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COVID-19厳選ニュース

COVID-19情報ポータルページ 

 

COVID-19に関する最新情報の収集を支援するため,MSDマニュアルでは重要なニュースを厳選して紹介している。

News items compiled by Richard B. Lynn, MD.

                                              


 2022年3月31日

COVID-19は脳内で変化する

COVID-19に感染すると,たとえ軽症であっても,しばしば頭痛,嗅覚障害,味覚障害,記憶障害などの神経症状が現れる。ときには,それらの神経症状が遷延することもある。しかしながら,脳内において軽症のCOVID-19により画像検査で検出可能な変化が起きるかどうかは不明である。英国から報告された研究では,2回の脳画像検査を受けた785名の参加者(51~81歳)が組み入れられ,そのうち401例は,2回の画像検査の間にSARS-CoV-2感染の陽性判定を受けていた。2回の検査の間隔は平均38カ月で,COVID-19の診断と2回目の検査との間隔は平均141日であった。これらの患者が2回目の画像検査を受けたがCOVID-19に感染しなかった対照384例と比較された。この対照群は年齢,性別,民族,2回の検査間の経過期間について感染者群とマッチングされた。COVID-19感染者群の脳の画像は,以下の点で対照群と有意に異なっていた:

  • 眼窩前頭皮質および海馬傍回における灰白質厚および組織コントラストの大幅な低下
  • 一次嗅皮質に機能的に連結している領域における組織損傷マーカーのより大きな変化
  • 脳全体の大幅な縮小

また感染者では,2つの時点で比較したときに,平均でより大きな認知機能低下(認知機能検査で評価)が認められた。

こうした画像および認知機能への長期的影響は,入院していた15例を除外した場合にも認められた。これらの主に大脳辺縁系にみられた画像所見は,本疾患の嗅覚経路を介した変性を伴う伝播,神経炎症の事象,または嗅覚脱失による感覚入力の喪失についてのin vivoの重要な特徴である可能性がある。この有害な影響を部分的に回復させることが可能かどうかや,これらの影響が長期的に持続するかどうかは,依然として不明である。

リンク:SARS-CoV-2 is associated with changes in brain structure in UK Biobank | Nature

                                                                                                                   


 2022年3月15日

オミクロン株に対するCOVID-19ワクチンの有効性

ワクチンの初回および追加接種の後にオミクロン株およびデルタ株によって引き起こされる有症状のCOVID-19に対するワクチンの有効性を検討する研究がイングランドで実施され,その結果が2022年3月2日にThe New England Journal of Medicineで発表された。この研究には,有症状のオミクロン株感染者886,774名と有症状のデルタ株の感染者204,154名,そして該当する症状が現れたもののCOVID-19の検査で陰性と判定された患者1,572,621名が登録された。検査はすべてSARS-CoV-2感染に対するPCR検査であった。得られた結果から,初回接種と追加接種のいずれの組合せにおいても,発症予防におけるワクチンの有効性はオミクロン株よりデルタ株でより高かったことが示された。オミクロン株による発症の予防に関する成績は以下のとおりである:

  • BNT162b2(Comirnaty,Pfizer-BioNTech)の2回接種では,2~4週時点の有効率が65.5%であったが,25週以降の時点では8.8%まで低下していた。BNT162b2の追加接種後には,有効率が追加接種後2~4週時点で67.2%まで上昇し,その後10週以降の時点で45.7%まで低下していた。mRNA-1273の追加接種後には,ワクチンの有効率が2~4週時点で73.9%まで上昇し,その後5~9週時点で64.4%まで低下していた。
  • mRNA-1273(Spikevax,Moderna)の2回接種では,2~4週時点の有効率が75.1%であったが,25週以降の時点では14.9%まで低下していた。mRNA-1273の追加接種後には,有効率が2~4週時点で66.3%まで上昇していた。BNT162b2の追加接種後には,有効率が2~4週時点で64.9%まで上昇していた。
  • ChAdOx1 nCoV-19(Vaxzevria,AstraZeneca)の2回接種では,20週後時点での予防効果がほとんど認められなかった。BNT162b2の追加接種後には,有効率が追加接種後2~4週時点で62.4%まで上昇し,その後10週以降の時点で39.6%まで低下していた。mRNA-1273の追加接種後には,ワクチンの有効率が2~4週時点で70.1%まで上昇し,その後5~9週時点で60.9%まで低下していた。

著者らは,追加接種は軽症感染に対する予防効果をかなり高めたが,発症予防効果の減弱は追加接種後にも認められたと結論付けた。

リンク:Covid-19 Vaccine Effectiveness against the Omicron (B.1.1.529) Variant | NEJM

                                                                         


 2022年3月2日

COVID-19と母体産科合併症

COVID-19に感染した妊婦における重篤な産科合併症のリスクを評価するために,妊娠中および出産後の患者14,104人を対象とする大規模な後ろ向きコホート研究が実施された。この研究には,2020年3月1日から2020年12月31日までの間に米国の17病院で分娩した女性が登録された(最終的なフォローアップは2021年2月11日まで継続)。核酸または抗原検査でSARS-CoV-2陽性と判定された患者全員(n = 2,352)がSARS-CoV-2陽性と判定されなかった患者と比較された。本研究の結果はJAMA誌の2022年2月22日号で公開された。研究の主要アウトカムは,妊娠高血圧症候群,分娩後出血またはSARS-CoV-2以外の感染症に関連した妊産婦の死亡および重篤な合併症の複合アウトカムとされた。この主要アウトカムは,SARS-CoV-2感染者における頻度が非感染者よりも有意に高かった(13.4%対9.2%)。認められた5例の妊産婦死亡は,いずれもSARS-CoV-2陽性者であった。中等症以上のCOVID-19患者(n = 586)では,妊産婦の死亡または重度の妊娠合併症が起きる可能性が有意に高かった(26.1%対9.2%)。しかしながら,軽症または無症状の感染者(n = 1,766)では,主要複合アウトカムの発生頻度が非感染者と比べて高くなかった(9.2%対9.2%)。著者らは,米国の17病院の妊娠中および出産後の女性の間で,SARS-CoV-2感染に産科合併症による妊産婦死亡および重篤な合併症のリスク上昇との関連が認められたと結論付けた。

リンク:Association of SARS-CoV-2 Infection With Serious Maternal Morbidity and Mortality From Obstetric Complications | Infectious Diseases | JAMA | JAMA Network

                                 


 2022年2月14日

ビタミンDとCOVID-19の重症度

2020年4月7日から2021年2月4日までにSARS-CoV-2(COVID-19の原因ウイルス)のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査で陽性と判定され,ある医療機関に入院したすべての患者を対象とした研究の結果が,2022年2月3日にPLOS ONE誌で公表された。PCR検査で陽性と判定された患者1,176人のうち,253人では検査前14~730日の間に25-ヒドロキシビタミンD (25(OH)D)の測定が行われていた。20ng/mL未満と定義されたビタミンD低値は,軽症または中等症患者(34.3%)よりも重症または最重症の患者(87.4%)でより多くみられた(p < 0.001).ビタミンD欠乏症(<20ng/mL)のある患者は,25(OH)D値が40ng/mL以上であった患者と比較して,重症または最重症となる可能性が14倍高かった(オッズ比[OR],14;95%信頼区間[CI],4~51;p < 0.001)。感染前からのビタミンD欠乏にCOVID-19の重症度および死亡率の上昇との関連が認められた。著者らは,特定の社会集団の個人に対するビタミンD補給が将来のCOVID-19発症時の重症度に影響を与えるかどうかを明らかにするために,さらなる研究を提案している。

リンク:https://doi.org/10.1371/journal.pone.0263069


 2022年2月2日

COVID-19の急性期後遺症(post-acute sequelae of COVID-19)を予測する早期の危険因子

COVID-19の急性期後遺症(post-acute sequelae of COVID-19:PASC)(long COVIDやlong-haul COVIDとしても知られる)とは,COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の初感染後数週間から数カ月で発症する一連の長期症状のことを指す。 PASCはよくみられる問題で,新たに浮上してきた世界的な危機と言える。しかしながら,PASCの危険因子やその生物学的な関連性については,ほとんど解明されていない。2022年1月にCellで発表された研究では,309人のCOVID-19患者を初回診断時(T1)から急性期(T2),そして初期症状発症後2~3カ月時点の回復期(T3)まで追跡した縦断的な調査結果が報告された。T3時点で認められた症状は疲労(対象者の52%),咳嗽(25%),嗅覚/味覚障害(18%)などであった。

この研究では,臨床データが患者から報告された症状と統合され,COVID-19の初回診断時点でPASCを予測する危険因子が4つ同定された:

  • 2型糖尿病
  • SARS-CoV-2 RNA血症
  • エプスタイン-バーウイルスの再活性化によるウイルス血症
  • 特異的な自己抗体

これらの危険因子と自己抗体のさまざまなパターンがPASCのさまざまな症状と相関していた。PASCの危険因子の大半はCOVID-19の診断時点で検出可能であり,このことは,それらを確実に早期のうちに同定することの重要性を強調している。これらの危険因子の価値を明らかにするには,より多数の患者をより長期にわたって追跡する研究を実施していく必要がある。

リンク:https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(22)00072-1#relatedArticles

                              


 2022年1月20日

小児多系統炎症性症候群(MIS-C)

小児多系統炎症性症候群(multiple inflammatory syndrome in children:MIS-C)は,まれながら重要なCOVID-19の合併症である。COVID-19に感染した小児の大半は軽症ないし無症状で経過するが,一部には重症化する小児がいる。米国では現在,COVID-19に感染して入院する小児が増えており,MIS-Cの重要性がさらに高まっている。米国疾病管理予防センター(CDC)は,MIS-Cが疑われる患者から疫学および臨床データを収集するための全国的な報告プラットフォームを立ち上げた。このデータベースの解析結果が2021年4月にJAMA Pediatricsで公表された。

その解析には1733人のMIS-C患者が組み入れられた。注目すべき点として,57.6%が男性で,71.3%がヒスパニックまたは黒人であった。半数以上で消化管症状,発疹,または結膜充血がみられた。重大な臨床所見は,低血圧またはショック(54%),心機能障害(31%),心嚢液貯留(23.4%),心筋炎(17.3%),冠動脈拡張または動脈瘤(16.5%)であった。全体として,58.2%が集中治療室に入り,24人が死亡した。注目すべきことに,18~20歳の患者では心筋炎(30.9%),肺炎(36.4%),急性呼吸窮迫症候群(18.2%)が発生する可能性が高かった。MIS-Cの最初の2つのピークは,COVID-19のピークの2~5週間後にみられた。この知見は,MIS-CがSARS-CoV-2感染に対する遅発型の免疫反応に起因するものであることを示唆している。

リンク:https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2778429

                              


 2022年1月4日

英国におけるオミクロン株感染の重症度

英国健康安全保障庁(UKHSA)は,2021年12月31日に発表したCOVID-19の変異株に関する報告書において,オミクロン株による感染例の重症度について,デルタ株の感染例と比較した考察を示した。この分析では,2021年の11月22日から12月26日にかけて発生したオミクロン株感染例528,176例とデルタ株感染例573,012例が対象とされた。解析には,検体採取日から14日以内に救急治療を受けたか入院となったCOVID-19感染例が,配列決定または遺伝子型判定による変異株,もしくはS遺伝子陰性/陽性に基づいて組み入れられた(2021年12月29日時点のデータ)。オミクロン株で救急治療または入院に至るリスクは,デルタ株の約半分であった。入院に限定した場合のリスクは,オミクロン株はデルタ株の3分の1という結果であった。これらの予備的なデータは,入院報告の遅れに影響を受けている可能性がある。全体として,このデータから,個々の患者におけるオミクロン株による感染症の重症度がデルタ株のそれより低いことが示唆される。報告書では,この点について,オミクロン株の感染率がより高いことを踏まえると,病院の負担軽減にはつながらない可能性があると強調している。

この分析では,ワクチン接種状況も含めて,潜在的な入院の危険因子が評価された。オミクロン株の感染者が入院するリスクは,ワクチン接種を受けていない個人(1回目のワクチン接種後28日未満の個人を含む)と比べて,2回接種者では65%,3回接種者では81%低いことが明らかにされた。

リンク:https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1044481/Technical-Briefing-31-Dec-2021-Omicron_severity_update.pdf

                                


 2021年12月7日

オミクロン株に固有の挿入変異

コロナウイルスには,ヒトに疾患を引き起こすことが知られている種が7つ存在する。そのうちの4つは,感冒症状を引き起こすことの多い季節性コロナウイルスである。3つ(SARS,MERS,COVID-19)は,はるかに重篤で,ときに致命的となる,呼吸器感染症を引き起こす。

SARS-CoV-2(COVID-19の原因ウイルス)のオミクロン株には,スパイクタンパク質に37の変異があり,そのうち30は置換変異で,6つは欠失変異,1つは挿入変異(ins214EPE)である。Cambridge Massを拠点とする企業,Nferenceの研究チームがGISAIDデータベースを検索したが,同データベースには,1523系統をカバーする540万のSARS-CoV-2ゲノムに関する情報が登録されている。得られた結果はウェブサイトOSFPREPRINTに投稿されている。

この研究により,SARS-CoV-2の以前の系統に置換および欠失変異が出現していたことが明らかにされた。しかしながら,オミクロン株の挿入変異(ins214EPE)は,オミクロン株以外のどの系統のSARS-CoV-2にも観察されていないものであった。重要な点として,この挿入変異は季節性コロナウイルス(HCoV-229E)でかつて観察されている。著者らは,オミクロン株のこの変異はSARS-CoV-2とHCoV-229Eの両方に同時感染した患者で発生した可能性があると推察している。

リンク:https://osf.io/f7txy/

                             


 2021年11月10日

5~11歳の小児におけるCOVID-19ワクチンBNT162b2

5~11歳の小児を対象としたPfizer/BioNTech製COVID-19ワクチン(mRNA)の臨床試験で得られたデータが,2021年11月9日にNew England Journal of Medicine誌で公開された。2021年6月に,5~11歳の小児計2,316名がスクリーニングされ,2,285名が米国,スペイン,フィンランド,ポーランドの81施設でランダム化の対象とされた。1,517名がPfizer製ワクチン群,751名がプラセボ群にランダムに割り付けられた。

副反応は総じて軽度から中等度で,持続期間は1~2日間であった。最もよくみられた局所反応は接種部位疼痛で,ワクチン接種者の約74%で発生した。最も多く報告された全身反応は疲労と頭痛であった。疲労および頭痛の頻度は,1回目接種後にはワクチン接種者とプラセボ接種者で同程度であった。2回目の接種後には,疲労および頭痛はプラセボ接種者よりワクチン接種者でより多く認められた。

2回目接種の1カ月後には,ワクチン接種者の99.2%で有意な免疫反応が達成されていた(16~25歳のワクチン接種者における免疫反応陽性率と同水準)。ワクチン接種者ではCOVID-19感染例(2回目接種の7日後以降の発症例)が3例あったが,プラセボ接種者の感染例数は16例であり,結果としてワクチンの有効性は90.7%(95%CI,67.7~98.3)となった。COVID-19の重症例や多系統炎症性症候群(multisystem inflammatory syndrome)は1例も報告されなかった。

リンク:Evaluation of the BNT162b2 Covid-19 Vaccine in Children 5 to 11 Years of Age | NEJM

                                                          


 2021年10月28日

イスラエルにおけるCOVID-19 mRNAワクチンBNT162b2接種後の心筋炎の発生状況

COVID-19ワクチン接種後の心筋炎に関するイスラエルのデータが,2021年10月6日付のNew England Journal of Medicine誌で公表された。この研究では,イスラエル保健省の積極的サーベイランスに報告されたすべての心筋炎症例を対象として,2020年12月20日から2021年5月31日までに収集されたデータが後ろ向きにレビューされた。イスラエルでは2021年5月31日までに,約510万人(イスラエルの人口は930万人)がCOVID-19 mRNAワクチンBNT162b2の接種を2回受けていた。

心筋炎の報告例数は283例であった。このうち,1回目接種後21日以内または2回目接種後30日以内に発症した症例は142例,発症と接種が近接していなかった症例は40例,未接種者の症例は101例であった。ワクチン接種後に発症した142例のうち,95%は臨床的に軽症と判定されたが,劇症例の1例が死亡した。心筋炎の確定例または疑診例136例のうち,19人は1回目の接種後に,117人は2回目の接種後に受診していた。

ワクチン接種者と非接種者で心筋炎発生率を比較した結果は2.35であった(95%CI,1.10~5.02)。この結果は,主に若年男性での傾向に起因していた。発生率比は16~19歳の男性で最も高く(8.96;95%CI,4.50~17.83),発生率は6637人当たり1例であった。

過去データに基づく予想発生率と比較した標準化発生率比は5.34(95%CI,4.48~6.40)となり,16~19歳の男性接種者における2回目接種後に限定した場合に最も高くなった(13.60;95%CI,9.30~19.20)。

著者らは,心筋炎の発生率は低いものの,特に若年男性へのPfizer製ワクチンの2回目接種後には上昇していたと結論した。ワクチン接種後の心筋炎の臨床症状は,多くが軽症であった。

リンク:Myocarditis after BNT162b2 mRNA Vaccine against Covid-19 in Israel | NEJM

                             


 2021年10月13日

外来治療を受けたCOVID-19患者における診断後7カ月時点での後遺症状

2020年の3月18日から5月15日までにスイスのジュネーブ大学病院でCOVID-19陽性と判定された有症状患者を対象として,診断から30~45日後および7~9カ月後に再び連絡をとり,COVID-19と一致する症状について質問する研究が実施された。この研究の結果が2021年9月にAnnals of Internal Medicine誌で公表された。410人についてCOVID-19の診断後7~9カ月時点の追跡調査が完了し,そのうち39.0%の対象者から後遺症状が報告された。疲労(20.7%)が最も多く報告された症状で,味覚または臭覚の低下(16.8%),息切れ(11.7%),頭痛(10.0%)と続いた。著者らは,外来治療を受けた軽症から中等症の急性COVID-19患者の約3分の1に7~9カ月時点で長期の症状がみられると結論付けた。

リンク:https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M21-0878

                            


 2021年9月27日

イスラエルにおけるPfizer製ワクチンのブースター接種の有効性

米国では最近,mRNAワクチンBNT162b2(Pfizer-BioNTech)の3回目接種(ブースター接種)が承認されたが,この承認はイスラエルでの経験を一部参考にして判断された。イスラエルでは,2021年7月30日に,2回目の接種を受けてから5カ月以上が経過した60歳以上の人々を対象として,Pfizer製ワクチンの3回目接種(ブースター接種)が承認された。2021年9月15日にNew England Journal of Medicine誌で公表された研究で,2021年の7月30日から8月31日にかけて収集された,ワクチン接種(Pfizer製ワクチンの2回の接種)を完了してから5カ月以上が経過した60歳以上のイスラエル市民113万7804人に関するデータが報告された。COVID-19の感染確定者および重症者の割合が,12日以上前にブースター接種を受けた人々とブースター接種を受けていない人々の間で比較された。その結果,ブースター接種者におけるブースター接種後12日以上経過時点での感染者および重症者の割合が,ブースター非接種者のそれぞれ11.3分の1および19.5分の1であったことが判明した。著者らは,Pfizer製ワクチンのブースター接種(3回目の接種)を受けた人々ではCOVID-19の感染確定者および重症者の割合が大幅に低かったと結論付けた。

リンク:Protection of BNT162b2 Vaccine Booster against Covid-19 in Israel | NEJM

  
 

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2020年4月8日

COVID-19ワクチン候補が有望であることが研究から判明

ScienceDailyの掲載記事からの興味深いニュース

 

University of Pittsburgh School of Medicineの科学チームは,COVID-19に対するワクチン候補を発表した。このワクチンをマウスに接種したところ,ウイルス中和に十分な量のSars-CoV-2特異抗体が産生された。2020年4月2日,Lancetが発行するEBioMedicineに研究の詳細を記した論文が掲載された。初期のコロナウイルス流行中に築いた基礎を用いて,このワクチンはコロナウイルスのスパイクタンパク質を標的としている。免疫を構築するために,このワクチンは研究所で作ったウイルスタンパク質の断片を用いて製造されている。これは現在のインフルエンザワクチン作成と同じ方法である。研究者らは効力を高めるために,マイクロニードルアレイという新たな薬物送達方法を用いている。この研究の共同筆頭著者は「臨床試験は通常,少なくとも1年,おそらくそれ以上の時間が必要となる」と述べている。

研究へのリンク:https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(20)30118-3/fulltext#coronavirus-linkback-header

ニュース記事へのリンク:https://www.sciencedaily.com/releases/2020/04/200402144508.htm

                                                              

  2020年5月19日

 COVID-19:感染伝播についての解説

University of Massachusetts DartmouthのErin S. Bromage生物学准教授は,最近のブログ記事「リスクを知って,リスクを回避しよう」において,感染力のある量,ウイルスが広がりやすい場所やその広がり方,そして最もリスクが高い環境について説明している。  同准教授はデータや研究結果をわかりやすい言葉で上手に解説しており,科学者ではない人でもよく理解できる。多くの人がCOVID-19ウイルスの広がり方をより理解することで,ウイルス感染を避ける上で適切な判断を下せるようになることが望まれる。

ブログ記事へのリンク:https://www.erinbromage.com/post/the-risks-know-them-avoid-them


2020年4月8日

COVID-19ワクチン候補が有望であることが研究から判明

ScienceDailyの掲載記事からの興味深いニュース

 

University of Pittsburgh School of Medicineの科学チームは,COVID-19に対するワクチン候補を発表した。このワクチンをマウスに接種したところ,ウイルス中和に十分な量のSars-CoV-2特異抗体が産生された。2020年4月2日,Lancetが発行するEBioMedicineに研究の詳細を記した論文が掲載された。初期のコロナウイルス流行中に築いた基礎を用いて,このワクチンはコロナウイルスのスパイクタンパク質を標的としている。免疫を構築するために,このワクチンは研究所で作ったウイルスタンパク質の断片を用いて製造されている。これは現在のインフルエンザワクチン作成と同じ方法である。研究者らは効力を高めるために,マイクロニードルアレイという新たな薬物送達方法を用いている。この研究の共同筆頭著者は「臨床試験は通常,少なくとも1年,おそらくそれ以上の時間が必要となる」と述べている。

研究へのリンク:https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(20)30118-3/fulltext#coronavirus-linkback-header

ニュース記事へのリンク:https://www.sciencedaily.com/releases/2020/04/200402144508.htm



 

2020年4月10日

 スマートフォンアプリはパンデミック克服に役立つか?

 米国国立衛生研究所(NIH)所長のFrancis Collins博士が2020年4月9日,興味深い記事を投稿した。NIH所長は自身のブログで,COVID-19パンデミック克服に向けて,濃厚接触者の追跡と通知のためにスマートフォンの利用の協力要請について述べた。公衆衛生担当チームが一般市民と電話や対面で話す従来の方法は,非常に時間がかかる。時間にロスがあると,ウイルスに曝露した個人の発見や通知が遅れるため,感染拡大を許してしまうことになる。スマートフォンの無線Bluetooth技術を利用するデジタル追跡機能によって,COVID-19を制御する可能性を高めることができる。中国の研究では,濃厚接触追跡アプリの利用とCOVID-19感染の抑制持続との相関関係が示された。Collins博士は,主要な倫理的,法的,社会的問題についても触れている。

ブログ記事へのリンク:https://directorsblog.nih.gov/author/collinsfs/


 

  2020年5月29日

 ヒドロキシクロロキンとクロロキンは単剤かマクロライド系薬剤との併用かを問わず有益ではなかったことが国際的な後ろ向きデータベース研究で示された

クロロキンまたはヒドロキシクロロキンの単剤投与またはマクロライド系薬剤との併用投与を受けたCOVID-19患者の治療成績を解析した大規模国際研究の結果が,2020年5月22日にLancet誌で公表された。6大陸の671病院から収集されたデータで構成される国際症例登録が解析された。データには2019年12月20日から2020年4月14日までに入院したSARS-CoV-2陽性患者が含まれていた。症例登録のうち96,032例のデータが本研究の対象とされ,そのうち14,888例は診断後48時間以内に対象の治療を受けた患者で,単剤かマクロライド系薬剤との併用かを問わずクロロキンおよびヒドロキシクロロキンの投与を受けなかった81,114例が対照群とされた。解析の結果,単剤投与時とマクロライド系薬剤との併用投与時ともに,COVID-19に対する入院成績の観点で,ヒドロキシクロロキンまたはクロロキンのベネフィットを確認するエビデンスは得られなかった。この研究では,これらのレジメンをそれぞれ対照群と比較したとき,院内生存率の低下と心室性不整脈の頻度増加が認められた。後ろ向きの観察研究であるため,測定されなかった交絡因子が存在する可能性が否定できない。その一つとして,これらの薬剤がより重症度の高い患者に使用された可能性が考えられる。著者らは「COVID-19患者におけるこれらの薬剤のベネフィットと害について何らかの結論を下すにはランダム化比較試験の実施が必要である」と結論付けている。著者らはまた「今回の知見から,これらのレジメンは臨床試験以外では使用すべきでないことが示唆される」とも述べている。

研究へのリンク:https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31042-4/fulltext

  2020年4月23日

 全国的なCOVID-19検査のアクションプランが提言される

ロックフェラー財団は,COVID-19の検査と陽性結果の綿密な追跡調査に基づき,経済活動と社会活動を再開するための包括的プラン(2020年4月21日付,下記リンクを参照)を提言した。このプランの目標は,労働者のモニタリング,アウトブレイク再発の早期発見,診断検査・在宅検査という目標を通して,経済活動の再開を支える国家主導のCOVID-19検査プログラムを構築することである。このプランは主に次の3つで構成される。

  • 1つ目は,COVID-19の検査件数を現在の1週間あたり100万件から劇的に拡大し,今後8週間で1週間あたり300万件,次の6ヵ月間で1週間あたり3000万件の検査を行えるようにすることである。これを行うには,全米の国立研究機関,大学研究機関,何千もの地方の小規模検査機関に対し,検査能力の拡充に向けた投資と支援が必要となる。
  • 2つ目は,検査を管理し,陽性患者の接触者を追跡するためのトレーニングを受けた医療従事者チームを発足させることである。同財団は,州の公衆衛生部門を中心に編成することを提言している。同財団はまた,10万~30万名の人員を雇用し,コンピュータネットワークと多数の電子医療記録を紐づけてこれらの人員をサポートする必要があることを提言している。
  • 3つ目は,リアルタイム解析と感染の追跡を円滑化するため,連邦,州,民間のデータプラットフォームを統合し,拡大していくことである。これを行うことで,COVID-19のアウトブレイク再発を突き止め,検査量の急増に対応し,追跡調査を行えるようになる。

ロックフェラー財団が提案するこの白書は,優れたアイデアに富んでおり,必読である。この大規模プランには,数多く点在するコンピュータ化されたデータについて,プラットフォームを統合していくことが求められる。これらはいずれも,プライバシーと感染制御の必要性のバランスを取る必要がある。

プランへのリンク:https://www.rockefellerfoundation.org/wp-content/uploads/2020/04/TheRockefellerFoundation_WhitePaper_Covid19_4_21_2020.pdf


 

2020年4月10日

 スマートフォンアプリはパンデミック克服に役立つか?

 米国国立衛生研究所(NIH)所長のFrancis Collins博士が2020年4月9日,興味深い記事を投稿した。NIH所長は自身のブログで,COVID-19パンデミック克服に向けて,濃厚接触者の追跡と通知のためにスマートフォンの利用の協力要請について述べた。公衆衛生担当チームが一般市民と電話や対面で話す従来の方法は,非常に時間がかかる。時間にロスがあると,ウイルスに曝露した個人の発見や通知が遅れるため,感染拡大を許してしまうことになる。スマートフォンの無線Bluetooth技術を利用するデジタル追跡機能によって,COVID-19を制御する可能性を高めることができる。中国の研究では,濃厚接触追跡アプリの利用とCOVID-19感染の抑制持続との相関関係が示された。Collins博士は,主要な倫理的,法的,社会的問題についても触れている。

ブログ記事へのリンク:https://directorsblog.nih.gov/author/collinsfs/


 

2020年4月10日

 スマートフォンアプリはパンデミック克服に役立つか?

 米国国立衛生研究所(NIH)所長のFrancis Collins博士が2020年4月9日,興味深い記事を投稿した。NIH所長は自身のブログで,COVID-19パンデミック克服に向けて,濃厚接触者の追跡と通知のためにスマートフォンの利用の協力要請について述べた。公衆衛生担当チームが一般市民と電話や対面で話す従来の方法は,非常に時間がかかる。時間にロスがあると,ウイルスに曝露した個人の発見や通知が遅れるため,感染拡大を許してしまうことになる。スマートフォンの無線Bluetooth技術を利用するデジタル追跡機能によって,COVID-19を制御する可能性を高めることができる。中国の研究では,濃厚接触追跡アプリの利用とCOVID-19感染の抑制持続との相関関係が示された。Collins博士は,主要な倫理的,法的,社会的問題についても触れている。

ブログ記事へのリンク:https://directorsblog.nih.gov/author/collinsfs/


 

2020年4月10日

 スマートフォンアプリはパンデミック克服に役立つか?

 米国国立衛生研究所(NIH)所長のFrancis Collins博士が2020年4月9日,興味深い記事を投稿した。NIH所長は自身のブログで,COVID-19パンデミック克服に向けて,濃厚接触者の追跡と通知のためにスマートフォンの利用の協力要請について述べた。公衆衛生担当チームが一般市民と電話や対面で話す従来の方法は,非常に時間がかかる。時間にロスがあると,ウイルスに曝露した個人の発見や通知が遅れるため,感染拡大を許してしまうことになる。スマートフォンの無線Bluetooth技術を利用するデジタル追跡機能によって,COVID-19を制御する可能性を高めることができる。中国の研究では,濃厚接触追跡アプリの利用とCOVID-19感染の抑制持続との相関関係が示された。Collins博士は,主要な倫理的,法的,社会的問題についても触れている。

ブログ記事へのリンク:https://directorsblog.nih.gov/author/collinsfs/


 

2020年4月10日

 スマートフォンアプリはパンデミック克服に役立つか?

 米国国立衛生研究所(NIH)所長のFrancis Collins博士が2020年4月9日,興味深い記事を投稿した。NIH所長は自身のブログで,COVID-19パンデミック克服に向けて,濃厚接触者の追跡と通知のためにスマートフォンの利用の協力要請について述べた。公衆衛生担当チームが一般市民と電話や対面で話す従来の方法は,非常に時間がかかる。時間にロスがあると,ウイルスに曝露した個人の発見や通知が遅れるため,感染拡大を許してしまうことになる。スマートフォンの無線Bluetooth技術を利用するデジタル追跡機能によって,COVID-19を制御する可能性を高めることができる。中国の研究では,濃厚接触追跡アプリの利用とCOVID-19感染の抑制持続との相関関係が示された。Collins博士は,主要な倫理的,法的,社会的問題についても触れている。

ブログ記事へのリンク:https://directorsblog.nih.gov/author/collinsfs/



  2020年4月21日

 データにない28,000件の死亡:コロナウイルス危機による本当の死亡者数を追跡

2020年4月21日のNew York Times誌でJin Wu氏およびAllison McCann氏は,11ヵ国の死亡者数データのレビューを行ったところ,これらの国では過去数年と比較して死亡者数が大きく増えていることが示されたことを報告した。著者らは今年の総死亡者数を過去の同期間の平均と比較し,各国の超過死亡数を推定した。その結果,先月のコロナウイルスパンデミック中の死亡者数は,COVID-19の死亡者数に関する公式の報告よりも少なくとも28,000件は多かった。ほとんどの国では,COVID-19の死亡者について医療機関で発生したものしか報告しないため,報告されないCOVID-19による死亡者が多く存在する。この研究で明らかになった28,000件の超過死亡には,COVID-19による死亡のほか,医療機関に人が殺到した影響で治療を受けられなかった他の疾患の患者など,他の原因による死亡も含まれる。この記事から,全世界のCOVID-19の死亡者数は,検査で確定されたCOVID-19の死亡報告数よりはるかに多いことが示唆される。この傾向を国ごとにわかりやすくグラフで表した記事が以下のリンクから閲覧できる。

ニュース記事へのリンク:https://www.nytimes.com/interactive/2020/04/21/world/coronavirus-missing-deaths.html?smid=em-share

 


  2020年4月21日

 データにない28,000件の死亡:コロナウイルス危機による本当の死亡者数を追跡

2020年4月21日のNew York Times誌でJin Wu氏およびAllison McCann氏は,11ヵ国の死亡者数データのレビューを行ったところ,これらの国では過去数年と比較して死亡者数が大きく増えていることが示されたことを報告した。著者らは今年の総死亡者数を過去の同期間の平均と比較し,各国の超過死亡数を推定した。その結果,先月のコロナウイルスパンデミック中の死亡者数は,COVID-19の死亡者数に関する公式の報告よりも少なくとも28,000件は多かった。ほとんどの国では,COVID-19の死亡者について医療機関で発生したものしか報告しないため,報告されないCOVID-19による死亡者が多く存在する。この研究で明らかになった28,000件の超過死亡には,COVID-19による死亡のほか,医療機関に人が殺到した影響で治療を受けられなかった他の疾患の患者など,他の原因による死亡も含まれる。この記事から,全世界のCOVID-19の死亡者数は,検査で確定されたCOVID-19の死亡報告数よりはるかに多いことが示唆される。この傾向を国ごとにわかりやすくグラフで表した記事が以下のリンクから閲覧できる。

ニュース記事へのリンク:https://www.nytimes.com/interactive/2020/04/21/world/coronavirus-missing-deaths.html?smid=em-share

 


                                                                                                                                             

  2020年6月1日

 ニューヨーク市ではCOVID-19の感染率を規定する因子として人口密度より世帯規模の方が重要である可能性がある

米国全体では,また同じ都市の中でも,人口当たりのCOVID-19感染確定者数には大きなばらつきがみられる。このことは流行を抑え込む上で政策上重要な意味をもつことから,このばらつきにつながる因子を把握しておくことが重要である。ニューヨーク市全域でみられるばらつきを統計学的に検討する研究 (2020年5月20日にmedRxivでプレプリントとして公開;査読前)が実施され,入手可能なデータを用いて,該当する因子が郵便番号単位で調査された。本研究により,人口密度,平均世帯規模,貧困ラインを下回る人口の割合,65歳以上の住民の割合などの重要な因子を考慮に入れると,確定感染率と相関する最も重要な因子は平均世帯規模であることが明らかにされた。65歳以上の人口の割合と貧困ラインを下回る人口の割合も感染者発生率に影響を及ぼす因子であった。興味深いことに,一般的な認識に反して,人口密度それ自体は郵便番号で規定される地域内の感染者発生率に有意な影響を及ぼしていなかった。実際,本研究では他の因子を考慮に入れた場合,人口密度と感染者発生率の間には負の相関が認められた。ただし,この研究では2018年の統計データは用いられており,今回のアウトブレイク中に起きた人口の変化は考慮されていない。また,この研究において介護施設とその入居者がどのように分類されたかも明記されておらず,これらの点が研究結果に影響を及ぼした可能性がある。

研究のリンク:https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.05.25.20112797v1.full.pdf+html

 

  2020年5月18日

 不活化ウイルスを用いた有望なCOVID-19ワクチン

ワクチン開発においては通常,精製された不活化ウイルスが使用され,ポリオウイルスやインフルエンザウイルスといったウイルスを原因とする疾患の予防のために安全かつ効果の高いワクチンを提供してきた。中国の研究者グループは,2020年5月6日にScience誌に発表された論文で,精製された不活化SARS-CoV-2ワクチン(PiCoVacc)について発表した。このワクチンは,マウス,ラット,非ヒト霊長類で中和抗体を産生した。抗体は10種の代表的なウイルス菌株を中和することが示された。アカゲザル(SARS-CoV-2感染によりCOVID-19に似た疾患を示す非ヒト霊長類)に6マイクログラムを投与すると,後にSARS-CoV-2に感染させた場合,完全な防御効果を示した。観察可能または生化学的な有害作用はワクチンから生じなかった。顕著な点は,抗体依存性感染増強と呼ばれる現象を示す証拠がなかったことである。過去の報告では,この点が懸念として提起されていた。

著者らは,「これらの結果はヒト向けSARS-CoV-2ワクチンの臨床開発に向けた前向きな一歩を示す」と述べた。PiCoVaccの臨床試験は今年後半に開始される予定である。

試験のリンク:https://science.sciencemag.org/content/early/2020/05/06/science.abc1932


  2020年4月21日

 データにない28,000件の死亡:コロナウイルス危機による本当の死亡者数を追跡

2020年4月21日のNew York Times誌でJin Wu氏およびAllison McCann氏は,11ヵ国の死亡者数データのレビューを行ったところ,これらの国では過去数年と比較して死亡者数が大きく増えていることが示されたことを報告した。著者らは今年の総死亡者数を過去の同期間の平均と比較し,各国の超過死亡数を推定した。その結果,先月のコロナウイルスパンデミック中の死亡者数は,COVID-19の死亡者数に関する公式の報告よりも少なくとも28,000件は多かった。ほとんどの国では,COVID-19の死亡者について医療機関で発生したものしか報告しないため,報告されないCOVID-19による死亡者が多く存在する。この研究で明らかになった28,000件の超過死亡には,COVID-19による死亡のほか,医療機関に人が殺到した影響で治療を受けられなかった他の疾患の患者など,他の原因による死亡も含まれる。この記事から,全世界のCOVID-19の死亡者数は,検査で確定されたCOVID-19の死亡報告数よりはるかに多いことが示唆される。この傾向を国ごとにわかりやすくグラフで表した記事が以下のリンクから閲覧できる。

ニュース記事へのリンク:https://www.nytimes.com/interactive/2020/04/21/world/coronavirus-missing-deaths.html?smid=em-share