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ボディパッキングとボディスタッフィング

執筆者:

Gerald F. O’Malley

, DO, Grand Strand Regional Medical Center;


Rika O’Malley

, MD, Albert Einstein Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 1月
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ボディパッキングとボディスタッフィングは,警察に発見されることを避けようとして,薬物を詰めた小さな袋を飲み込むか,体腔内に入れて隠す行為である。そのリスクおよび結果は,薬物の量および種類,ならびにそれを包装した方法に応じて異なる。

ボディパッキング

ボディパッキングには末端価格の高い薬物(主にヘロインコカイン)が関係している場合が多く,国境や検問所などを越えて薬物を密輸するために行われる。薬物はコンドームや袋に入れられてポリエチレンやラテックスで何重にも密封され,外側にワックスが塗られることもある。薬物を体内に隠匿するボディーパッカー(「運び屋」)は,一般的には複数の包みを飲み込んだ後に腸運動抑制薬を服用することで,包みを回収できる状況になるまで腸蠕動を抑制しようとする。その薬物の総量は致死量を超える。包みが破れるリスクがあり,その場合は過剰摂取と急激な中毒に至る。

具体的な症状は薬物によるが,コカインでは難治性の痙攣,頻脈,高血圧,および高体温がよくみられる。ヘロインでは昏睡と呼吸抑制が多い。腸閉塞,腸管破裂,および腹膜炎のリスクもある。

ボディスタッフィング

ボディスタッフィングはボディパッキングに似ており,警察に逮捕されそうな人が発覚を避けるために薬物の包みを飲み込む場合をいう。直腸や腟に包みを入れることもある。ボディスタッフィングは,ボディパッキングと比べて薬物の量がはるかに少ない場合が多いが,通常が薬物の包装が不十分であるため,やはり過剰摂取が懸念される。

診断

  • 病歴および臨床的な疑い

  • 内診および/または直腸指診

  • ときに単純X線検査

ボディパッキングやボディスタッフィングが疑われる個人は,通常は警察官によって医療機関に連行されてくるが,最近の旅行歴がある患者や収監されて間もない患者で原因不明の昏睡や痙攣発作がみられた場合は,医師はボディパッキングを考慮すべきである。内診および直腸指診を行い,それらの領域に薬物の包みがないか確認すべきである。単純X線撮影で消化管内に包みがあることを確認できる場合も多い。

治療

  • 合併症に対する支持療法

  • ときに薬物の包みを除去する処置

過剰摂取(と包みの破裂と推定)の症状を呈した患者に対する治療は支持療法であり,これには患者の症状に応じて気道確保,呼吸と循環の補助,抗てんかん薬の投与などが含まれる。ときには特異的な解毒剤が適応となる(以下の各薬物を参照)。

通常,消化管内の破裂していない包みは全腸管洗浄によって除去できる。しかしながら,包みが破裂した場合には,直ちに(消化管内の位置に応じて)手術または内視鏡により包みを全て除去する必要があるが,遅れずに除去できる例はまれであり,薬物の放出量が多大なために死亡することが多い。腸閉塞や腸穿孔が認められる患者も直ちに手術する必要がある。活性炭が役立つこともあるが,腸閉塞や腸穿孔が認められる患者では禁忌である。

腟内および直腸内の包みは用手的に除去すべきである。

無症状のボディーパッカー(および薬物の包みを飲み込んだスタッファー)については,包みを排泄後,包みを含まない便が数回出るまで,症状の出現を観察すべきである。ポリエチレングリコール溶液による全腸管洗浄に,消化管運動機能調整薬としてメトクロプラミドを併用するまたは併用しない医師もいる。無症状の患者には緊急の内視鏡は適応とならない。

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