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腕や脚の切断後のリハビリテーション

執筆者:

Alex Moroz

, MD, New York University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 6月
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手術前に、外科医、義肢装具士、理学療法士は切断が必要な患者のリハビリテーションの計画と目標を話し合います。義肢装具士は、義手や義足の取り付けや組み立て、調整を行い、使い方の説明なども行います。リハビリテーションで行われる訓練は、切断前に開始する場合もあります。(リハビリテーションの概要および義肢の概要も参照のこと。)

義手や義足は、堅牢なフレーム内のソケット(インターフェイス)、部品、カバーで構成されます。義手や義足はインターフェイスで体に装着します。部品には、人工の手、足、指、つま先などの先端部や人工関節などが含まれます。

腕(上肢)の切断

腕の切断の大半は事故が原因です。まれに、がんなどの病気の治療のために腕の一部またはすべてを切断することがあります。腕は、肘より下側で切断する場合もあれば、肘より上側で切断する場合もあります。また、肩から切断する場合もあります。手や指を切断する場合もあります。

腕を切断した後、大半の人は義手を装着します。義手は指部、フックや手部、手首ユニット、肘ユニット(肘より上で切断した場合)から構成されます。フックや手部は、肩の筋肉の動きでコントロールします。フックの方が機能的ですが、ほとんどの人は手の形をした先端部を選びます。上腕の義手は、肘から先の義手よりもコントロールが複雑です。マイクロプロセッサー制御や筋電制御(筋肉が生み出すエネルギーを使う)を用いた新しい義手が開発されたことで、より正確な動作のコントロールが可能になっています。最近入手可能となってきたバイオニックコンポーネントでは、さらなる機能の向上が図られています。

リハビリテーションでは全体調整訓練、肩と肘のストレッチ、腕の筋肉の強化などを行います。持久力訓練も必要です。切断したのが片腕か両腕か、肘より上か下かによって、訓練プログラムも変わってきます。義手や適応デバイス、口や足などの体の他の部位を使って日常生活の動作が行えるようにします。

知っていますか?

  • 腕や脚を切断した人は、より正確な動作が可能となるマイクロプロセッサーや生体工学パーツを用いた義手や義足を選択する場合があります。

脚(下肢)の切断

脚の切断の原因は、けが(自動車事故や戦闘による)によるものと病気の合併症(アテローム動脈硬化や糖尿病による血液循環の低下など)の治療のための手術によるものがほぼ同数となっています。脚は膝より下で切断する場合も、上で切断する場合もあります。また、股関節から切断する場合もあります。足や足指を切断する場合もあります。

脚を切断した後、大半の人は義足(義肢)を装着します。義足はつま先部、足部、膝ユニット(膝より上で切断した場合)から構成されます。新しいものではマイクロプロセッサー制御や筋電制御を用いた義足や、生体工学部品を使用した義足もあり、より正確な動作のコントロールが可能になっています。

リハビリテーションでは全体調整訓練、股関節と膝のストレッチ、腕と脚のすべての筋肉強化などを行います。平行棒を使って立ち、バランスをとる訓練をできるだけ早く始めます。持久力訓練も必要です。切断したのが片脚か両脚か、膝より上か下かによって、計画する訓練プログラムも変わってきます。

切断した脚付近や、股関節または膝関節の筋肉が短くなる傾向があります。この短くなる現象(拘縮)は、通常は長い間車いすに座っていることや、正しくない姿勢でベッドに寝ているために起こります。拘縮によって関節の可動域が狭くなります。拘縮がひどいと、義足を正しく装着できなくなったり、義足を使うことができなったりします。理学療法士や看護師は、拘縮を予防する方法を患者に指導します。

療法士は、切断面(断端と呼ばれます)の状態の整え方も指導します。断端の状態を整えることで、拘縮の自然な進行が促されます。義足を装着する前に、断端が縮んでいなければなりません。伸縮性のあるサポーターや包帯を1日24時間巻いておくことにより、状態が整い、組織に水分がたまるのを予防します。できるだけ早く歩き始められるように、切断後すぐに仮義足を与えられる場合があります。これは断端の縮みを促進させるためです。仮義足を装着して平行棒を使った歩行訓練を開始できるため、本義足ができるまで松葉づえやステッキを使って歩く訓練を進めることができます。場合によっては、部品は本義足用を使い、ソケットとフレームは仮義足用を使います。一部に同じパーツを使用することで、新しいパーツの調整がより早くできるからです。

断端の縮みが止まる前に本義足ができあがった場合は、快適に装着し、うまく歩けるようにするための調整が必要となります。通常は、切断手術から数週間が経過し断端が完全に縮んでから、本義足を製作します。

義足を受け取ったら、使い方の基礎を教わります。

  • 義足の装着の仕方

  • 義足の外し方

  • 義足での歩き方

  • 義足および断端の皮膚のケアの仕方

通常は訓練を継続し、訓練は専門家のチームが行うことが望ましいとされます。理学療法士は、筋力やバランス、柔軟性、心血管機能を改善する訓練のプログラムを作成します。療法士は、患者に義足を使った歩き方をより詳しく指導します。歩行訓練は直接介助つきの歩行から始めて、歩行器を使った歩行、ステッキを使った歩行へと進みます。数週間のうちに、多くの患者がステッキなしで歩けるようになります。療法士は、階段や坂の上り下り、平たんでない場所の歩き方を指導します。若い患者は、走ったりスポーツに参加したりするよう指導されます。膝より上で切断した人、高齢者、体力のない人、やる気に欠ける人は、訓練の進みが遅く、効果も限られます。

膝上で切断した人の義足は、膝下で切断した人の義足に比べてはるかに重く、義足膝関節をコントロールする技術が必要となります。義足歩行に必要なエネルギーは、膝下で切断した人で10~40%、膝上で切断した人で60~100%増加します。

断端のケア

断端に対するケアの方法を学ぶ必要があります。

義足は歩行用に作られているため、就寝する前には取り外さなければなりません。寝る前に、断端をよく確認し(自分で確認するときは鏡を使用)、低刺激の石けんとぬるま湯で洗って、よく乾かしベビーパウダーをはたきます。

特定の問題が起こったら、自分で対処する必要があります。

  • 皮膚の乾燥:断端にラノリンやワセリンなどを塗る

  • 大量発汗:無香料の制汗剤を使用する

  • 皮膚の炎症:刺激を生じさせている物質をすぐに除去し、作用の弱いコルチコステロイドのクリームや軟膏を塗る

  • 皮膚の傷:傷が治り、医師に確認してもらうまで、義足を装着しない

義足と皮膚の間にソックスやライナーをはきます。ソックスやライナーは毎日洗濯する必要があり、ソケットの内側は低刺激の石けんで洗浄します。

普通の義足に防水性はありません。義足の一部が濡れたときは、すぐに十分乾燥させる必要があります。ただし、熱で乾燥させてはいけません。義足を付けて泳いだりシャワーを浴びたりすることを望む場合は、水に浸すことができる義足が利用できます。

痛み

腕や脚の切断後、切断した部分に痛みがあるように感じる場合があります(幻肢痛)。痛みは本物ですが、位置は正しくありません。幻肢痛は、切断前の痛みが激しかったり、長期間続いた場合に起こりやすくなったりします。多くの場合、切断直後に強く現れ、時間とともに弱まっていきます。多くの人は、義肢を装着していないとき(例えば夜間)に多く経験します。手術時に脊椎麻酔や全身麻酔を用いると、この痛みが生じるリスクが低減します。

痛みではなく、切断した手足がまだそこにあるかのような幻肢の感覚を経験する人もいます。こうした感覚を切断した脚に感じる場合、立ち上がるときに転んでしまうことがあります。このような事故は、夜中にトイレに行くために起きたときなどに起こります。幻肢の感覚は幻肢痛よりも多くみられます。

断端そのものが痛むこともあります。断端をマッサージすることで痛みが和らぐ場合があります。痛みは感染症や皮膚の損傷が原因の場合もあります。感染症や皮膚の損傷が起きた場合は、医師の診察が必要です。

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