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有棘細胞癌

執筆者:

Gregory L. Wells

, MD, Ada West Dermatology, St. Luke’s Boise Medical Center, and St. Alphonsus Regional Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 2月
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有棘細胞癌は,真皮に浸潤する表皮角化細胞の悪性腫瘍であり,通常は露光部に生じる。局所破壊が強いことがあり,進行期には転移を生じる。診断は生検による。治療法は腫瘍の特徴に応じて異なり,具体的には掻爬・電気乾固術,外科的切除,凍結療法,ときに放射線療法などを行う。

皮膚癌の概要も参照のこと。)

有棘細胞癌は基底細胞癌に次いで2番目に頻度の高い皮膚癌であり,米国では毎年100万例以上が発生し,2500人が死亡している。正常組織に生じることもあれば,既存の日光角化症口腔白板症の斑,または熱傷瘢痕に生じることもある。

症状と徴候

臨床的な外観は非常に多彩であるが,日光曝露面に生じた治癒しない病変では本症を疑うべきである。腫瘍は表面に鱗屑または痂皮を付着した紅色の丘疹または局面として始まることがあるが,結節性または角質増殖性となり,ときに表面が疣状を呈することもある。病変の大部分が周囲の皮膚よりも低くなる例もある。最終的に腫瘍は潰瘍化して,下床の組織に浸潤する。

診断

  • 生検

生検が不可欠である。

鑑別診断

鑑別診断は病変の外観に応じて異なってくる。

治癒しない潰瘍は,壊疽性膿皮症および静脈うっ滞性潰瘍と鑑別すべきである。

結節性または角質増殖性病変は,ケラトアカントーマ(おそらくこれ自体も有棘細胞癌である)および尋常性疣贅と鑑別すべきである。

鱗屑を伴う局面は,基底細胞癌日光角化症尋常性疣贅脂漏性角化症乾癬,および貨幣状湿疹と鑑別すべきである。

予後

一般に,小さな病変が早期かつ十分に切除された場合の予後は極めて良好である。露光部の皮膚に生じた有棘細胞癌(特に低分化腫瘍)は,頻度は高くないが,所属リンパ節および遠隔転移を起こすことがある。進行の速い腫瘍の特徴としては以下のものがある:

  • 直径が2cmを超えている

  • 浸潤深達度が2mmを超えている

  • 神経周囲浸潤を認める

  • 耳介上または口唇の無毛部に位置している

一方で,舌または粘膜に生じる癌は約3分の1が診断前に遠隔転移を起こしている( 口腔扁平上皮癌)。

進行期には,広範な手術が必要となる場合があり,遠隔転移の可能性がはるかに高くなる。最初は周囲の皮膚と所属リンパ節に進展し,やがては近傍の臓器にも転移する。耳介または赤唇縁の近くに生じた癌,瘢痕内に生じた癌,および神経周囲浸潤を伴う癌は,遠隔転移の可能性がより高い。遠隔転移例の5年全生存率は,治療を行っても34%である。

治療

  • 通常は破壊的方法による局所治療

有棘細胞癌の治療は基底細胞癌に対する治療と同様であり,具体的には掻爬・電気乾固術,外科的切除,凍結療法,化学療法の外用(イミキモドまたはフルオロウラシル),光線力学療法,ときに放射線療法などを施行する。基底細胞癌より転移のリスクが高いため,治療およびフォローアップを綿密にモニタリングする必要がある。

口唇などの粘膜皮膚接合部の有棘細胞癌は切除すべきであるが,治癒はときに困難である。

再発した腫瘍と大きな腫瘍は,Mohs顕微鏡手術(切除標本に腫瘍が認められなくなるまで[術中に顕微鏡検査で判断する]腫瘍の辺縁組織を逐次切除していく)で積極的に治療するか,手術および放射線療法を用いたチームアプローチで治療すべきである。神経周囲浸潤を伴う腫瘍は進行が速いため,手術後に放射線療法を考慮すべきである。

転移巣が同定でき,それが孤立性の場合,転移巣は放射線療法に反応する。広範な転移は化学療法に対する反応が良好でない。

予防

有棘細胞癌には紫外線曝露が関連しているとみられるため,曝露を抑えるためのいくつかの対策が推奨される。

  • 日光の回避:普段から日陰にいるようにし,午前10時から午後4時まで(日光が最も強い時間帯)の戸外活動を最小限とし,日光浴や日焼けマシーンの使用を控える

  • 保護用の衣服の着用:長袖シャツ,ズボン,つばの広い帽子

  • サンスクリーン剤の使用:UVA/UVBに対する広域の防御効果がある紫外線防御指数(SPF)30以上のものを指示通りに使用する(すなわち,2時間毎および水泳後または発汗後に塗布し直す);日光曝露の時間を延長させるために使用すべきではない

要点

  • 有棘細胞癌は,発生頻度が高く,外観が非常に多彩であるため,露光部に生じた治癒しない病変では必ず考慮すべきである。

  • 転移はまれであるが,舌表面または粘膜面に生じた癌,耳介および赤唇縁の付近または瘢痕内に生じた癌,ならびに神経周囲浸潤がみられる癌では,転移する可能性が比較的高くなる。

  • 治療法は通常,破壊的方法による局所治療であり,ときに放射線療法も併用する(例,腫瘍が大きい場合,再発性の場合,神経周囲浸潤を伴う場合)。

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