ほとんどの骨軟骨異形成症で基礎にある遺伝子異常が同定されている。その変異により,典型的には結合組織,骨,または軟骨の成長および発達に関与するタンパクの機能に乱れが生じる( 骨軟骨異形成性の低身長症の種類)。
低身長症は,体幹と四肢の不均衡な成長と関連することが多い,著しく低い身長(成人で身長約147cm未満)のことである。軟骨無形成症は四肢短縮型低身長症の中で最も一般的で最もよく知られた病型であるが,他にも多くの明確に異なる病型があり,これらは遺伝的背景,経過,および予後に大きな相違がある( 骨軟骨異形成性の低身長症の種類)。致死性四肢短縮型低身長症(軟骨無形成症と同一の遺伝子の変異によって引き起こされる致死性骨異形成)は,新生児に重度の胸壁変形および呼吸不全を引き起こし,結果的に死をもたらす。
骨軟骨異形成性の低身長症の種類
診断
治療
軟骨無形成症では,ヒト成長ホルモンによる治療は通常効果的ではない。外科的な脚延長により成人身長の増加が得られる可能性がある。本症および他の非致死的骨軟骨異形成症では,手術(例,人工股関節置換術)が関節機能の改善に有用となる可能性がある。歯突起の低形成により,第1および第2頸椎の亜脱臼ならびに脊髄の圧迫が起こりやすくなっていることがある。したがって手術前に歯突起の評価を行うべきであり,異常である場合,麻酔中の気管挿管のために患者の頭部を過伸展させる際には頭部を注意深く支持すべきである。
ほとんどの病型における遺伝形式および遺伝子変異が判明しているため,遺伝カウンセリングが効果的なことがある。Little People of Americaなどの機関によって,患者へのリソースの提供および患者の代弁者としての活動が行われている。他の国々においても同様の団体が活動している。