Msd マニュアル

Please confirm that you are a health care professional

honeypot link

反ワクチン運動

執筆者:

Michael J. Smith

, MD, MSCE, Duke University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 5月
患者さん向けの 同じトピックページ はこちら

米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む ),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少なくとも1つのワクチンを拒否した小児では,ワクチンで予防可能な疾患の発生率が高くなる。具体的には,そのような小児は百日咳 百日咳 百日咳は,グラム陰性細菌である百日咳菌(Bordetella pertussis)を原因菌として主に小児および青年に発生する,感染性の強い疾患である。 まず非特異的な上気道感染症状が出現した後,通常は長い吸気性笛声(whoop)で終わる発作性ないし痙攣性の咳嗽(痙咳)がみられるようになる。診断は上咽頭培養,PCR,および血清学的検査による。治療はマクロライド系抗菌薬による。 百日咳は世界中で流行している。米国では3~5年のサイクルで流行... さらに読む に23倍(2 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む ),水痘 水痘 水痘は,通常は小児期にみられる急性の全身感染症であり,水痘帯状疱疹ウイルス(ヒトヘルペスウイルス3型)によって引き起こされる。通常は軽度の全身症状から始まり,その後すぐに斑状疹,丘疹,小水疱,および痂皮を特徴とする皮膚病変が群発して現れる。重度の神経系またはその他の全身性合併症(例,肺炎)のリスクのある患者は,成人,新生児,および易感染性患者,または特定の基礎疾患を有する患者などである。診断は臨床的に行う。重症合併症のリスクのある患者は... さらに読む 水痘 に8.6倍(3 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む ),肺炎球菌感染症 百日咳 百日咳は,グラム陰性細菌である百日咳菌(Bordetella pertussis)を原因菌として主に小児および青年に発生する,感染性の強い疾患である。 まず非特異的な上気道感染症状が出現した後,通常は長い吸気性笛声(whoop)で終わる発作性ないし痙攣性の咳嗽(痙咳)がみられるようになる。診断は上咽頭培養,PCR,および血清学的検査による。治療はマクロライド系抗菌薬による。 百日咳は世界中で流行している。米国では3~5年のサイクルで流行... さらに読む に6.5倍罹患しやすくなる(4 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む )。米国の小児では,依然としてワクチンで予防可能な疾患による死亡例がみられる。2008年には,ミネソタ州で侵襲性インフルエンザ菌b型感染症 Haemophilus属細菌による感染症 グラム陰性細菌であるHaemophilus属細菌は,菌血症,髄膜炎,肺炎,副鼻腔炎,中耳炎,蜂窩織炎,喉頭蓋炎など,数多くの軽度および重篤な感染症を引き起こす。診断は培養および血清型別検査による。治療は抗菌薬による。 多くのHaemophilus属細菌は上気道の常在菌叢の一部であり,疾患を引き起こすことはまれである。病原性株は飛沫の吸入または直接接触を介して上気道に侵入する。免疫のない集団では急速に拡大する。小児(特に男性,黒人,および... さらに読む が5例発生し(1例は死亡),1992年以来最多の数字となった(5 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む )。感染した小児のうち3名(死亡例1名を含む)は,親が予防接種を延期または拒否したため,ワクチンの接種を受けていなかった。

ワクチンの延期や拒否は公衆衛生にも影響する。集団全体に対してある疾患の免疫をもった個人の割合(集団免疫)が低下すると,その疾患の有病率が上昇する結果,リスクのある人々においてその疾患が発生する可能性が高まる。リスクは以下の理由で高まることがある:

  • 過去に予防接種を受けたものの,ワクチンによって免疫が誘導されなかった(例,麻疹ワクチンの1回目の接種には接種者の2~5%が反応しない)。

  • 時間の経過とともに免疫が減弱することがある(例,高齢者)。

  • 易感染性患者の一部は生ウイルスワクチン(例,麻疹・ムンプス(流行性耳下腺炎)・風疹混合ワクチン,水痘ワクチン)の接種を受けられないため,その対象疾患の予防は集団免疫に依存している。

多くの理由から,親は子どもに予防接種を受けさせることを躊躇する。過去10年間で親たちが顕著に示した懸念は次の2つである:

参考文献

  • 1.Seither R, Calhoun K, Street EJ, et al: Vaccination coverage for selected vaccines, exemption rates, and provisional enrollment among children in kindergarten–United States, 2016-17 school year.MMWR Morb Mortal Wkly Rep 66 (40):1073–1080, 2017.doi: 10.15585/mmwr.mm6640a3.

  • 2.Glanz JM, et al: Parental refusal of pertussis vaccination is associated with an increased risk of pertussis infection in children.Pediatrics 123 (6):1446-1451, 2009.

  • 3.Glanz JM, et al: Parental refusal of varicella vaccination and the associated risk of varicella infection in children.Arch Pediatr Adolesc Med 164 (1):66-70, 2010.

  • 4.Glanz JM, et al: Parental decline of pneumococcal vaccination and risk of pneumococcal related disease in children.Vaccine 29 (5):994-999, 2011.

  • 5.Invasive Haemophilus influenzae type B disease in five young children--Minnesota, 2008.MMWR Morb Mortal Wkly Rep 58 (3):58-60, 2009.

  • 6.Politi MC, Jones KM, Philpott SE: The role of patient engagement in addressing parents’ perceptions about immunizations.JAMA.Published online June 22, 2017.doi:10.1001/jama.2017.7168.

MMRワクチンと自閉症

1998年,Andrew WakefieldらがLancet誌で短報を発表した。その報告は発達障害と消化管症状がみられた小児12例に関するもので,うち9例には自閉症 自閉スペクトラム症 自閉スペクトラム症とは,社会的交流およびコミュニケーションの障害,反復常同的な行動様式,ならびにしばしば知的能力障害を伴う不均一な知的発達を特徴とする,神経発達障害の1つである。症状は小児期早期に始まる。患児の大部分においてその原因は不明であるが,エビデンスから遺伝的要素の存在が支持されており,また一部の患者では,何らかの内科的病態によって自閉症が引き起こされることもある。診断は発達歴および観察に基づく。治療は行動管理であり,ときに薬物... さらに読む も認められた。報告によると,12例中8例では,症状出現前1カ月以内に麻疹・ムンプス(流行性耳下腺炎)・風疹混合(MMR)ワクチンの接種を受けたと,それぞれの親が主張していた。Wakefieldは,MMRワクチンに含まれる麻疹ウイルスが腸管に移行し,そこで炎症を引き起こした結果,タンパク質が消化管から血流中へ移行し,さらに脳まで運ばれて自閉症を引き起こすという仮説を提唱した。この研究は世界中のメディアから大きな注目を集め,多くの親がMMRワクチンの安全性を疑うようになった。Wakefieldは別の研究で,自閉症の小児90名中75名の腸生検標本で麻疹ウイルスを認めたのに対し,対照患者70名では5名のみであったと主張し,この結果をもとに,MMRワクチンに含まれる生きた麻疹ウイルスが自閉症にいくらか関与したものと推測した。

Wakefieldの方法論は因果関係ではなく時間的関連性のみを示すものであったため,多くの研究者がMMRワクチンと自閉症が関連する可能性について研究を行った。GerberおよびOffitは,13以上の大規模疫学研究をレビューしたが,MMRワクチンと自閉症の関連を裏付ける研究は1つもなかった(1 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む )。それらの研究の多くでは,MMRワクチンの接種に関する全国的な傾向と自閉症の診断に関する全国的な傾向との間に直接的な関連は認められないことが示されていた。例えば,英国では1988~1999年の期間中,MMRワクチンの接種率は変化しなかったが,自閉症の発生率は上昇していた。

他の研究では,MMRワクチンの接種を受けた小児と受けなかった小児を対象として,個人レベルで自閉症のリスクが比較された。それらのうち,最も規模が大きく最も注目を集めたMadsenらによる研究では,1991~1998年に出生したオランダ人の小児537,303名が対象とされ,そのうち82%がMMRワクチンの接種を受けていた(2 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む )。考えられる交絡因子で調整した場合にも,接種者と非接種者の間で自閉症またはその他の自閉スペクトラム症の相対リスクに差は認められなかった。自閉症と自閉スペクトラム症を併せた発生率は,接種群で440,655例中608例(0.138%),非接種群で96,648例中130例(0.135%)であった。全世界から報告されたその他の集団ベース研究でも,同様の結論に達していた。

参考文献

  • 1.Gerber JS, Offit PA: Vaccines and autism: A tale of shifting hypotheses.Clin Infect Dis 48 (4):456-461, 2009.

  • 2.Madsen KM, et al: A population-based study of measles, mumps, and rubella vaccination and autism.N Engl J Med 347 (19):1477-1482, 2002.

  • 3.Hornig M, et al: Lack of association between measles virus vaccine and autism with enteropathy: A case-control study.PLoS ONE 3 (9):e3140, 2008.

  • 4.Eggertson L: Lancet retracts 12-year-old article linking autism to MMR vaccines.CMAJ 182 (4):E199-200.doi: 10.1503/cmaj.109-3179, 2010.

チメロサールと自閉症

チメロサールは,かつて複数回使用バイアルで供給される多くのワクチン製剤に防腐剤として使用されていた水銀化合物であるが,防腐剤は単回使用バイアルでは不要であり,また生ウイルスワクチンには使用できない。チメロサールはエチル水銀に代謝され,エチル水銀は速やかに排泄される。環境中のメチル水銀(体内に入ると速やかに排泄されない別の化合物)はヒトに対して毒性を示すことから,ワクチンに使用されるごく少量のチメロサールが小児の神経学的な問題,特に自閉症を引き起こすかもしれないという懸念があった。このような理論上の懸念のため,有害性のエビデンスを示した研究は一切なかったにもかかわらず,チメロサールは2001年までに米国,欧州,その他の数カ国でルーチンの小児ワクチンから排除された。ただし,これらの国々でも,特定のインフルエンザワクチンと他のいくつかの成人用ワクチンには,チメロサールが引き続き使用されている(Thimerosal Content in Some US Licensed Vaccinesを参照)。また,チメロサールは発展途上国で製造される多数のワクチンにも使用されているが,ルーチンの使用に起因した毒性に関する臨床的なエビデンスはないことから,世界保健機関(World Health Organization:WHO)はチメロサールの排除を勧告していない。

チメロサールが排除されてからも自閉症の発生率は上昇を続けていることから,ワクチン中のチメロサールは自閉症を引き起こさないことが強く示唆される。また,Vaccine Safety Datalink(VSD)による2つの独立した研究では,チメロサールと自閉症の間に関連はないと結論されている。3つのマネージドケア機関(managed care organization:MCO)の小児124,170名を対象としたVerstraetenらによるコホート研究では,チメロサールと自閉症またはその他の発達上の障害との間に関連は認められなかったが,チメロサールと特定の言語障害との間に一貫性のない関連が認められた(1つのMCOでは認められたが,別のMCOでは認められなかった)(1 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む )。小児1,000名(自閉スペクトラム症症例256例と自閉症のないマッチング対照752例)を対象としたPriceらによる症例対照研究では,回帰分析の結果,チメロサールへの曝露と自閉症との間に関連は認められなかった(2 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む )。

インフルエンザワクチンに含まれるチメロサールについて親が依然として懸念を抱いている場合は,チメロサールを含有しない単回使用バイアルの製剤を使用することで対処できる。

参考文献

  • 1.Verstraeten T, et al: Safety of thimerosal-containing vaccines: A two-phased study of computerized health maintenance organization databases.Pediatrics 112:1039-1048, 2003.

  • 2.Price CS, et al: Prenatal and infant exposure to thimerosal from vaccines and immunoglobulins and risk of autism.Pediatrics 126 (4):656-664, 2010.

複数のワクチンの同時接種

1990年代後期に実施された全国調査により,全ての親の4分の1近くが,自身の子どもは必要以上に予防接種を受けていると考えていたことが示された。それ以降も予防接種スケジュールに新たなワクチンが追加されたことで,現在では6歳までに15種類の感染症に対するワクチンをそれぞれ複数回接種するように推奨されている(Professional.see table 0~6歳を対象とする推奨予防接種スケジュール 0~6歳を対象とする推奨予防接種スケジュール 予防接種は,米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC),米国小児科学会(American Academy of Pediatrics),American Academy of Family Physicians,およびAmerican College of Obstetricians and Gynecologistsが推奨するスケジュールに従う(Profes... さらに読む )。注射および来院の回数を最小限に抑えるため,多くのワクチンが混合製剤として接種されている(例,ジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチン,麻疹・ムンプス(流行性耳下腺炎)・風疹混合ワクチン)。しかしながら,小児(特に乳児)の免疫系では複数の抗原を同時に提示しても処理できない可能性を懸念する親が増えてきている。このような懸念から,特定のワクチンを延期したり,ときには完全に排除したりする別の予防接種スケジュールを希望する親もみられるようになっている。最近の全国調査によると,13%の親がそのようなスケジュールを採用している。

代替スケジュールの採用はリスクを伴い,また科学的根拠もない。正式なスケジュールは,小児の感受性が最も高まる時期に各疾患を予防できるように設計されている。予防接種を延期すれば,そのような疾患に罹患するリスクのある期間が延長することになる。さらに,親は予防接種の延期のみを予定しているかもしれないが,代替スケジュールに必要な来院回数の増加によって遵守が困難となり,一連のワクチン接種を完了できないリスクがさらに増大する。免疫学的問題に関して,ワクチンに含まれている抗原の量および数は日常生活で遭遇するものと比べて極めて少ないことを親に知らせるべきである。また乳児の免疫系は,出生時でさえ,産道を通過する際や(無菌でない)母親が触れる際に乳児が曝される何百もの抗原に反応する準備が整っている。典型的には,小児は日常生活を通して数十からおそらくは数百の抗原に遭遇し,問題なく免疫学的に反応する。1つの微生物による典型的な感染では,その微生物の複数の抗原に対する免疫応答が刺激される(典型的な上気道感染症[URI]でおそらく4~10の抗原)。さらに,現在のワクチンは全体として含有する抗原の種類が少ないことから(すなわち,主要な抗原が適切に同定され,精製されているため),小児が曝されるワクチン抗原は,20世紀の大半にわたり接種されていたワクチンのそれより少なくなっている。

以上のように,代替スケジュールはエビデンスに基づくものではなく,小児における感染症のリスクを増大させる。さらに重要なことに,何の利点もない。VSDのデータを用いた研究で,SmithおよびWoodsは,全てのワクチンを予定通りに受けた小児とそれ以外の小児を対象として,神経発達の転帰を比較した(1 参考文献 米国では,厳格なワクチン安全性システムが整備されているにもかかわらず,依然として一部の親は小児ワクチンの安全性や予防接種スケジュールについて懸念を抱いている。そのような懸念から,推奨される予防接種の一部しか子どもに受けさせない親や,予防接種を全く受けさせない親もいる。米国では,2006年に1%であった予防接種免除率が2016~2017年には2%まで上昇し(1),6%の小児が免除を受けたと報告した州もあった。親が医学とは関係のない理由で少... さらに読む )。接種に遅延があった小児では,42項目の転帰の全てが良好ではなかった。この結果は,子どもがあまりに多くのワクチンをあまりに早く受けているのではないかと心配する親を安心させるはずである。

参考文献

  • 1.Smith MJ, Woods CR: On-time vaccine receipt in the first year does not adversely affect neuropsychological outcomes.Pediatrics 125 (6)1134-1141, 2010.

患者さん向けの 同じトピックページ はこちら
家庭版で同じトピック をみる
よく一緒に読まれているトピック
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS

おすすめコンテンツ

医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP