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ダニ咬傷

執筆者:

Robert A. Barish

, MD, MBA, University of Illinois at Chicago;


Thomas Arnold

, MD, Department of Emergency Medicine, LSU Health Sciences Center Shreveport

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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咬傷を起こすダニは多種存在する。ツツガムシ類がおそらく最も一般的である。ツツガムシ類は,乾燥地域を除いて野外に広く生息するコダニの幼虫である;咬みついて皮膚から餌を取った後,落下する。米国外では,ツツガムシ類はOrientia tsutsugamushi(Professional.see page ツツガムシ病 ツツガムシ病 ツツガムシ病は,Orientia tsutsugamushi(以前はツツガムシ病リケッチア[Rickettsia tsutsugamushi])を原因菌とするダニ媒介性疾患である。症状は発熱,原発病変,斑状発疹,およびリンパ節腫脹である。 (リケッチアとその近縁微生物による感染症の概要も参照のこと。) ツツガムシ病はリケッチア感染症の関連疾患である。 O. tsutsugamushiは,森林や農村地帯に生息する大型ネズミ,ハタネズミ,野... さらに読む ツツガムシ病 )を保有している可能性がある。ツツガムシ類は皮膚に穿孔しないが,体長が小さいので皮膚表面にいても容易に見つからない。

ときにヒトを刺咬するが通常は鳥類,齧歯類,またはペットの外部寄生虫であるダニ類や,植物性素材または貯蔵された食品・飼料に関連するダニ類によって皮膚炎が引き起こされる。

  • 鳥ダニが,生きた家禽やペットの鳥を世話するヒトや,家に鳥の巣があるヒトを咬む場合がある。

  • ネコ,イヌ(特に仔犬),およびウサギ由来の齧歯類ダニがヒトを咬む場合がある。

  • 養豚場やペットのブタ由来のブタ疥癬ダニ(S. scabiei var suis)もヒトを咬む場合がある。

  • シラミダニ(Pyemotes tritici)はしばしば種子,わら,干し草などの植物性素材に関連する;シラミダニはこのような素材の中にいるまたはいたことがある体の軟らかい昆虫の寄生虫である。これらのダニ類がダニが群生している物を扱う人をしばしば咬む。穀物倉庫の労働者,牧草の種子や干し草を扱う人,乾燥植物のアレンジメントを作る人が最もリスクが高い。

チリダニはヒトを咬むことはないが,枕およびマットレスの中や床(特にカーペット)の上に剥落した皮膚細胞を餌とする。多数の人に,チリダニの外骨格や糞に存在するアレルゲンに対する肺の過敏性が発現するため,チリダニは重要である。

症状と徴候

症状と徴候咬傷の大部分が,何らかのそう痒性皮膚炎を引き起こす;ツツガムシ類の咬傷によるそう痒は特に激しい。

診断

  • 臨床的評価

皮膚に潜り込まないダニ咬傷の診断は,患者の病歴(例,生活環境,労働環境,娯楽環境)および身体診察に基づき推定する。ダニは刺咬した後落下し,通常は皮膚反応が遅れて生じ,ほとんどの患者が咬まれて数日後に初めて医師の助けを求めるので,ダニ自体が見つかることはまれである。通常,異なるコダニによって生じた病変は区別できず,外見上は他の皮膚病(例,その他の昆虫刺咬,接触皮膚炎 接触皮膚炎 接触皮膚炎は,刺激物またはアレルゲンによって引き起こされる皮膚の急性炎症である。主な症状はそう痒である。皮膚の変化は紅斑から水疱や潰瘍まで様々で,手または手の近くに生じることが多いが,原因物質に曝露した皮膚表面ならばどこにでも生じる。診断には曝露歴と診察所見のほか,ときにパッチテストの結果も用いられる。治療には止痒薬,コルチコステロイドの外用,および原因の回避が必要である。 (皮膚炎の定義も参照のこと。)... さらに読む 接触皮膚炎 毛包炎 毛包炎 毛包炎とは,毛包の感染症である。診断は臨床的に行う。治療は外用クリンダマイシンによる。 (皮膚細菌感染症の概要も参照のこと。) 毛包炎の病因ははっきりしない場合が多いが,発汗,外傷,摩擦,および皮膚の被覆が感染を増悪させることが知られている。細菌性毛包炎の原因菌は通常,黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)であるが,ときに緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(温浴槽毛包炎[hot-tub... さらに読む 毛包炎 )に類似することがある。

皮膚に潜るダニの診断は,患者の病歴と皮膚病変の疥癬様のパターンに基づいて推定する。診断が明確でないか,または治療が効果的でない場合は,皮膚生検によって確定診断が可能になる。

治療

皮膚に潜り込まないダニ咬傷の治療は対症療法による。外用コルチコステロイドまたは経口抗ヒスタミン薬を必要に応じて使用し,過敏反応が消失するまでそう痒をコントロールする。可能性のあるダニの発生源について徹底的に話し合うことで,医師は患者がコダニに繰り返し曝露しないよう支援できる。ニキビダニ(Demodex)による咬傷は獣医師のコンサルテーションが必要となる。

要点

  • ヒトを刺咬するダニ類には,ツツガムシ類(目に見えない)のほか,鳥類,齧歯類,またはペットの外部寄生虫であるダニや,植物性素材または貯蔵された食品・飼料に関連するダニ類などがある。

  • ヒトを刺咬し,皮膚に潜り込むダニ類には,疥癬を引き起こすヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)および疥癬様皮膚炎を引き起こすニキビダニ(Demodex)が含まれる。

  • ヒトを刺咬するダニ類はそう痒性皮膚炎を引き起こす。

  • 病歴,および皮膚に潜り込むダニ類に対して皮膚病変の疥癬様パターンから診断を行う。

  • 症状に対する治療(例,そう痒に対して外用コルチコステロイドまたは経口抗ヒスタミン薬)を行うとともに,皮膚に潜り込むダニ類の刺咬を抗菌薬療法で治療する。

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