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COVID-19への吸入フルチカゾン転用、有用性認められず

ニュース
22年9月22日 執筆者:
ヘルスデー ニュース

喘息治療薬である吸入ステロイドのフルチカゾンは、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療に有用性がないことが明らかになった。米デューク臨床研究所のAdrian Hernandez氏らの研究によるもので、プレプリントサーバーの「medRxiv」に7月13日、査読前論文が公開された。Hernandez氏は、「研究参加者のうち、フルチカゾンを使用した群とプラセボを使用した群で、回復に要した時間や入院に至った割合は有意差がなかった」と、デューク大学発のリリースで述べている。

本研究は、他疾患の治療薬として既に用いられ安全性が確立している薬剤の中から、COVID-19に有効な薬剤を探すためのトライアルの一環として行われた。このトライアルには全米93カ所の医療機関が参加しており、患者登録は2021年8月10日~2022年2月12日に行われた。

今回の研究で検討された吸入フルチカゾンは、米食品医薬品局(FDA)が承認済の既存薬からCOVID-19への転用の可能性が検証されている、3種類の薬剤のうちの一つ。主に喘息を適応症とするステロイド製剤として用いられている。ステロイドはCOVID-19治療に有用性が認められていることから、吸入フルチカゾンのCOVID-19への転用が試みられた。

研究対象は、入院を要さない30歳以上の成人COVID-19外来患者1,277人。主な患者背景は、年齢中央値45歳(四分位範囲37~55)、女性63.2%、BMI28.1、喘息13.00%、COPD1.44%など。発症から7日以内に急性症状が2回以上発生した時点で、フルチカゾン200μg/日またはプラセボを14日間吸入する二重盲検無作為化比較試験に登録された。主要評価項目は回復(3日間連続で無症状が持続)に要する期間であり、二次評価項目として、28日目までの救急受診、入院、死亡で構成される複合エンドポイントが設定されていた。

解析の結果、フルチカゾン群(656人)とプラセボ群(621人)とで、主要評価項目に有意差は認められなかった〔ハザード比(HR)1.01(95%信頼区間0.91~1.12)〕。二次評価項目もフルチカゾン群24人(3.7%)、プラセボ群13人(2.1%)で有意差はなかった〔HR1.9(同0.8~3.5)〕。二次評価項目を個別に見ると、入院に関しては両群ともに3人(0.5%)でやはり有意差がなく〔HR0.94(同0.19~4.68)〕、28日以内の死亡は両群ともに発生していなかった。

有害事象が認められた患者はフルチカゾン群13人(2.0%)、プラセボ群16人(2.5%)であり、発生頻度は類似していた。

結論として、吸入フルチカゾンによる14日間の治療は、デルタ株またはオミクロン株が流行中の米国における外来COVID-19患者に有効と認められなかった。著者らは、「吸入フルチカゾンはCOVID-19の治療に使用されるべきではない」と強調している。(HealthDay News 2022年7月14日)

https://consumer.healthday.com/asthma-drug-fluticasone-fails-as-potential-covid-19-treatment-2657673914.html

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