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クロストリジウム壊死性腸炎

(壊疽性腸炎;Pigbel;Darmbrand)

執筆者:

Joseph R. Lentino

, MD, PhD, Loyola University Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 1月
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クロストリジウム壊死性腸炎(clostridial necrotizing enteritis)は,ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)によって引き起こされる空腸および回腸の壊死性炎症である。

クロストリジウム壊死性腸炎は,中等度から重度のクロストリジウム感染症であり,迅速な治療を行わなければ致死的となる。

ウェルシュ菌(C. perfringens)C型は,ときに小腸(主に空腸)において重度の炎症性疾患を引き起こす。この疾患はウェルシュ菌のβ毒素によるもので,この毒素はタンパク分解酵素に対して感受性が高く,通常の調理で不活化される。炎症は分節性で,様々な程度の出血および壊死を伴った大小の斑が形成される。穿孔が生じることもある。

この疾患は主として,以下のような複数の危険因子をもつ集団で発生する:

  • タンパクの欠乏(酵素であるプロテアーゼの合成が不十分になる)

  • 不良な食品衛生管理

  • 過多な食肉摂取

  • トリプシン阻害物質を含有する主食(例,サツマイモ)

  • 回虫(Ascaris属)の寄生(これらの寄生虫はトリプシン阻害物質を分泌する)

これらの因子が多く存在する地域は,典型的にはニューギニア奥地とアフリカ,中南米,およびアジアの一部のみである。ニューギニアでは,この疾患はpigbelとして知られ,通常は汚染された豚肉,その他の食肉,およびおそらくピーナッツを介して拡大する。

重症度は軽度の下痢から劇症の経過(重度の腹痛,嘔吐,血便,敗血症性ショック,ときに24時間以内の死亡)まで様々である。

クロストリジウム壊死性腸炎の診断は,臨床像に加えて便中の毒素の検出に基づく。

クロストリジウム壊死性腸炎の治療は,抗菌薬(ベンジルペニシリン,メトロニダゾール)による。重篤例のおそらく50%では,穿孔,遷延性の腸閉塞,または抗菌薬治療の失敗により,手術が必要となる。流行地域では実験段階のトキソイドワクチンが有効に使用されているが,まだ市販はされていない。

好中球減少性腸炎(虫垂炎)

前記の疾患と類似したこの生命を脅かす症候群は,好中球減少のある患者(例,白血病患者,癌化学療法を受けている患者)の盲腸で発生する。C. septicumによる敗血症に合併することがある。

症状は発熱,腹痛,消化管出血,および下痢である。

好中球減少性腸炎の診断は,症状,重度の好中球減少,ならびに腹部CT,血液培養,便培養,および毒素検査の結果に基づく。

好中球減少性腸炎は,C. difficile関連下痢症,移植片対宿主病,およびサイトメガロウイルスによる大腸炎と鑑別しなければならない。

好中球減少性腸炎の治療は抗菌薬によるが,手術が必要になることもある。

新生児壊死性腸炎

新生児ICUで発生する新生児壊死性腸炎は,C. perfringens,C. butyricum,またはC. difficileによって引き起こされると考えられるが,これらの菌の役割については,さらなる研究が必要である。

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