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乳児ボツリヌス症

執筆者:

Joseph R. Lentino

, MD, PhD, Loyola University Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 1月
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乳児ボツリヌス症は,ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)芽胞の摂取,大腸内への定着,および生体内での毒素産生によって引き起こされる。

乳児ボツリヌス症は生後6カ月未満の乳児で最も多く発生する。報告のある最年少の患者は生後2週,最年長は生後12カ月であった。食餌性ボツリヌス症とは異なり,乳児ボツリヌス症の原因は既存の毒素を摂取することではない。ほとんどの症例は特発性であるが,追跡調査により一部の症例で蜂蜜(ボツリヌス菌[C. botulinum]芽胞が混入している可能性がある)の摂取が特定されており,したがって,生後12カ月未満の乳児には蜂蜜を与えてはならない。

ほとんどの症例でA型およびB型毒素が関与する。

症状と徴候

まず90%の症例で便秘がみられ,次に脳神経から始まって末梢神経および呼吸筋へと進行する神経筋麻痺が起こる。脳神経の障害としては,典型的には眼瞼下垂,外眼筋麻痺,啼泣減弱,吸啜不良,咽頭反射減弱,口腔内分泌物の貯留,筋緊張低下(floppy baby症候群),無表情などがある。

重症度は,軽度の嗜眠と緩慢な哺乳から,重度の筋緊張低下および呼吸機能不全まで様々である。

診断

  • 便検査

最初は,臨床所見に基づきボツリヌス症を疑うべきである。検査結果を待って治療を遅延させるべきではない。

乳児ボツリヌス症は,敗血症,先天性筋ジストロフィー,脊髄性筋萎縮症,甲状腺機能低下症,および良性の先天性筋緊張低下と混同されることがある。

便中でボツリヌス菌(C. botulinum9毒素または菌体を検出できれば診断確定となる。

治療

  • ヒトボツリヌス免疫グロブリン

患児を入院させ,必要に応じて支持療法(例,換気補助)を行う。菌および毒素は症状出現後数週間から数カ月にわたって便中に排出されるため,適切な接触感染予防策を遵守する必要がある。

ボツリヌス症に特異的な治療として,抗ボツリヌスヒト免疫グロブリンが投与されるが,これはInfant Botulism Treatment and Prevention Program(IBTPP—[510]231-7600;IBTPPウェブサイトも参照のこと)から入手できる。この抗毒素は,A型および/またはB型毒素に対して高い抗体価を示したヒトドナーのプール血清から製造されている。

本症を疑ったらすぐに治療を開始する;検査結果の確定には数日かかる可能性があるため,結果を待つのは危険である。用量は75mg/kg,静注,単回であり,ゆっくり投与する。

成人に使用されるウマ血清7価抗毒素は乳児には推奨されない。

腸管内でボツリヌス菌(C. botulinum)の溶菌が起きると毒素の吸収を増大させることになるため,抗菌薬は投与しない。

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