喉頭は声帯を含み,気管気管支への開口部として機能する。喉頭疾患としては以下のものがある。
喉頭を侵すその他の疾患としては,急性喉頭気管気管支炎(クループ),喉頭蓋炎,および喉頭軟化症などがある(吸気性喘鳴の原因の表を参照)。ハイムリッヒ法による異物の除去については,異物の除去および上気道の確保を参照のこと。
大半の喉頭疾患は,音声の障害( 職業としての発声)である発声障害を引き起こす。声の持続的変化(例,3週間超)には,可動性を含む声帯の観察が必要である。声は加齢とともに変化し,気息声および非周期的になるが,高齢者における急性または顕著な変化は,加齢による結果と想定すべきではなく,評価が必要となる。
音声を評価し,記録すべきである(特に外科的手技が計画されている場合)。喉頭の診察には,頸部の外側からの視診および触診,ならびに喉頭蓋,仮声帯,声帯,披裂軟骨,梨状陥凹,および声帯より下位の声門下部に対する内側の観察がある。内側の観察は,ミラーによる間接診察( 喉頭疾患),または外来で表面麻酔下の軟性ファイバースコープによる喉頭直達鏡検査のいずれかにより行う。全身麻酔下で行う硬性喉頭鏡検査では,以下のように,最も徹底的な声帯の診察が可能である。