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コーガン症候群

(コーガン症候群)

執筆者:

Melvin I. Roat

, MD, FACS, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

レビュー/改訂 2020年 5月
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コーガン症候群はまれな自己免疫疾患で,眼および内耳を侵す。

コーガン症候群の症状と徴候

主症状は,眼科系が38%,前庭聴覚系が46%,その両方が15%である。5カ月までに患者の75%に眼症状および前庭聴覚症状が両方現れる。非特異的な全身愁訴には,発熱,頭痛,関節痛,および筋肉痛などがある。

眼病変は,以下のものがいくつか複合したものである:

前庭聴覚

前庭聴覚の症状としては,感音難聴,耳鳴,回転性めまいなどがある。

血管系

大動脈炎が重度であれば,拡張期心雑音を認めることがある。肢の血管が侵されれば跛行がみられることもある。

コーガン症候群の診断

  • 臨床的評価

診断は,臨床所見および適切な血清学的検査によって角膜実質炎のその他の原因(例,梅毒,ライム病,エプスタイン-バーウイルス感染症)を除外することに基づく。コーガン症候群の患者では,内耳抗原に対する抗体,抗Hsp70抗体(感音難聴を合併),および抗好中球細胞質抗体(血管炎を合併)が認められている。コーガン症候群が疑われる場合,眼科医および耳鼻咽喉科医による緊急評価が適応となる。

コーガン症候群の治療

  • 眼病変に対し,コルチコステロイドを初期に局所投与,またときに全身投与

無治療では,角膜瘢痕化および視力障害を来し,60~80%の患者で永久的な 難聴 難聴 全世界で約5億人(世界人口の約8%)が難聴を有する( 1)。米国では,10%以上の人に日常のコミュニケーションを損なうある程度の難聴があり,難聴は最も一般的な感覚器障害である。新生児の約800~1000人に1人には,出生時に高度から重度の難聴がある。その2~3倍で,それより軽度の難聴が出生時にみられる。小児期には,さらに1000人に2~3... さらに読む 難聴 を生じる可能性がある。角膜炎(および角膜病変の症状), 上強膜炎 上強膜炎 上強膜炎は,再発性で,通常は特発性の自然に治癒する上強膜組織の炎症であり,視力を脅かすことはない。症状は,眼球の限局性の充血,刺激症状,および流涙である。診断は臨床的に行う。治療は対症療法である。 上強膜は結膜と強膜の間の血管に富む薄い組織である。 上強膜炎は若年成人に起こり,より女性に多い。通常は特発性である;結合組織疾患およびまれに重篤な全身性疾患に伴うこともある(約15%の患者にみられる)。(... さらに読む 上強膜炎 ,および 前部ぶどう膜炎 ぶどう膜炎の概要 ぶどう膜炎はぶどう膜(虹彩,毛様体,および脈絡膜)の炎症と定義される。しかしながら,網膜と前房内の房水,硝子体液もしばしば障害を受ける。約半数は特発性である;同定可能な原因には,外傷,感染症,および全身性疾患などがあり,そのうち多くは自己免疫性である。症状としては,視力低下,眼痛,充血,羞明,飛蚊症などがある。ぶどう膜炎は臨床的に同定可能... さらに読む ぶどう膜炎の概要 は,通常1%酢酸プレドニゾロンを1時間毎に最大1日4回,2~3週間外用することにより治療できる。より深部の眼炎症を治療する際や,また,特に永久化する前に前庭聴覚症状を治療する際には,プレドニゾン1mg/kgの1日1回経口投与をできる限り早く開始し,2~6カ月間継続する。医師によっては,難治例に対してシクロホスファミド,メトトレキサート,シクロスポリン,またはインフリキシマブを追加する。

コーガン症候群の要点

  • コーガン症候群は主に眼および前庭聴覚系を侵すまれな自己免疫症候群である。

  • ときに,生命を脅かす大動脈炎が発生する。

  • 治療しなければ,視力障害および聴力障害が永久に残る可能性がある。

  • 眼科医および耳鼻咽喉科医による緊急評価が適応となる。

  • 治療は一般にコルチコステロイド(外用および全身投与)による。

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