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中毒性弱視

(栄養性弱視)

執筆者:

James Garrity

, MD, Mayo Clinic College of Medicine

最終査読/改訂年月 2016年 4月

中毒性弱視とは,視神経の眼窩部分(乳頭黄斑線維束)における中毒反応によって生じると考えられている視力低下である。様々な有毒物質,または栄養的な因子によって起こる可能性があり,おそらくまだ知られていない要因もありうる。主な症状は無痛性の視力障害である。診断は病歴聴取および視野検査による。治療は,疑いのある有毒物質の回避および栄養の改善である。

病因

中毒性弱視は通常両側性かつ対称性である。低栄養およびビタミン欠乏症(例,B1もしくはB12または葉酸)が原因となる可能性があり,特にアルコール依存症で多い。純粋にタバコによって誘発される弱視はまれである。鉛,メタノール,クロラムフェニコール,ジゴキシン,エタンブトール,およびその他多くの化学物質が視神経を障害しうる。タンパクおよび抗酸化物質の欠乏が危険因子である可能性が高い。中毒性弱視は,Strachan症候群(多発神経障害ならびに口腔内および生殖器の皮膚炎)など,その他の栄養障害に伴って起こることもある。

症状と徴候

中毒性弱視の患者では典型的に,眼のかすみ(霧視)およびぼやけが数日から数週間かけて発生する。最初は小さかった中心暗点または傍中心暗点が徐々に拡大し,典型的には固視点および盲点の両方(盲点中心暗点)を侵し,進行性に視力を障害する。メタノール摂取では全盲となることがあるが,その他の栄養上の原因では典型的には重大な視力障害を起こさない。通常,網膜に異常は起こらないが,後期に乳頭耳側の蒼白化がみられることがある。

診断

  • 主に臨床的評価

低栄養,または有毒物質もしくは化学物質への曝露の病歴に加え,視野検査における典型的な両側性の暗点がみられることが治療の根拠となる。鉛,メタノール,疑いのある栄養欠乏,およびその他疑いのある毒素について臨床検査を行う。

予後

原因が速やかに治療または除去されれば,低下した視力が改善することがある。一旦視神経が萎縮すると,視力は通常回復しない。

治療

  • 中毒性弱視の原因の治療

  • ロービジョン補助具

中毒物質を除去する。有毒物質への曝露を直ちに中止すべきである。アルコールおよびその他の原因となる可能性のある化学物質または薬物を回避すべきである。鉛中毒ではキレート療法が適応となる。メタノール中毒には,透析,ホメピゾール,エタノール,またはこれらの組合せが用いられる。低栄養が原因と推定される例では,視力障害が重度になる前にビタミンBおよび/または葉酸を経口または非経腸(parenteral)投与する治療により,状態が回復する場合がある。

ロービジョン補助具(例,虫眼鏡,拡大読書器,音声付き腕時計)が役立つ可能性がある。

抗酸化物質の役割はまだ十分に解明されていない。抗酸化物質の使用は理論的には正当化されうるが,効力を示す証拠はなく,このような栄養補助食品を投与すべきリスク集団も定義されていない。

要点

  • 中毒性弱視とは,薬物もしくは毒素または栄養欠乏により引き起こされることが最も多い視力低下であり,特にアルコール依存症患者で多い。

  • 視力障害は通常緩徐に起こり部分的である。

  • 診断は主に臨床的に行う(例,両側性暗点,示唆する病歴)。

  • 原因を治療する(例,薬物または毒素への曝露の中止,栄養の改善)。

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