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子宮頸管無力症

執筆者:

Antonette T. Dulay

, MD, Main Line Health System

最終査読/改訂年月 2014年 1月
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子宮頸管無力症(子宮頸管不全症)は,痛みを伴わず生じる子宮頸管の開大であり,その結果,生存している胎児の第2トリメスターでの娩出に至る。第2トリメスターでの経腟超音波による頸管の観察がリスク評価に有用な可能性がある。治療として縫合材による子宮口の補強(頸管縫縮)または腟内プロゲステロンの使用がある。

子宮頸管無力症とは,頸管組織の脆弱性が推定されている状態であり,その脆弱性が,他の異常では説明できない早産に寄与するか,または早産の原因となるものを指す。推定頻度には大きな幅がある(1/100~1/2000)。

病因

原因はよくわかっていないが,構造的異常および生化学的要因(例,炎症,感染)が複合的に関与しているようである;これらの要因は後天性または遺伝性の場合がある。

危険因子

子宮頸管無力症を有する大部分の女性では特定の危険因子はみられない;しかしながら以下の危険因子が同定されている:

  • コラーゲン合成の先天性疾患(例,エーラス-ダンロス症候群)

  • 円錐切除生検の既往(特に頸部を1.7~2.0cm以上除去されている場合)

  • 深い頸管裂傷の既往(通常,経腟分娩または帝王切開に続発する)

  • 器具による過度または急速な頸管拡張の既往(現在ではまれ)

  • ミュラー管欠損(例,双角子宮または中隔子宮)

  • 第2トリメスターでの3回以上の胎児死亡

再発

子宮頸管無力症による胎児死亡の全体的な再発リスクはおそらく30%以下であり,固定した構造的異常がどの程度原因になっているかという疑問につながる。リスクは,過去に第2トリメスターで3回以上の胎児死亡があった妊婦において最も高い。

症状と徴候

子宮頸管無力症は早産が起こるまで症状を伴わないことが多い。一部の女性では腟の圧迫感,性器出血または少量の性器出血,非特異的な腹痛または腰痛,帯下などの初期症状を呈する。子宮頸部は柔らかく,展退,または開大していることがある。

診断

  • 症状または危険因子を有する女性では,16週以降に経腟超音波検査

通常,子宮頸管無力症は初めて早産が起こるまで同定されない。

危険因子または特徴的な症状や徴候を有する女性で本症を疑う。その場合,経腟超音波検査を行う。結果は妊娠16週以降で最も正確である。診断を示唆する超音波検査所見には,2.5cm未満に短縮した頸部,頸管開大,および頸管への卵膜の突出がある。

症状または危険因子がない女性の超音波検査は,結果によって早産が正確に予測されないため推奨されない。

治療

  • 頸管縫縮術

  • 腟内プロゲステロン

頸管縫縮術(非吸収性縫合材料による子宮口の補強)は病歴のみ(病歴による縫縮の適応),または超音波検査所見および病歴(超音波検査による縫縮の適応)に基づき適応となることがある。縫縮術により,第2トリメスターで3回以上の胎児死亡があった患者における早産が防げるようである。それ以外の場合は,この手技はおそらく子宮頸管無力症を強く示唆する病歴があり,妊娠22~24週以前に頸部の短縮が超音波検査によって検出された患者にのみ行うべきである;縫縮術をこのような患者に限定することで,早産のリスクは増大していないようであり,現在の縫縮術施行数は3分の2ほど減少している。最近のエビデンスでは,縫縮術は原因不明の早産の既往があり,頸管長が2.0cm未満の女性で早産の予防に役立つことが示唆されている。

腟内プロゲステロン(200mg,毎夕)により,一部の女性で早産のリスクが減少しうる。特発性の早産の既往または現在の妊娠での頸部短縮(超音波検査で検出)がみられ,特に縫縮術の基準を満たさない女性で使用できる。縫縮術での治療を受けた女性において,腟内プロゲステロンによりさらにリスクが減少するかは不明である。

22~23週以降に切迫早産が疑われる場合は,コルチコステロイド投与(胎児の肺成熟を促進するため)および安静の適応となることがある。

要点

  • 通常,子宮頸管無力症のリスクは早産が初めて起こるまで予測できない。

  • 危険因子または症状を有する場合,16週以降に経腟超音波検査を施行する。

  • リスクのある女性に対しては,頸管縫縮術または腟内プロゲステロンで治療を行う。

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