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日光による影響の概要

執筆者:

Elizabeth H. Page

, MD, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2016年 6月
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日光に対する皮膚の反応としては,慢性の変化(例,光老化日光角化症)と急性の変化(例,光線過敏症サンバーン)がある。

紫外線

太陽は幅広い波長の電磁放射線を放出している。日光の皮膚に対する作用は,その大半が紫外線によるもので,紫外線は3つの波長帯(UVA,320~400nm;UVB,280~320nm;UVC,100~280nm)に分けられる。光線の一部は大気に遮断されるため,地表に到達するのはUVAとUVBのみである。地表に到達してサンバーンを引き起こす光線(主に波長320nm未満のもの)の特徴および量は,以下の因子によって大きく変動する:

  • 大気および地表の状態

  • 緯度

  • 季節

  • 時刻

  • 高度

  • オゾン層

皮膚の日光曝露量は,生活習慣上の複数の因子(例,衣類,職業,レジャー活動)にも依存する。

サンバーンを引き起こす光線は,ガラスのほか,かなりの程度まで厚い雲,煙,スモッグによって除去されるが,薄い雲,霧,30cmの透明な水の層は通過することができ,重度のサンバーンを引き起こす可能性がある。雪,砂,および水は,光線を反射することによって曝露量を増大させる。曝露量は低緯度(赤道に近い)地域,夏季,および真昼(午前10時~午後3時)に増大するが,これは,これらの状況では日光が大気をより直接的に(すなわち,より垂直に近い角度で)通過するためである。曝露量は標高の高い場所でも増大するが,これは主に大気が薄いことによる。成層圏のオゾンは紫外線(特に短波長)を遮断するが,人工のフロンガス(例,冷蔵庫やエアロゾルに含まれる)のために減少してきている。オゾン層が減少すると,地表に到達するUVAおよびUVBの量が増加する。

日焼けランプには,UVBよりもUVAを多く含んだ人工光が使用される。このようなUVAの使用は,しばしば「より安全な」日焼けの方法として喧伝されるが,光老化や皮膚癌など,UVB曝露でみられる長期的な有害作用の多くが発生する。日焼けマシーンから照射される紫外光はヒト発癌因子に分類されており,屋内でのタンニングは黒色腫のリスクを高めることが示されている。端的に言って,「安全な」日焼けなど存在しない。

病態生理

紫外線曝露の有害作用には,急性変化としてのサンバーンと,いくつかの慢性変化がある。慢性変化としては,皮膚の肥厚,皺,日光角化症などの特定の病変がある。日光曝露は,皮膚の免疫系で重要な役割を果たしている表皮ランゲルハンス細胞の不活化および消失につながる。

日光曝露後の防御反応として,表皮が肥厚し,メラノサイトがメラニン色素を急速に産生して,一般に「日焼け(サンタン)」と呼ばれる状態を引き起こす。サンタンは紫外線に対する若干の自然の防御作用をもたらすが,それ以外に健康上の有益性はない。

日光に対する感受性や反応には,主に皮膚内のメラニンの量により,大きな個人差がみられる。皮膚は日光による損傷を受けやすい順に6つの型(I~VI)に分類されてきた。この分類は,皮膚色,紫外線への感受性,および日光曝露に対する反応という,相互に関連する複数の変数に基づくものである。スキンタイプI型では,皮膚色が白いかごくわずかに色素があり,紫外線に対する感受性が非常に高く,即時黒化を起こすことがなく,常にサンバーンが生じやすく,サンタンは決して生じない。スキンタイプVI型の皮膚は,皮膚色が暗褐色または黒色で,紫外線に対する防御能が最も高く,日光曝露の有無にかかわらず濃い褐色(黒褐色)である。しかしながら,皮膚の色が濃い人々でも日光の作用に完全な耐性があるわけではなく,色の黒い皮膚でも強い曝露や長期の曝露が生じれば日光傷害を起こすことがある。皮膚の色が濃い人々で生じる紫外線曝露の長期的作用は,皮膚の色が薄い人々でのそれと同じであるが,皮膚のメラニンが本来の紫外線防御効果を発揮するため,その作用は遅延して,重症度が低くなる場合が多い。

金髪または赤毛の人々は,特に紫外線の急性および慢性効果を受けやすい。そのような毛髪の色が薄い人々では,メラノサイトが不均一に活性化され,そばかすを生じることが多い。

白皮症の人々の皮膚では,メラニン代謝に異常があるため,色素沈着は起こらない。白斑患者では,免疫学的機序によるメラノサイトの破壊のために,斑状の色素脱失が出現する。以上をはじめとする,メラニンを迅速かつ完全な速度で産生することができない集団では,日光障害が特に生じやすくなる。

予防

日光を避け,保護用の衣類を着用し,サンスクリーン剤を塗布することが,紫外線曝露を最小限に抑える上で役立つ。

日光を避ける

簡単な対策を講じることがサンバーンおよび日光の慢性効果を防ぐのに役立つ。それらの対策は,あらゆるスキンタイプの人々に推奨されるが,皮膚の色が薄く,サンバーンが生じやすい人々には特に強く推奨される。皮膚の色の濃い人々であっても,明るい真昼の太陽など紫外線照射量の多い環境( 日光による影響の概要 : 紫外線)への曝露は最小限(30分以下)に抑えるべきである。温帯地域の場合,午前10時より前と午後3時より後の時間帯は,サンバーンを引き起こす波長の光線があまり地表に到達しないため,紫外線の強さは比較的弱い。霧や雲はリスクを大きく減らすことはなく,標高の高い場所と緯度の低い地域(例,赤道)ではリスクが高くなる。

日光曝露はビタミンDの産生に役立つが,大半の専門家は,意図的な日光曝露よりも,必要であればサプリメントを摂取して十分なビタミンDの量を維持することを推奨している。

紫外線防御用の衣服を着用する

皮膚の紫外線曝露は,帽子,シャツ,ズボン,サングラスなどを遮蔽として使用することで最小限に抑えることが可能である。目の細かい布地は目の粗い布地よりも多くの日光を遮断する。皮膚を日光から強力に防御する特殊な衣類も市販されている。この種の衣類には,紫外線保護指数(UPF)の表示に続いて保護レベルを示す数値を記載したラベルが貼付されている(サンスクリーン剤の表示と似ている)。つばの広い帽子は,顔面,耳介,および頸部を保護するのに役立つが,これらの部位には,それでも外用サンスクリーン剤による補助的な防御が必要である。紫外線防御を目的としたラップアラウンド型サングラス(顔を覆うように横幅の広いサングラス)を常時着用すれば,眼および眼瞼の保護に役立つ。

サンスクリーン剤

サンスクリーン剤は,太陽の紫外線を吸収または反射することにより,皮膚をサンバーンや慢性日光障害から保護するのに役立つ。古いタイプのサンスクリーン剤にはUVBのみを遮断するものが多いが,新しいタイプのサンスクリーン剤の大半はUVAも効果的に防ぎ,「Broad Spectrum」と表示されている。米国では,FDAがサンスクリーン剤を紫外線防御指数(SPF)でランク付けしており,SPFは数字が大きいほど防御力が高い。SPFはUVB曝露に対する防御力を数字で表したものに過ぎず,UVAに対する防御力を示す尺度はない。典型的には,SPFが30以上である広域のサンスクリーン剤を使用すべきである。

サンスクリーン剤は,クリーム,ゲル,フォーム,スプレー,スティックなど幅広い剤形で入手可能である。着色するだけのセルフタンニング製品には紫外線曝露から皮膚を防御する有意な効果はない。

大半のサンスクリーン剤は,光を吸収する化学的サンスクリーン剤,または光を反射または散乱させる物理的サンスクリーン剤として機能するいくつかの物質を含有している。サンスクリーン剤のUVBを吸収する成分としては,桂皮酸,サリチル酸,PABA誘導体などがある。UVBおよび短波長側のUVAの防御には,ベンゾフェノン類が一般的に使用される。avobenzoneとecamsuleはUVAを遮断することから,UVAに対する防御効果を高めるために追加されることがある。

サンブロックと呼ばれる別のタイプのサンスクリーン剤には,酸化亜鉛や二酸化チタンが含まれており,これらはUVBとUVAの両方を物理的に反射する(したがって皮膚に到達する前に遮断する)。以前は塗布した際に非常に白く見え,粘り気が強かったが,これらを微粉化製剤にすることで,美容的な問題が改善された。

サンスクリーン剤は本来の機能を発揮しないことがよくあり,その理由は通常,塗布する量が不十分である,塗布するタイミングが遅すぎる(日光曝露の30分前に塗布するのが最適),水泳や運動の後に塗布しなおさない,日光曝露中に2~3時間毎に塗布しないなどである。

サンスクリーン剤に対するアレルギーまたは光アレルギー反応が生じることがあり,他の光線過敏性皮疹と鑑別する必要がある。その診断には,サンスクリーン剤の成分を用いたパッチテストまたは光パッチテストが必要となることがある。このパッチテストは通常,アレルギー性接触皮膚炎に精通した皮膚科医によって行われる。

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