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マリファナ(大麻)

執筆者:

Gerald F. O’Malley

, DO, Grand Strand Regional Medical Center;


Rika O’Malley

, MD, Albert Einstein Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 1月
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マリファナは多幸感をもたらすが,一部の使用者では鎮静や不快気分を引き起こすことがある。過剰摂取は起こらない。長期使用により精神依存が生じうるが,身体依存はほとんどないことが臨床的に明らかである。離脱症状は不快であるが,必要なのは支持療法だけである。

合成カンナビノイドも参照のこと。)

マリファナは最も多く使用される違法薬物であり,一時的に用いられることが多いが,社会的または精神的な機能不全を示すというエビデンスはない。

米国ではマリファナは一般に,乾燥させた植物の花と葉から作られたタバコとして,またはその植物をプレスした樹脂であるハシッシュとして用いられる。2010年に米国の特定の週で娯楽用マリファナが合法化されたことにより,経口摂取,吸引,蒸気吸入,およびチンキ,ローション,スプレーの形態で外用塗布されるマリファナ製品の大規模な市場が作り出された。

活性成分Δ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)の経口摂取用の合成型であるドロナビノールは,癌化学療法に伴う悪心や嘔吐の治療に,およびAIDS患者における食欲増進に用いられている。

病態生理

Δ-9-THCは,脳全体に存在するカンナビノイド受容体に結合する。

慢性効果

多幸感をもたらし不安を低下させるあらゆる薬物は依存を生じることがあり,マリファナもその例外ではない。大量喫煙者では肺の症状(急性気管支炎,喘鳴,咳嗽,および粘液分泌過多のエピソード)が発現する可能性があり,さらに肺機能が障害されることがある(太い気道の変化として現れるが,その意義は不明である)。しかし,毎日喫煙しても,閉塞性気道疾患を生じることはない。

最近のデータからは,マリファナの大量使用は有意な認知障害および海馬の解剖学的変化と関連することが示唆されている(特にマリファナの使用が青年期に開始した場合)。

タバコでみられるような,頭頸部癌または気道癌のリスクが高まるというエビデンスはない。気力や活力が低下する感じがあるとしばしば述べられる。

出生前のマリファナ使用が新生児に及ぼす影響は明らかではない。胎児の低体重が報告されてはいるが,全ての要因(例,母親の飲酒および喫煙)を考慮に入れると,胎児体重への影響は少ないと考えられる。しかし,安全性は明確には証明されていないため,妊婦および妊娠を試みている女性はマリファナを回避すべきである。THCは母乳中に分泌される。授乳中の乳児に対する害は証明されていないが,授乳婦は妊婦と同様,マリファナの使用を避けるべきである。

症状と徴候

中毒と離脱は生命を脅かすほどではない。

急性効果

マリファナを吸うと数分以内に意識が夢幻状態になり,観念がばらばらで,予想がつかず,自由に流動するように思える。時間や色,空間の知覚が変容する場合がある。一般に,中毒は多幸感とリラックス感(ハイな感じ)から成る。これらの影響は吸入後4~6時間持続する。

その他に報告された心理的影響の多くは,薬物使用の状況に関係しているようである。不安,パニック反応,およびパラノイアも発生しており,特に初めての使用者で多くみられている。統合失調症患者では,抗精神病薬による治療を受けている場合でも,マリファナが精神病症状を増悪させる可能性があり,誘発することもある。

ほとんどの患者では身体的影響は軽度である。頻脈,結膜充血,および口腔乾燥が一様に生じる。集中力,時間感覚,細やかな協調,奥行き感覚,追跡,および反応時間が最長で24時間にわたり障害されることがあり,これらはいずれもある種の状況(例,車の運転,重機類の操作)では危険である。食欲はしばしば亢進する。

離脱

頻繁に大量使用する人が中止すると,軽度の離脱症候群を引き起こすことがあり,離脱症状の発症時期は様々であるが,最終使用から約12時間後に始まることが多い。症状は,不眠症,易怒性,抑うつ,悪心,および食欲不振から成り,2~3日後にピークに達し,最長で7日後まで持続する。

カンナビノイド悪阻症候群(cannabinoid hyperemesis syndrome)は,最近報告された,大麻の慢性使用者における悪心および嘔吐の周期性エピソードの症候群であり,症状は通常48時間以内に自然に消失する。これらの症状は温浴によって改善し,それが診断につながる臨床上の手がかりになる。

診断

  • 臨床的評価

診断は通常臨床的に行う。薬物濃度は一般的には測定しない。ほとんどのルーチン尿薬物スクリーニングにはマリファナが含まれているが,偽陽性または偽陰性の結果が生じることがある。

治療

  • 支持療法

治療は通常必要ないが,顕著な不快感が生じた患者には支持療法を行う。カンナビノイド悪阻症候群の患者には,輸液および制吐薬が必要になることがある(症例報告ではハロペリドールが効果的であることが示唆されている)。

乱用の管理は通常,外来薬物治療プログラムでの行動療法により行う。

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