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TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)

(家族性ハイバーニアン熱)

執筆者:

Apostolos Kontzias

, MD, Stony Brook University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 2月
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腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期性症候群は,繰り返す発熱および痛みが強い移動性の筋肉痛とそれに伴う圧痛のある紅斑を来す,常染色体優性遺伝疾患である。TNF受容体1型の減少がみられる。診断は遺伝子検査による。治療はコルチコステロイド,エタネルセプト,anakinra,およびカナキヌマブによる。

腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群(TRAPS)は,アイルランド人とスコットランド人の血統である1家系で最初に記載されたが,他の多くの民族集団においてもその発生が報告されている。本疾患はTNF受容体1型(TNFR1)をコードする遺伝子の変異に起因する。この変異によりミスフォールドしたTNFR1が小胞体内に蓄積し,アンフォールド状態のタンパク質に対する反応が活性化されることで異常な炎症が生じる。この反応は異常なタンパクを修正する試みであるが,炎症を誘発する活性酸素種を生成する(1)。

このまれな疾患の発作は通常20歳までに始まる。70%の患者では,発作は7~21日間持続する(平均10日;2)。発作の最も著明な特徴は,発熱,移動性の筋肉痛,および四肢の腫脹である。罹患部を覆う皮膚が発赤し圧痛が生じる。TRAPSのその他の症状としては,頭痛,腹痛,下痢または便秘,悪心,有痛性の結膜炎,眼窩周囲の浮腫,関節痛,発疹,精巣痛などがある。男性では鼠径ヘルニアが発生しやすくなる。10%の患者で腎臓のアミロイドーシスが報告されている;アミロイドーシスの発症年齢中央値は43歳である。

治療を行った場合の予後は良好であるが,腎アミロイドーシス例ではより警戒を要する。

総論の参考文献

  • 1.Dickie LJ, Aziz AM, Savic S, et al: Involvement of X-box binding protein 1 and reactive oxygen species pathways in the pathogenesis of tumour necrosis factor receptor-associated periodic syndrome. Ann Rheum Dis 71(12):2035–2043, 2012. doi: 10.1136/annrheumdis-2011-201197.

  • 2.Lachmann HJ, Papa R, Gerhold K, et al: The phenotype of TNF receptor-associated autoinflammatory syndrome (TRAPS) at presentation: A series of 158 cases from the Eurofever/EUROTRAPS international registry. Ann Rheum Dis 73(12):2160–2167, 2014. doi: 10.1136/annrheumdis-2013-204184.

診断

  • 臨床的評価

  • 遺伝子検査

TRAPSの診断は,病歴,診察および遺伝子検査に基づく。非特異的な所見には,発作中の好中球増多,急性期反応物質高値,および多クローン性免疫グロブリン血症などがある。患者に対しタンパク尿のスクリーニングを定期的に行うべきである。

治療

  • コルチコステロイド

  • anakinraおよびカナキヌマブ

短期間のコルチコステロイド(プレドニゾン20mg以上,1日1回経口投与)の単独またはNSAIDとの併用が,炎症性発作を停止させるのに効果的である。経時的に増量が必要となることがあり,それにより再燃あるいは悪化までの期間がより長くなることがある。

その他の選択肢としては,anakinra(100mg,皮下投与,1日1回)(3, 4)やカナキヌマブ(150mg,皮下投与,4週間毎)(5)などがある。エタネルセプトは部分的にしか効果的でないことが証明された(6, 7)。

治療に関する参考文献

  • 3.ter Haar NM, Oswald M, Jeyaratnam J, et al: Recommendations for the management of autoinflammatory diseases. Ann Rheum Dis 74(9):1636–1644, 2015. doi: 10.1136/annrheumdis-2015-207546.

  • 4.Gattorno M, Pelagatti MA, Meini A, et al: Persistent efficacy of anakinra in patients with tumor necrosis factor receptor-associated periodic syndrome. Arthritis Rheum 58:1516–1520, 2008. doi: 10.1002/art.23475.

  • 5.Gattorno M, Obici L, Cattalini M, et al: Canakinumab treatment for patients with active recurrent or chronic TNF receptor-associated periodic syndrome (TRAPS): An open-label, phase II study. Ann Rheum Dis 76(1):173–178, 2016. doi: 10.1136/annrheumdis-2015-209031.

  • 6.Drewe E, McDermott EM, Powell PT, et al: Prospective study of anti-tumour necrosis factor receptor superfamily 1B fusion protein, and case study of anti-tumour necrosis factor receptor superfamily 1A fusion protein, in tumour necrosis factor receptor associated periodic syndrome (TRAPS): Clinical and laboratory findings in a series of seven patients. Rheumatology 42:235–239, 2003. doi:10.1093/rheumatology/keg070.

  • 7.Quillinan N, Mannion G, Mohammad A, et al: Failure of sustained response to etanercept and refractoriness to anakinra in patients with T50M TNF-receptor-associated periodic syndrome. Ann Rheum Dis 70(9):1692–1693, 2011. doi: 10.1136/ard.2010.144279.

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