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骨盤内腫瘤

執筆者:

David H. Barad

, MD, MS, Center for Human Reproduction

最終査読/改訂年月 2016年 11月
本ページのリソース

骨盤内腫瘤がルーチンの婦人科診察で見つかることがある。

病因

骨盤内腫瘤は,婦人科臓器(子宮頸部,子宮,子宮付属器)または他の骨盤内臓器(小腸,膀胱,尿管,骨格筋,骨)に起因する可能性がある。

腫瘤の種類は年齢層によって異なる傾向にある。

乳児では生後数カ月の間,子宮内での母体由来ホルモンが付属器嚢胞の発生を刺激することがある。この作用はまれである。

思春期では排出経路の閉塞により月経血が貯留して腟腫瘤を形成することがある(腟留血症)。原因は通常,処女膜閉鎖症である;その他の原因として子宮,子宮頸部,または腟の先天奇形がある。

妊娠可能年齢の女性では,対称性の子宮増大の最も一般的な原因は妊娠であり,本人が気づいていない場合がある。他の一般的な原因として筋腫があり,これは外方へ突出することがある。よくみられる付属器腫瘤には,正常に成熟したが排卵しないグラーフ卵胞(通常5~8cm)がある(機能性卵巣嚢胞と呼ばれる)。このような嚢胞は数カ月以内に自然に消退することが多い。付属器腫瘤は,異所性妊娠卵巣癌卵管癌,良性腫瘍(例,良性嚢胞性奇形腫),または卵管留水腫が原因である場合もある。子宮内膜症では,骨盤内のあらゆる部位(通常卵巣)に,1個または複数の腫瘤が生じることがある。

閉経後女性では,腫瘤が癌性である可能性が高い。多くの良性卵巣腫瘤(例,子宮内膜症性嚢胞[endometrioma],筋腫)は卵巣ホルモン分泌に依存するため,閉経後にはあまりみられなくなる。

評価

病歴

一般的な病歴および完全な婦人科歴を得る。所見から原因が示唆されることがある:

  • 性器出血および骨盤痛:異所性妊娠またはまれに妊娠性絨毛性疾患

  • 月経困難症:子宮内膜症または子宮筋腫

  • 女児における早発思春期:卵巣の男性化腫瘍または女性化腫瘍

  • 女性における男性化:卵巣の男性化腫瘍

  • Menometrorrhagiaまたは閉経後出血:卵巣の女性化腫瘍

診察

全身状態の観察では,婦人科以外の疾患(例,消化管疾患,内分泌疾患)の徴候および腹水がないかを調べるべきである。一通りの婦人科診察を行う。

子宮腫瘤を付属器腫瘤と鑑別するのは困難なことがある。子宮内膜症性嚢胞は通常,付属器腫瘤である。進行した子宮内膜症は,可動性のないダグラス窩腫瘤として顕在化する可能性がある。付属器癌,良性腫瘍(例,良性嚢胞性奇形腫)および異所性妊娠による付属器腫瘤はしばしば可動性である。卵管留水腫は通常波動性で,圧痛があり,可動性がなく,ときに両側性である。

女児では,骨盤内臓器の腫瘤が腹部から触知できる場合があるが,これは,大きな腫瘤に対して骨盤が小さすぎるためである。

検査

腫瘤の存在や由来(婦人科的 vs 婦人科以外)が臨床的に確定できない場合は,画像検査により通常確定できる。通常,まず骨盤内超音波検査を施行する。腫瘤の大きさ,位置,硬さが明確に捉えられない場合は,別の画像検査(例,CT,MRI)を用いるとよい。X線上の癌の特徴(例,充実性成分,表面の突出物,不整形)を認める卵巣腫瘤については,穿刺吸引または生検が必要となる。特定の腫瘍の診断に腫瘍マーカーが役立つことがある。

妊娠可能年齢の女性には妊娠検査を行う;結果が陽性でも,異所性妊娠が疑われる場合を除き,超音波検査やその他の画像検査は必ずしも必要ではない。妊娠可能年齢の女性における,単発性で嚢胞壁の薄い5~8cm大の嚢胞性付属器腫瘤(通常はグラーフ卵胞嚢胞)は,3回の月経周期を超えて持続するものや中等度から重度の疼痛を伴うものでない限り,さらに検査を行う必要はない。

要点

  • 骨盤腫瘤の種類は年齢層によって異なる傾向にある。

  • 妊娠可能年齢の女性では,対称性の子宮増大の最も一般的な原因は妊娠であるが,それ以外で頻度の高い骨盤腫瘤の原因は筋腫と機能性卵巣嚢胞である。

  • 閉経後女性では,腫瘤が癌性である可能性が高い。

  • 妊娠可能年齢の女性では,妊娠検査を行う。

  • 臨床的評価で結論が出ない場合は,画像検査を行う;通常はまず骨盤内超音波検査を施行する。

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