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バルトリン腺嚢胞

(バルトリン腺嚢胞)

執筆者:

S. Gene McNeeley

, MD, Michigan State University, College of Osteopathic Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 3月
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バルトリン腺嚢胞は粘液が貯留した嚢胞であり,腟開口部のいずれかの側に生じる。バルトリン腺嚢胞は最も頻度の高い大型の外陰嚢胞である。大型の嚢胞による症状としては,外陰の刺激症状,性交痛,歩行時の疼痛,外陰の左右非対称性などがある。バルトリン腺嚢胞は膿瘍(痛みがあり通常は赤色)を形成することがある。診断は身体診察による。大型の嚢胞および膿瘍には排膿とときに切除が必要である;膿瘍には抗菌薬が必要である。

バルトリン腺は丸くて非常に小さく,触知不能であり,腟口の後側方深部に位置する。バルトリン管の閉塞により,粘液で腺が増大し,結果的に嚢胞となる。閉塞の原因は通常不明である。まれに,嚢胞が性感染症(例,淋菌感染症)により起こる。

嚢胞は約2%の女性に,通常20代で生じる。加齢とともに嚢胞が発生する可能性は低下する。

嚢胞が感染を起こし,膿瘍を形成することがある。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)がこのような感染(および他の外陰感染)でより一般的になっている。

まれにバルトリン腺由来の外陰癌が発生する。

症状と徴候

大部分のバルトリン腺嚢胞は無症状であるが,大型の嚢胞は刺激性となり,性交や歩行を妨げる場合がある。ほとんどの嚢胞は圧痛がなく,片側性で,腟口近くに触知可能である。嚢胞により罹患大陰唇は膨らみ,外陰は左右非対称となる。

膿瘍により重度の外陰痛やときに発熱が生じる;圧痛があり,典型的には発赤を認める。帯下を認めることがある。性感染症を伴うことがある。

診断

  • 臨床的評価

バルトリン腺嚢胞の診断は通常,身体診察による。分泌物の検体(存在する場合)に対し,性感染症の検査を行うことがある。膿瘍の液体は培養を行うべきである。

40歳以上の女性では,外陰癌を除外するために生検を行う必要がある。

治療

  • 症状を引き起こしている嚢胞および40歳以上の女性では全ての嚢胞に対して手術を行う。

40歳未満の女性では,無症状の嚢胞については治療を必要としない。軽度の症状は坐浴を用いることで解消することがある。そうでなければ,症状性の嚢胞には手術が必要なことがある。膿瘍もまた手術が必要である。嚢胞は単純な排膿後にしばしば再発するため,手術では管から外部までの永久的な開口形成を目標とする。通常,以下のいずれかが行われる:

  • カテーテル挿入:小さなバルーンカテーテルを嚢胞に挿入し,膨らませ,4~6週間嚢胞内に留置する;この処置により線維形成が促進され,永久的な開口が形成される。

  • 造袋術:嚢胞の端を反転させ外部に縫合する。

再発性嚢胞では切除を必要とする場合がある。

40歳以上の女性では,新たに発生した嚢胞を外科的に検索し,生検(外陰癌を除外するために)または切除する必要がある。何年にわたり存在していて,外観に変化のみられない嚢胞には,症状を伴わない限り,生検も外科的切除も不要である。

膿瘍はまた,MRSAを対象とする経口抗菌薬レジメン(例,トリメトプリム160mg/スルファメトキサゾール800mg,1日2回またはアモキシシリン/クラブラン酸875mg,経口,1日2回,1週間) + クリンダマイシン(300mg,経口,1日4回,1週間)で治療する。

要点

  • 大部分のバルトリン腺嚢胞で腺閉塞の原因は不明である;まれに嚢胞が性感染症により生じることがある。

  • 嚢胞は感染することがあり(しばしばMRSAによる),膿瘍を形成する。

  • 40歳以上の女性では,外陰癌を除外するために新たに発生した嚢胞の生検を行うか,それらの嚢胞を切除する。

  • 嚢胞が症状を引き起こしている場合は,外科的に治療(例,カテーテル挿入,造袋術,および/または切除による)する。

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