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伝染性軟属腫

執筆者:

James G. H. Dinulos

, MD, Geisel School of Medicine at Dartmouth

最終査読/改訂年月 2016年 10月
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伝染性軟属腫は,表面平滑で蝋様または真珠様の光沢を呈する,中心臍窩を伴うピンク色で直径2~5mmのドーム状丘疹の集簇を特徴とする疾患であり,ポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウイルスにより引き起こされる。診断は臨床的な外観に基づく。治療の目的は拡大の予防か,整容的に許容できない病変を除去することにあり,機械的方法(例,摘除,凍結療法)や刺激物質(例,イミキモド,カンタリジン,トレチノイン)の外用が用いられる。

伝染性軟属腫ウイルスは,一般的には限局性の慢性感染症を引き起こす。感染は直接接触による;病変の拡大は自家接種により生じるほか,媒介物(例,タオル,バススポンジ)や浴槽の湯を介して生じる。伝染性軟属腫は小児で多くみられる。成人では,感染者との濃厚な皮膚接触(例,性的接触,レスリング)により感染が成立する。易感染性患者(例,HIV/AIDS,コルチコステロイドの使用,または化学療法によるもの)では広範な感染が生じることもある。

症状と徴候

伝染性軟属腫は手掌と足底を除くあらゆる皮膚に生じうる。病変は,表面平滑で蝋様または真珠様の光沢を呈する,中心臍窩を伴うピンク色で直径2~5mmのドーム状丘疹の集簇として出現し,小児では顔面,体幹,および四肢に,成人では陰部,陰茎,および外陰に好発する。病変は直径10~15mmまで成長することがあり,特にHIV感染患者やその他の免疫不全患者では大きくなりやすい。

病変は通常そう痒や疼痛を伴わず,身体診察時に初めて偶然発見されることもある。ただし,ウイルスに対する免疫応答により,病変に炎症が生じ,そう痒を来すこともある。

診断

  • 臨床的評価

伝染性軟属腫の診断は臨床的な外観に基づく;皮膚生検または圧出内容の塗沫標本の鏡検で特徴的な封入体が認められるが,これらは診断が不確実な場合にのみ必要となる。

鑑別診断としては,毛包炎,稗粒腫疣贅(2mm未満の病変について),若年性黄色肉芽腫,スピッツ母斑(病変の大きさが2mmを超える場合のみ)などがある。

治療

  • 摘除,凍結療法,レーザー療法,または電気焼灼

  • 刺激物質の外用(例,トリクロロ酢酸,カンタリジン,トレチノイン,タザロテン,podophyllotoxin)

  • ときに併用療法

大半の病変は1~2年で自然消退するが,2~3年持続することもある。伝染性軟属腫の治療は,整容上の理由または病変拡大の防止について適応となる。選択肢としては,摘除,凍結療法,レーザー療法,電気焼灼,トリクロロ酢酸(25~40%溶液),カンタリジン,podophyllotoxin(成人),トレチノイン,タザロテンなどがある。サリチル酸を使用する臨床医もいるが,軟属腫がからだの広範囲に多発する場合には刺激が強すぎると考える医師もいる。水酸化カリウム(KOH)の使用にも同様の懸念がある。イミキモドは通常は推奨されない(1)。眼窩縁の内側に生じた軟属腫病変は,熟練した医師による愛護的な破壊処置によって除去すべきである。病変を愛護的に鉗子で強くつまむことで,中心の内容物を除去してもよい。最初は疼痛をほとんど伴わない治療法(例,トレチノイン,イミキモド,タザロテン,カンタリジン)を選択する(特に小児)。

EMLA(eutectic mixture of local anesthetics)クリームや4%リドカインクリームなどの表面麻酔薬を閉鎖性ドレッシング下で塗布して40~60分経過すれば,摘除または液体窒素の使用が可能となる。EMLAクリームは,全身毒性を引き起こす可能性があるため(特に小児),慎重に塗布する必要がある。成人では,摘除が非常に効果的であるが,麻酔なしで施行すれば疼痛を伴う。皮膚科医は,診察室で液体窒素またはカンタリジンを使用する,あるいはレチノイドクリームを自宅で使用させるなどの併用療法を選択することが多い。この種の治療法は典型例では成功するが,一部の患者では消失までにしばしば1~2カ月を要する。

カンタリジンは安全かつ効果的であるが,水疱形成を来すことがある。カンタリジンは少量で1滴を軟属腫病変に直接塗布する。指での接触を防止すべきであるため,患者(特に小児)が擦る可能性がある部位は包帯で被覆する。水疱形成は予測不可能であるため,カンタリジンは顔面や眼周囲に塗布してはならない。カンタリジンが角膜に接触すると,瘢痕化が起きる可能性がある。カンタリジンは6時間後に石鹸と水で洗い落とすべきである。カンタリジンの塗布後には感染が生じることがあるため,1回の治療で治療する病変は15個未満にするべきである。小児にこの薬剤を処方する場合は,親に水疱形成について警告しておくべきである。

小児患者の登校または登園を制限してはならない。ただし,小児患者の病変は病変拡大のリスクを減らすために被覆するべきである。

治療に関する参考文献

  • 1.Katz KA: Dermatologists, imiquimod, and treatment of molluscum contagiosum in children: Righting wrongs. JAMA Dermatol 151(2):125–126, 2015. doi:10.1001/jamadermatol.2014.3335.

要点

  • 伝染性軟属腫は,ポックスウイルスにより引き起こされ,一般的には直接接触(例,性的接触,レスリング),媒介物,および浴槽の湯によって拡大する。

  • その病変は,他に症状を伴わない,表面平滑で蝋様または真珠様の光沢を呈する,中心臍窩を伴うピンク色で直径2~5mmのドーム状丘疹の集簇であることが多い。

  • 診断は臨床的な外観に基づく。

  • 治療は整容上の理由または病巣拡大の防止のために行う。

  • 治療法としては,破壊的方法(摘除,凍結療法,レーザー療法,電気焼灼)や刺激物質の外用(例,トリクロロ酢酸,カンタリジン,トレチノイン,タザロテン,podophyllotoxin)などがある。

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