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網膜色素変性

執筆者:

Sonia Mehta

, MD, Vitreoretinal Diseases and Surgery Service, Wills Eye Hospital, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2017年 1月
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網膜色素変性は,徐々に進行する両眼性の網膜および網膜色素上皮の変性であり,その原因は様々な遺伝子変異である。症状としては,夜盲症や周辺視力障害がある。診断は,赤道部網膜における骨小体状の色素沈着,網膜細動脈の狭小化,視神経乳頭の蝋様蒼白化,後嚢下白内障,および硝子体内の細胞などの眼底検査所見による。網膜電図検査が診断確定に役立つ。レチノールパルミチン酸エステル,ω-3脂肪酸,およびルテイン+ゼアキサンチンが視力障害の進行遅延に有用な場合がある。

網膜タンパクをコードする遺伝子の異常が網膜色素変性の原因と考えられる;いくつかの遺伝子が同定されている。遺伝形式は常染色体劣性の場合も,常染色体優性の場合もあり,まれにX連鎖性の場合もある。症候群(例,Bassen-Kornzweig症候群,ローレンス-ムーン症候群)の一部として起こることがある。これらの症候群の1つとして,先天性難聴も含まれる(Usher症候群)。

症状と徴候

網膜の杆体が侵されて夜間視力の障害が引き起こされ,症状が現れる年齢は様々で,ときに幼児期に発症する。夜間視力は最終的に失われる場合がある。周辺部の輪状暗点(視野検査で検出される)が徐々に広がり,進行例では中心視力も侵されることがある。

中間周辺部網膜における骨小体状の色素沈着過剰が最も顕著な眼底検査所見である。その他の所見としては以下のものがある:

  • 網膜細動脈の狭小化

  • 嚢胞様黄斑浮腫

  • 黄蝋色の外観を呈する乳頭

  • 後嚢下白内障

  • 硝子体内の細胞(あまり一般的ではない)

  • 近視

診断

  • 眼底検査

  • 網膜電図検査

本疾患の診断は,夜間視力の低下または家族歴のある患者で疑う。診断は眼底検査により行うが,通常は網膜電図検査で補完する。網膜色素変性に類似しうる他の網膜症を除外すべきである:そのような網膜症として,梅毒,風疹,フェノチアジン系薬剤またはクロロキンの毒性,および眼以外の癌に伴う網膜症などがある。

遺伝形式を確定するために必要または望ましい場合は,家系員の診察および検査を行うべきである。遺伝性症候群がある患者は,児をもうける前に遺伝カウンセリングを希望する場合がある。

治療

  • レチノールパルミチン酸エステル

  • ω-3脂肪酸

  • ルテイン+ゼアキサンチン

  • 嚢胞様黄斑浮腫に対する炭酸脱水素酵素阻害薬

  • 眼内へのコンピュータチップ埋込み

網膜色素変性による障害を回復させる方法はないが,一部の患者で,レチノールパルミチン酸エステル15,000IU/日の1日1回経口投与が疾患の進行遅延に有用な場合がある。レチノールパルミチン酸エステルを服用する患者では,定期的に肝機能検査を行うべきである。ω-3脂肪酸(例,ドコサヘキサエン酸)を含む栄養補助食品およびルテイン+ゼアキサンチンの経口製剤も,視力障害の進行速度を遅らせる可能性がある。黄斑が次第に侵されるに従って視力は低下し,法的盲に至ることがある。嚢胞様黄斑浮腫の患者では,炭酸脱水素酵素阻害薬の経口投与(例,アセタゾラミド)または点眼(例,ドルゾラミド)により,わずかながら視力が回復する可能性がある。完全またはほぼ完全な視力障害に至った患者では,網膜上または網膜下へコンピュータチップを埋め込むことにより,視覚を一部回復させることができる。

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