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妊娠中に外科手術を要する疾患

執筆者:

Lara A. Friel

, MD, PhD, University of Texas Health Medical School at Houston, McGovern Medical School

最終査読/改訂年月 2020年 4月

手術治療を行う疾患の中には,妊娠中の診断が困難なものがある。強く疑ってかかる必要がある;腹部症状が全て妊娠に関連したものであると判断するのは誤りである。

大手術(特に腹腔内)により切迫早産および胎児死亡のリスクが増大する。しかしながら,適切な支持療法および麻酔(血圧と酸素飽和度を正常レベルに維持しながら)が行われれば,妊婦および胎児は十分手術に耐えられるため,医師は手術に対し消極的になるべきではない;外科的緊急事態の治療を遅らせる方がはるかに危険である。

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  • 適切な支持療法および麻酔が行われれば,妊婦と胎児は十分手術に耐えられる;手術を行うことよりも,外科的緊急事態の治療を遅らせる方がはるかに危険である。

虫垂炎

虫垂炎は妊娠中に起こりうるが,出産直後の方が多い。妊娠の進行に伴って虫垂が腹部を上昇していくため,疼痛および圧痛が右下腹部の古典的位置で起こらないことがあり,さらに疼痛が軽度で,妊娠関連症状に類似する場合がある。また,妊娠中の白血球数は正常でもある程度上昇するため,白血球数測定の有用性は通常よりさらに低くなる。一連の臨床的評価および段階的圧迫を併用した超音波検査が有用である。

診断がしばしば遅れるため,虫垂破裂による死亡率は,妊娠中,また特に分娩後に上昇する。したがって,虫垂炎が疑われる場合は,直ちに外科的評価(妊娠の段階に応じて腹腔鏡下または開腹下)を行うべきである。

良性卵巣嚢胞

良性卵巣嚢胞は妊娠中によくみられる。妊娠の初めの14~16週の間に生じる嚢胞は黄体嚢胞であることが多く,自然に消失する。付属器の捻転が起こりうる。付属器の捻転が解消しない場合は,付属器のねじれを戻す,または切除するための外科的治療が必要となることがある。妊娠12週以降になると卵巣は子宮とともに骨盤から出て上昇するため,嚢胞の触診は難しくなる。

卵巣腫瘤は,初めに超音波検査により評価する。確定的な評価(例,切除)は以下のいずれかが起こらなければ,可能であれば14週以降まで延期する:

  • 嚢胞が持続的に増大する。

  • 嚢胞に圧痛を認める。

  • 嚢胞がX線上の癌の特徴(例,充実性成分,表面の突出物,6cmを超える,不整形)を有する。

胆嚢疾患

胆嚢疾患はときに妊娠中に生じる。可能であれば,治療は待機的に行う;改善しない場合は手術が必要となる。

腸閉塞

妊娠中,腸閉塞は腹膜炎を伴う腸管の壊疽,および母体または胎児の罹病あるいは死亡を起こしうる。危険因子(例,腹部手術の既往,腹腔内感染症)を有する妊婦に腸閉塞の症候がみられる場合は,迅速な試験開腹の適応となる。

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