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人獣共通感染症

執筆者:

James G. H. Dinulos

, MD, Geisel School of Medicine at Dartmouth

最終査読/改訂年月 2016年 10月
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まれに動物からヒトに感染するウイルス性皮膚疾患が2つ存在する。

伝染性膿瘡

伝染性膿瘡(伝染性膿疱性皮膚炎)は,反芻動物(ヒツジおよびヤギが最も多い)に感染するポックスウイルスの一種であるオルフウイルスによって引き起こされる。農業従事者,獣医,動物園の飼育係など,動物と直接接触する人々でリスクがある。皮膚所見は6つの段階を経て進行し,全体としては約1週間で経過する:

  • 1期(丘疹期):手指(右手示指が最も多い)に浮腫を伴う単一の紅色丘疹が生じる

  • 2期(標的期):大きな結節が形成され,その中心部は紅色で,それを白色の輪状部分が取り囲み,その辺縁に発赤を伴う

  • 3期(急性期):感染を思わせる急速に増大する腫瘍となる

  • 4期(再生期):薄い透明な痂皮に覆われた,黒点を伴う結節となる

  • 5期(乳頭腫期):表面に小さな隆起が点在する結節となる

  • 6期(消退期):結節が平坦化し,厚い痂皮に覆われる

所属リンパ節腫脹,リンパ管炎,および発熱を来すことがある。

伝染性膿瘡の診断は接触歴による;鑑別診断には,病期に応じた非常に多くの病態が含まれる。急性期の病変では,搾乳者結節(milker’s nodule),Mycobacterium marinum感染症(皮膚疾患を参照のこと),その他の細菌感染症との鑑別が必要であり,消退期の病変では,ボーエン病有棘細胞癌などの皮膚腫瘍との鑑別が必要である。

病変は自然に治癒し,治療は不要である。

搾乳者結節

この結節は,ウシの乳房に病変を形成するパラポックスウイルスの一種であるパラワクシニアウイルスが原因である。感染には直接接触が必要で,まず斑が生じ,それが丘疹,小水疱,結節へと進行する。この感染症には,伝染性膿瘡のそれと似た6段階の病期がある。発熱やリンパ節腫脹が生じることはまれである。

搾乳者結節の診断は接触歴と皮膚所見による。鑑別診断は病変の形態によって異なるが,初回感染の結核(結核菌の接種部位に生じうる下疳),スポロトリクム症炭疽野兎病などが考えられる。

病変は自然に治癒し,治療は不要である。

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