Msd マニュアル

Please confirm that you are a health care professional

honeypot link

青年期の発達

執筆者:

Evan G. Graber

, DO, Sydney Kimmel Medical College

最終査読/改訂年月 2019年 2月
患者さん向けの 同じトピックページ はこちら

青年期とは依存している小児が自立した成人に成長する発達時期である。この時期は10歳頃から始まり10代後期または20代早期まで続く。青年期の小児は,身体的 身体的成長 青年期(通常は10歳から10代後期または20代初期)に,男児および女児とも成人の身長および体重に達し,思春期を経験する。男児については,性分化,アドレナーキ(adrenarche),および思春期を参照のこと;女児については,思春期を参照のこと。このような変化の起こる時期および速さは様々であり,遺伝と環境の両方の影響を受ける。 2歳以降では,CDCの成長曲線を用いて成長パラメータを記録する... さらに読む 知的 知的発達および行動発達 青年期とは依存している小児が自立した成人に成長する発達時期である。この時期は10歳頃から始まり10代後期または20代早期まで続く。青年期の小児は,身体的,知的,および情緒的に著しい成長を遂げる。この期間を導き乗り切らせることは,親にも臨床医にも困難な課題である。 (青年期の問題も参照のこと。) 青年期初期に,抽象的,論理的な思考能力が発達し始める。思考の複雑さが増すことにより自己認識が強化され,自己の存在について深慮するようになる。青年... さらに読む ,および情緒的 情緒の発達 青年期とは依存している小児が自立した成人に成長する発達時期である。この時期は10歳頃から始まり10代後期または20代早期まで続く。青年期の小児は,身体的,知的,および情緒的に著しい成長を遂げる。この期間を導き乗り切らせることは,親にも臨床医にも困難な課題である。 (青年期の問題も参照のこと。) 青年期初期に,抽象的,論理的な思考能力が発達し始める。思考の複雑さが増すことにより自己認識が強化され,自己の存在について深慮するようになる。青年... さらに読む に著しい成長を遂げる。この期間を導き乗り切らせることは,親にも臨床医にも困難な課題である。

知的発達および行動発達

青年期初期に,抽象的,論理的な思考能力が発達し始める。思考の複雑さが増すことにより自己認識が強化され,自己の存在について深慮するようになる。青年期に起こる多くの目立つ身体的変化のため,この自己認識はしばしばぎこちなさの感覚を伴う自意識過剰へと変化する。青年は,容姿や魅力のことばかりを考え,友人との相違に過敏になる。

青年はまた,この新たな熟考力を用いて道徳的問題に対処する。青年期以前の小児は,善悪を固定的かつ絶対的なものとして理解する。より年長の青年は,しばしば行動規範に疑問を抱き伝統を否定して,親を狼狽させることがある。理想は,このような熟考によって,最終的に青年自身の道徳律が発達し内在化することである。

青年期に入りより複雑な学業課題に直面すると,小児は得意領域と苦手領域に加え興味が引かれる領域を認識し始める。ほとんどの場合明確な目標はないものの,青年期は若者がキャリア選択について考え始める時期である。親および臨床医は,青年の能力を認識し,青年が現実的な期待を育むことを助け,さらに学習障害 学習障害の概要 学習障害とは,学業成績において個人の知的能力から予測される潜在的な水準と実際の水準との間に乖離を生じさせる病態のことである。学習障害では,集中または注意,言語発達,視覚および聴覚情報処理に機能障害や困難がみられる。診断では,認知的,教育的,言語的,内科的,心理学的評価が行われる。治療は主に教育的管理であり,ときに内科的治療,行動療法,および精神療法も行われる。 学習障害は神経発達障害の一種と考えられている。神経発達障害とは,小児期早期,... さらに読む 注意障害 注意欠如・多動症(ADD,ADHD) 注意欠如・多動症(ADHD)は,不注意,多動性,および衝動性から構成される症候群である。不注意優勢型,多動性・衝動性優勢型,混合型の3つの病型に分類される。診断は臨床的な基準により下される。治療では通常,精神刺激薬による薬物療法,行動療法,教育的介入などが行われる。 注意欠如・多動症(ADHD)は,神経発達障害と考えられている。神経発達障... さらに読む 行動の問題 青年期における行動の問題 青年期は自立心が発達する時期である。典型的には,青年は親のルールに疑問を抱くことで自立心を発揮するが,これはときにルールを破ることにもつながる。親および医療従事者は,時折生じる判断の誤りと,専門家の介入を要するレベルの問題行動とを鑑別しなければならない。規則違反の深刻度および頻度が参考になる。例えば,大量飲酒を繰り返したり無断欠席または窃盗を繰り返すことは,同じ行為が独立して起こる場合と比べ,はるかに重大である。秩序破壊的行動が機能を障... さらに読む ,不適切な学習環境などの改善を要する学習上の問題を進んで特定しなければならない。親および臨床医は,より年長の青年に対し,学期中または休暇中に将来就く可能性のある職業の体験や見習いをするよう促すべきである。このような機会は,青年がキャリア選択および今後の学習を絞ることに役立つ。

多くの青年が,高速運転などの危険行動に関わり始める。多くの青年は,性的な行動を試み始め,中には危険な性行為に関わる場合もある。窃盗,飲酒,薬物使用 青年期における薬物および物質の使用 青年の物質の使用は,散発的なものから重度の物質使用障害まで多岐にわたる。使用する物質の種類,使用状況,および使用頻度によって,影響は最小限から,軽微,または生命を脅かす場合まで様々である。しかし,時折の使用であっても,過剰摂取,自動車事故,暴力行動,および性的接触(例,妊娠,性感染症)などの重大な害悪を被るリスクが増える可能性がある。 (物質関連障害の概要も参照のこと。) 青年は様々な理由から物質を使用する:... さらに読む などの不法行為に関わる者もいる。このような行動は,青年が家庭を離れる前段階として自らの能力を過大評価する傾向があることが原因の一部であると専門家は推測している。神経系に関する最近の研究でも,衝動を抑制する脳の領域は成人初期まで完全には成熟しないことが示されている。

情緒の発達

青年期には,感情を制御する脳の領域が発達し成熟する。この時期は,表面上は自発的な感情の爆発が特徴であり,これはしばしば矛先となる親および教師には挑発的行為となりうる。青年は次第に不適切な思考および行為を抑制し,目標志向行動へ置き換えることを学ぶ。

成長の情緒的側面は非常に扱いにくいものであり,親,教師,および医師が忍耐を要求されることもしばしばである。情緒不安定は感情を制御する脳の領域が成熟する青年期における,神経発達の直接的結果である。欲求不満も複数分野における成長から生じると考えられる。

葛藤の主要部分は青年のさらなる自由への欲求から生じるものであり,これが子どもを有害なものから守ろうとする親の強い本能とぶつかる。親は,自分の役割を再調整し,さらに多くの権限を青年に徐々に与えると同時に,青年に自分自身に対して,また家庭内でさらに多くの責任を負うことを期待する上で,支援を必要とする場合がある。

安定している家族内でさえ,コミュニケーションが困難になることがあり,家庭の分裂や親自身の情緒的問題により事態はさらに悪化する。臨床医は青年および親に対して,実践的,具体的,かつ協力的で分別のある支援を提供しつつ,さらに家族内のコミュニケーションを促すことによって,多大な援助を行うことができる。

社会的および心理的発達

小児の社会生活の中心は家族である。青年期には,家族に代わって友人グループが主な社会生活の中心になり始める。友人グループは,服装,容姿,態度,趣味,関心事,および部外者には意味があるように見えるあるいは些細に見える他の特徴の違いに基づいてしばしば形成される。友人グループは最初は通常同性だけで構成されるが,青年期後期には典型的には男女混成になる。このようなグループは,青年のあやふやな選択に妥当性を与え,ストレスの多い状況での支えとなってくれるため,青年にとっては重要な存在である。

友人グループに所属していないと感じる青年は,自分が人と異なっていて疎外されているという感情を強く抱く場合がある。このような感情は永続的な影響を通常もたらさないが,無秩序な行動や反社会的行動をとる可能性を高める場合がある。その対極として,友人グループを重視しすぎるあまり反社会的行動に出てしまうこともある。ギャングへの加入 青年期は自立心が発達する時期である。典型的には,青年は親のルールに疑問を抱くことで自立心を発揮するが,これはときにルールを破ることにもつながる。親および医療従事者は,時折生じる判断の誤りと,専門家の介入を要するレベルの問題行動とを鑑別しなければならない。規則違反の深刻度および頻度が参考になる。例えば,大量飲酒を繰り返したり無断欠席または窃盗を繰り返すことは,同じ行為が独立して起こる場合と比べ,はるかに重大である。秩序破壊的行動が機能を障... さらに読む は,友人グループの無秩序な要求を家庭環境や社会環境で正すことができない場合に多くなる。

臨床医は,うつ病 小児および青年における抑うつ障害 抑うつ障害は,機能の障害やかなりの苦悩を発生させるほど重度または持続的な悲しみまたは易怒性を特徴とする。診断は病歴および診察による。治療は,抗うつ薬,支持療法および認知行動療法,またはこれらの治療法の組合せによる。 (成人における抑うつ障害群の考察も参照のこと。) 小児および青年の抑うつ障害としては以下のものがある: 重篤気分調節症 うつ病 さらに読む 双極性障害 小児および青年における双極性障害 双極性障害は,躁状態,抑うつ状態,正常な気分状態の期間が交互に出現することによって特徴づけられ,さらにそれぞれが1回につき数週間から数カ月間継続する障害である。診断は臨床基準に基づく。治療は気分安定薬(例,リチウム,ある種の抗てんかん薬,抗精神病薬),精神療法,および抗うつ薬の併用である。 双極性障害は,典型的には青年期中期から20代中盤にかけて発症する。多くの小児において,初発症状は1回以上の抑うつエピソードである。(成人における双極... さらに読む 不安 小児および青年における不安症の概要 不安症は,正常な機能を大きく障害する,目の前の環境と釣り合わない恐怖,心配,または脅威を特徴とする。不安から身体症状を来すこともある。診断は臨床的に行う。治療法は行動療法のほか,通常はSSRIによる薬物療法による。 (成人における不安症の概要も参照のこと。) 以下のような場合,一部の不安は正常な発達の側面である: 歩行開始後間もない幼児は,母親から引き離されたとき,特に不慣れな環境に置かれたときに恐怖を感じる。... さらに読む などの精神障害 小児および青年における精神障害の概要 小児期と青年期は,ときに気苦労のない至福の時期であると考えられがちであるが,診断可能な精神障害を有する小児および青年の割合は20%にも上る。そのような障害の大部分は,正常な行動や感情の誇張ないし歪みとみなされることがある。 成人と同様に,小児および青年もその気質は多様である。内気で無口な者もいれば,社会的に活発な者もいる。几帳面で慎重な者... さらに読む のスクリーニングを全ての青年に行うべきである。精神障害は人生のこの時期に発生が増加し,自殺念慮や自殺行動に至ることもある。統合失調症 小児および青年における統合失調症 統合失調症は,心理社会的機能に相当程度の障害を来す幻覚および妄想が6カ月以上継続してみられる状態である。 (成人における統合失調症も参照のこと。) 統合失調症の発症は,典型的には青年期中期から30歳代中盤にかけてみられ,発症のピークは20代である。青年と若年成人における特徴は類似している。思春期前の小児の統合失調症(小児期発症統合失調症)は,青年/若年成人発症型と同様の症状で12歳未満で発症するものであるが,極めてまれである。... さらに読む などの精神病性障害はまれではあるが,青年期後期に表面化することが最も多い。神経性やせ症 神経性やせ症 神経性やせ症は,やせへの執拗な追求,肥満に対する病的な恐怖,身体像の歪み,および必要量に対する相対的な摂取量制限が有意な低体重につながっていることを特徴とする。診断は臨床的に行う。大半の治療は何らかの形態の精神療法および行動療法である。若年患者の治療では家族の関与が極めて重要である。オランザピンが体重増加に有用となることがある。 (摂食障害群に関する序論も参照のこと。) 神経性やせ症は主に女児および若年女性に生じる。通常,発症は青年期中... さらに読む 神経性過食症 神経性過食症 神経性過食症は,反復的な過食エピソードとそれに続く排出(自己誘発性嘔吐,下剤または利尿薬の乱用),絶食,衝動的運動などの不適切な代償行動を特徴とし,3カ月にわたり平均して週1回以上の頻度でエピソードがみられる。診断は病歴と診察に基づく。治療は精神療法および抗うつ薬による。 (摂食障害群に関する序論も参照のこと。) 神経性過食症は青年期および若年女性の約1.6%と同世代の男性の0... さらに読む などの摂食障害 摂食障害群に関する序論 摂食障害群では,摂食または摂食に関連する行動に関して,以下のような持続的な障害が認められる: 食物の摂取または吸収を変容させる 身体的健康および/または心理社会的機能を大きく損なう 具体的な摂食障害群としては以下のものがある: 神経性やせ症 さらに読む は女児に比較的多く,青年期ではそのような行動および体重変動を隠すためあらゆる手段をとることから,発見することは困難である可能性がある。

物質使用 青年期における薬物および物質の使用 青年の物質の使用は,散発的なものから重度の物質使用障害まで多岐にわたる。使用する物質の種類,使用状況,および使用頻度によって,影響は最小限から,軽微,または生命を脅かす場合まで様々である。しかし,時折の使用であっても,過剰摂取,自動車事故,暴力行動,および性的接触(例,妊娠,性感染症)などの重大な害悪を被るリスクが増える可能性がある。 (物質関連障害の概要も参照のこと。) 青年は様々な理由から物質を使用する:... さらに読む は,典型的には青年期に始まる。米国の青年の70%以上に高校卒業前の飲酒経験がある。大量飲酒がよくみられ,急性および慢性の健康上のリスクをもたらす。研究では,飲酒開始年齢が低い青年は,成人になってアルコール使用障害を発症する可能性が高いことが示されている。例えば,13歳から飲酒を始めた青年は,21歳から始めた青年に比べ,アルコール使用障害を発症する可能性が5倍高い。

米国の青年の約50%が喫煙を,40%超が電子タバコを,40%以上がマリファナを高校時代に試している。他の薬物の使用ははるかに少ないが,鎮痛薬および刺激薬などの処方薬の誤用が増加している。

親が良い見本となり(例,適度な飲酒を行う,違法薬物の使用を避ける),価値観を共有し,薬物に手を出さないよう強い期待を示すことにより,子どもに強くかつ好ましい影響を与えることができる。親はまた,処方薬は医師の指示通りにのみ使うべきであると子どもに教えるべきである。全ての青年について,物質使用のスクリーニング 青年期における薬物および物質の使用 青年の物質の使用は,散発的なものから重度の物質使用障害まで多岐にわたる。使用する物質の種類,使用状況,および使用頻度によって,影響は最小限から,軽微,または生命を脅かす場合まで様々である。しかし,時折の使用であっても,過剰摂取,自動車事故,暴力行動,および性的接触(例,妊娠,性感染症)などの重大な害悪を被るリスクが増える可能性がある。 (物質関連障害の概要も参照のこと。) 青年は様々な理由から物質を使用する:... さらに読む を内々に行うべきである。医師および医療従事者による介入は,非常に短期間であっても青年の物質使用を減少させると示されていることから,日常的な健康管理の一部として適切な助言を与えるべきである。

セクシュアリティ

身体的変化への適応に加え,青年は成人の役割になじむ必要があり,また非常に強くときに怖いほどの性衝動を大局的に捉えなければならない。

青年の中には性同一性 性,性別,および同一性 性別違和は,長期間持続する異性への強い同一化を特徴とし,不安,抑うつ,いらだちのほか,しばしば出生時に割り当てられた性とは異なる性別として生きたいという望みを伴う。性別違和を有する人は,しばしば自分のことを生物学的な事故の被害者と認識し,非情にも自身の主観的な性同一性と相容れない肉体に閉じ込められていると確信している。最も極端なタイプの性別違和は,性転換症と呼ばれることがある。... さらに読む の問題に苦しむ者もおり,自分の性的指向を友人または家族に明かすことを恐れることがある。同性愛の青年はセクシュアリティが発達するにつれて特有の問題に直面することがある。青年がもし同性愛的な欲求を示せば,家族または友人に避けられたり受け入れられないと感じることもある。そのような圧力は(特に,社会的受容が非常に重要な時期には),重度のストレスを引き起こす可能性がある。ときに現実となる,両親から見捨てられるという恐れによって,青年と親とのコミュニケーションから正直さが失われるか,または少なくとも十分なコミュニケーションがとれなくなる場合がある。このような青年は友人から馬鹿にされたりいじめられる可能性もある。身体的暴力をふるうという脅しは真剣に受け止め,学校関係者に報告すべきである。同性愛および異性愛の青年における情緒的発達は,医師,友人,および家族の支えが最も有用である。

人間が経験する要素において,セクシュアリティ 性行動の概要 性行動および性的態度に関する容認基準は,同一文化内および複数文化間で非常に多様である。医療従事者は,たとえ社会的な圧力があったとしても,決して性行動の是非を判断してはならない。一般に,何が「正常」で何が「異常」であるかは医学的に定義できることではない。しかしながら,性行動または性的問題が患者やそのパートナーに著しい苦痛を引き起こしている場... さらに読む ほど身体的,知的,情緒的側面を全面的に動員するものはほとんどない。生殖および性感染症に関する問題に正直に答えることにより,青年がセクシュアリティを健全な背景で捉えるよう支援することが極めて重要である。青年および親には,性およびセクシュアリティに対する自身の態度についてオープンに話し合うことを推奨すべきであり,親の意見は,依然として青年の行動を決定する重要な因子である。

患者さん向けの 同じトピックページ はこちら
家庭版で同じトピック をみる
よく一緒に読まれているトピック
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS

おすすめコンテンツ

医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP