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睡眠の問題

執筆者:

Stephen Brian Sulkes

, MD, Golisano Children’s Hospital at Strong, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

最終査読/改訂年月 2013年 3月
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ほとんどの小児にとって,睡眠の問題は間欠的または一過性の現象であり,治療は必要ない場合が多い。

正常な睡眠

ほとんどの小児は,生後3カ月までには少なくとも5時間は連続して眠るようになるが,0歳の後半は夜更かしを経験し,これはしばしば疾病と関連している。成熟するにつれ,レム(急速眼球運動)睡眠が増加し,睡眠段階間の移行が複雑になる。ほとんどの人々では,夜間初期にはノンレム睡眠が優位となり,時間が進むにつれてレム睡眠が増加する。そのため,ノンレム睡眠の現象は夜間初期に集中し,レム睡眠関連の現象は後の方で起こる。真の睡眠(レム睡眠またはノンレム睡眠)関連の現象と覚醒行動との鑑別が治療方針の決定に役立つ可能性がある。

睡眠習慣には文化間で大きな相違があるため,親とともに寝る小児を親が問題視しているかどうかを明らかにすることが重要である。

悪夢

悪夢とは,レム睡眠中に起こる怖い夢である。悪夢を見た小児は完全に覚醒し,悪夢の詳細をまざまざと思い出すことができる。悪夢は非常に頻度が高い場合を除いて,心配する必要はない。悪夢はストレスがあると増加するが,恐怖を覚える映画またはテレビ番組を観た場合にも多くなる。悪夢が頻回に起こる場合,親は日記を付けることで原因を特定できるかどうかを確認できる。

夜驚症と睡眠時遊行症

夜驚症は,入眠後間もなく極度の不安を伴って不完全に覚醒するノンレム睡眠のエピソードであり,3~8歳で最もよくみられる。小児は叫び声を上げ,怖がる様子を示し,心拍数と呼吸数が上昇する。小児は親の存在に気づかない様子で,激しく転げ回ることもあり,なだめても反応しない。話をすることもあるが,質問には答えられない。通常は数分後に再び入眠する。悪夢とは異なり,小児はこれらのエピソードを思い出せない。その発生中,小児は叫び声を上げ,なだめても反応しないため,夜驚症は劇的な事象である。夜驚症患児の約3分の1には,睡眠時遊行症(眠っているように見えるが,ベッドから起き上がって歩き回る現象で,夢遊病とも呼ばれる)もみられる。5~12歳の小児の約15%が少なくとも1回は睡眠時遊行症を経験する。

夜驚症と睡眠時遊行症はほぼ常に自然に治まるが,数年間はときに再発がみられる。通常は治療の必要はないが,青年期または成人期にもち越して重度の場合は,治療が必要である。治療が必要な小児では,ときに夜驚症に鎮静薬または特定の抗うつ薬が有効なことがある。下肢の周期運動を伴う睡眠障害は,たとえ貧血がなくとも鉄補充にしばしば反応するというエビデンスがいくらかみられる。睡眠中の小児がいびきをかき,手足をばたばたつかせる場合は,閉塞性睡眠時無呼吸症候群の評価も考慮すべきである。

就寝に対する抵抗

小児(特に1~2歳)は分離不安のために就寝を嫌がることが多いが,より年長の小児では,自身の環境をより広くコントロールするための試みである場合がある。幼児はしばしば,ベッドで1人にされると泣き出したり,ベッドの柵をよじ登って親を探そうとしたりする。就寝を嫌がる理由としてもう1つ頻度が高いものは,睡眠開始時間の遅れである。通常と比べて夜遅くまで起き,遅く寝ることを許される日が続いた場合,体内時計の睡眠開始時間が遅く設定し直され,このような状況に至る。就寝時間を早めることは困難なことがあるが,一般用医薬品の抗ヒスタミン薬またはメラトニンによる短期間の治療が体内時計のリセットに役立つ可能性がある。

小児が就寝を嫌がる場合,児を落ち着かせようと親が寝室に長い間とどまったり,小児がベッドから出るのを許したりしても,助けにはならない。実際には,そのような対応は夜更かしを強化することになり,小児は入眠する際の状態を再現しようとするようになる。このような問題を回避するため,親は廊下の児が見える位置に静かに座って,児がベッドに入っていることを確認しなければならないこともある。そうすれば,いずれ1人で入眠する習慣が確立し,児はベッドから抜け出さないほうが懸命であることを学習する。また,親は近くにいても,お話や遊び相手はしてくれないことも学習する。最終的には,小児は落ち着いて入眠するようになる。小児が愛着をもっている物(ぬいぐるみなど)を与えることも,しばしば助けになる。小さな常夜灯,ホワイトノイズ,またはその両方も落ち着かせる。

親と身体的に接触しながら入眠することに慣れている小児の場合には,異なる就寝習慣を確立する第1段階は,全身の接触から手の接触,児のベッドの側に親が座るというように,徐々に接触の程度を減らすことである。親がベッドの側にいれば入眠するようになったら,親が部屋を離れる時間を増やしていく。

夜間覚醒

誰もが一晩に何回かは覚醒するものである。それでも,ほとんどの人は特に対応なく再び入眠するのが通常である。転居,疾病,その他のストレスの強い出来事の後には,小児は反復する夜間覚醒をしばしば経験する。睡眠の問題は,小児が午後遅く長い昼寝をした場合や,就寝前の遊びによる過度の刺激を受けた場合に悪化することがある。

夜間覚醒のために親との添い寝を許可すると,この行動が強化される。また,夜間に一緒に遊ぶ,夜間に食物を与える,叩く,叱るなども逆効果である。通常は,単純に安心させてベッドに戻らせることが,より効果的である。短いお話を読み聞かせる,お気に入りの人形や毛布を与える,小さな常夜灯をつける(3歳以上の場合)などの就寝習慣が,しばしば助けになる。覚醒を防ぐためには,小児が夜間に覚醒したときの状況が入眠するときの状況と同じであることが重要である。親および他の養育者は,小児が期待されていることを学習できるように,何らかの習慣を毎晩行うように努めるべきである。身体的に健康な小児の場合は,数分間泣かせておくと自然に落ち着くことが多くなり,夜間覚醒が減っていく。しかしながら,啼泣を長時間放置することは,親の方が密接な接触という習慣に戻る必要があるように感じる可能性があるため,逆効果である。児をベッドにとどまらせ,優しく安心させることが通常は効果的である。

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