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急性壊死性潰瘍性歯肉炎(ANUG)

(紡錘菌スピロヘータ感染症;塹壕口内炎;Vincent感染症またはワンサンアンギーナ[Vincent Angina])

執筆者:

James T. Ubertalli

, DMD, Hingham, MA

最終査読/改訂年月 2015年 11月
本ページのリソース

急性壊死性潰瘍性歯肉炎は,疼痛を伴う歯肉の感染症である。症状は急性疼痛,出血,口臭である。診断は臨床所見に基づく。処置は,愛護的なデブリドマン,口腔衛生の改善,含嗽,対症的なケアであり,もしデブリドマンが直ちに行えないようであれば,抗菌薬を投与する。

急性壊死性潰瘍性歯肉炎(ANUG)が最も頻繁に起こるのは喫煙者やストレス下で衰弱している患者である。他の危険因子は,不良な口腔衛生,栄養欠乏,免疫不全(例,HIV/AIDS,免疫抑制薬の使用),および睡眠不足である。一部の患者では口腔カンジダ症が併存する。

症状と徴候

通常は突然発症し,倦怠感または発熱を伴うことがある。主要な臨床像を以下に示す:

  • 急性疼痛を伴う歯肉出血

  • 唾液分泌過剰

  • ときに非常に強く臭う息(口臭)

潰瘍が特徴的であり,歯間乳頭と辺縁歯肉に認められる。潰瘍は特徴的に打ち抜き像を呈し,灰色の偽膜によって覆われている。頬粘膜や扁桃上の同様の病変はまれである。嚥下や会話の際に疼痛を伴うことがある。所属リンパ節の腫脹がしばしば認められる。

ANUGは有意な悪臭を伴わずに発生することがしばしばあり,限局性の病態を呈することもある。

診断

  • 臨床的評価

まれに扁桃または咽頭組織が侵され,歯肉症状が従来の処置にすばやく反応しない場合は,ジフテリアまたは無顆粒球症による感染を咽頭培養と血算によって除外しなければならない。

処置/治療

  • デブリドマン

  • 含嗽(例,過酸化水素,クロルヘキシジン)

  • 口腔衛生の改善

  • ときに抗菌薬の内服

ANUGの処置として手用スケーラーまたは超音波スケーラーを用いて愛護的にデブリドマンを行う。デブリドマンは,数日間にわたって施行する。患者は軟らかい歯ブラシで磨く,または手ぬぐいを使用して歯の表面をぬぐうように清掃する。

温かい生理食塩水で1時間毎,または1.5%過酸化水素や0.12%クロルヘキシジンによる1日2回の含嗽は,最初のデブリドマン後の数日間,役に立つことがある。

重要な支持的手段として,口腔衛生の改善(初めは愛護的に行う),適切な栄養,多量の水分摂取,休養,鎮痛薬(必要に応じて),刺激物の除去(例,喫煙,辛い食品,香辛料の効いた食品)が挙げられる。通常24~48時間以内に顕著な改善がみられ,その後デブリドマンを終了できる。

もしデブリドマンが即時に行えない場合(例,処置を行う歯科医師が不在,またはデブリドマンに必要な器具が使用できない),抗菌薬の経口投与(例,8時間毎のアモキシシリン500mg,6時間毎のエリスロマイシン250mg,または6時間毎のテトラサイクリン250mg投与)が迅速な緩和をもたらし,症状の消散後72時間まで継続して投与できる。

口腔カンジダ症の治療については,本マニュアルの別の箇所に記載されている。

もし急性期に歯肉形態が反転する場合(すなわち,もし歯間乳頭の先端部分が消失する場合),続発する歯周炎の予防のため,外科手術が最終的に必要となる。

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