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弾性線維性仮性黄色腫

執筆者:

Frank Pessler

, MD, PhD, Helmholtz Centre for Infection Research

レビュー/改訂 2020年 10月
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弾性線維性仮性黄色腫は,皮膚,網膜,および心血管系の弾性線維の石灰化を特徴とするまれな遺伝性疾患である。診断は臨床的に行う。特異的な治療法はないが,色素線条に対して,血管新生を阻害する抗体の硝子体内注射を行うことがある。

弾性線維性仮性黄色腫は, 常染色体優性 常染色体優性 単一の遺伝子によって規定される遺伝性疾患(メンデル遺伝病)は,最も解析が容易で,最も詳細に解明されている。形質の発現に1コピーの遺伝子(1つのアレル)のみを必要とする場合,その形質は優性とみなされる。形質の発現に2コピーの遺伝子(2つのアレル)を必要とする場合,その形質は劣性とみなされる。例外の1つはX連鎖疾患である。男性では通常,X染色体のほとんどのアレルに対して影響を相殺する対のアレルが存在しないため,X染色体のアレルは形質が劣性で... さらに読む 常染色体劣性 常染色体劣性 単一の遺伝子によって規定される遺伝性疾患(メンデル遺伝病)は,最も解析が容易で,最も詳細に解明されている。形質の発現に1コピーの遺伝子(1つのアレル)のみを必要とする場合,その形質は優性とみなされる。形質の発現に2コピーの遺伝子(2つのアレル)を必要とする場合,その形質は劣性とみなされる。例外の1つはX連鎖疾患である。男性では通常,X染色体のほとんどのアレルに対して影響を相殺する対のアレルが存在しないため,X染色体のアレルは形質が劣性で... さらに読む の両方の形式で遺伝するABCC6遺伝子の突然変異により起こる。ABCC6遺伝子産物は膜貫通型の輸送体タンパク質であり,これはおそらく細胞の解毒に寄与している。特徴的な皮膚の丘疹状病変が小児期に始まり,主要な美容上の懸念となる。黄色がかった小さな丘疹として現れ,典型的には頸部,腋窩,屈側面に生じる。弾性組織が石灰化して断片化し,侵された器官系の破壊につながる:

  • 眼系:網膜色素線条症,網膜出血,および緩徐な視力障害

  • 心血管系:後続する間欠性跛行,高血圧,狭心症,および心筋梗塞を伴う早発性動脈硬化症

  • 血管脆弱性:消化管出血や小血管からの出血により貧血を呈する

診断

  • 臨床的評価

弾性線維性仮性黄色腫の診断は臨床所見および組織学的所見に基づく。

合併症について臨床検査および画像検査を行う(例,血算,心エコー検査,頭部CT)。

治療

  • 色素線条に対して,血管新生を阻害する抗体

血管新生を阻害する抗体(例,ベバシズマブ)の硝子体内注射による網膜色素線条症の治療が有望である。

その他に特異的な治療法はなく,合併症の予防を目的とする。アスピリン,その他の非ステロイド系抗炎症薬,および抗凝固薬など,胃または腸管の出血を引き起こす可能性のある薬剤は避けるべきである。早発性動脈硬化および関連する血管合併症のリスクを低減するため, 血中脂質濃度を十分にコントロールすべき LDLコレステロール高値の治療 脂質異常症とは,血漿コレステロール,トリグリセリド(TG)値,もしくはその両方が高値であること,またはHDLコレステロールが低値であることであり, 動脈硬化発生に寄与する。原因には原発性(遺伝性)と二次性とがある。診断は,総コレステロール,TG,および各リポタンパク質の血漿中濃度測定による。治療は食習慣の変更,運動,および脂質低下薬である。 ( 脂質代謝の概要も参照のこと。)... さらに読む LDLコレステロール高値の治療 である。弾性線維性仮性黄色腫の患者は,眼球を損傷するリスクがあるため,コンタクトスポーツを避けるべきである。

合併症により寿命が制限される可能性がある。

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