病因
最も頻度の高い原因(鼻閉および鼻漏の主な原因の表を参照)は以下のものである:
鼻閉および鼻漏の主な原因
外用の鼻閉改善薬を3~5日を超えて使用する患者は,薬効が消失するとしばしばリバウンドによる顕著な鼻閉を経験し,鼻閉が持続し,悪化する悪循環の中で,鼻閉改善薬を使用し続ける。この病態(薬物性鼻炎)はある程度の期間持続することがあり,治療の結果ではなく,原疾患の持続と誤解されることがある。
評価
病歴
現病歴の聴取では,分泌物の性状(例,水様,粘液性,膿性,血性)および,分泌物が慢性であるか反復性であるかを明らかにすべきである。反復性の場合は,患者の所在地,季節,または可能性のある誘発アレルゲン(多数)への曝露との関連を明らかにすべきである。片側性の透明な水様の分泌物(特に頭部外傷後)は,髄液漏を示唆することがある。髄液漏はまた,40代の肥満女性において,特発性頭蓋内圧亢進症に続発して自然に起こることがある。
系統的症状把握(review of systems)では,発熱および顔面痛(副鼻腔炎);涙目,眼のかゆみ(アレルギー);ならびに咽頭痛,倦怠感,発熱,および咳嗽(ウイルス性のURI)など,可能性のある原因の症状がないか検討すべきである。
既往歴の聴取では,既知のアレルギーおよび糖尿病または易感染状態の存在がないか検討すべきである。薬歴の聴取では,外用の鼻閉改善薬の使用について具体的に尋ねるべきである。
身体診察
警戒すべき事項(Red Flag)
所見の解釈
検査
治療
特異的な病態を治療する。外用または経口の鼻閉改善薬で鼻閉の症状緩和が得られる。外用の鼻閉改善薬には,オキシメタゾリン(各鼻孔に2噴霧を1日1回または1日2回,3日間)などがある。経口の鼻閉改善薬には,プソイドエフェドリン60mgを1日2回などがある。長期の使用は避けるべきである。
ウイルス性の鼻漏は,経口抗ヒスタミン薬(例,ジフェンヒドラミン25~50mgを1日2回経口投与)で治療可能であり,抗ヒスタミン薬の抗コリン作用がH2遮断特性と関連しないため推奨される。
アレルギー性の鼻閉および鼻漏は抗ヒスタミン薬で治療可能である;このような症例では,非抗コリン性の抗ヒスタミン薬(例,フェキソフェナジン60mgを1日2回経口投与)の必要に応じた投与が引き起こす有害作用は少ない。コルチコステロイドの鼻腔内投与(例,モメタゾンを各鼻孔に毎日2噴霧)もアレルギー性の病態に有用である。
抗ヒスタミン薬および鼻閉改善薬は,6歳未満の小児には推奨されない。