造を画像化する手法はほかに、音波を利用する超音波検査 超音波検査 超音波検査は、周波数の高い音波(超音波)を用いて内臓などの組織の画像を描出する検査です。プローブと呼ばれる装置で電流を音波に変換し、この音波を体の組織に向けて発信すると、音波は体内の構造で跳ね返ってプローブに戻ります。これは再度、電気信号に変換されます。コンピュータが、この電気信号のパターンをさらに画像に変換してモニター上に表示するとともに、フィルムやビデオテープに記録するか、コンピュータ上のデジタル画像として記録します。超音波検査では... さらに読む 超音波検査 、磁場の中での原子の動きを利用した磁気共鳴画像検査 MRI(磁気共鳴画像)検査 MRI(磁気共鳴画像)検査は、強力な磁場と非常に周波数の高い電磁波を用いて極めて詳細な画像を描き出す検査です。X線を使用しないため、通常はとても安全です。 患者が横になった可動式の台が装置の中を移動し、筒状の撮影装置の中に収まります。装置の内部は狭くなっていて、強力な磁場が発生します。通常、体内の組織に含まれる陽子(原子の一部で正の電荷をもちます)は特定の配列をとっていませんが、MRI装置内で生じるような強力な磁場の中に置かれると、磁場... さらに読む MRI(磁気共鳴画像)検査 (MRI)、体内に注入された放射性化学物質を用いる核医学検査 核医学検査 核医学検査では、放射性核種を用いて画像を描出します。放射性核種は不安定な原子で、エネルギーを放射線の形で放出することで安定した原子になろうとする性質があります。放射性核種の多くは高いエネルギーをガンマ線(人の手によらない、自然環境で発生するX線)または粒子(陽電子放出断層撮影で使用される陽電子など)の形で放出します。 放射性核種は、甲状腺などの特定の臓器の病気を治療するのにも使用されます。... さらに読む などがあります。これらの手法では、手術 手術 手術とは、従来、病気、けが、または変形を治療するために組織を手作業で切開または縫合する処置(外科的処置)を指すのに用いられてきた言葉です。しかし外科技術の進歩により、この定義はより複雑になっています。組織を切るのにメスではなくレーザー、放射線、またはその他の技術が用いられることもあれば、縫合せずに傷口を閉じることもあります。... さらに読む と違って、体を傷つけずに体内を見ることができます。

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