Msd マニュアル

Please confirm that you are a health care professional

読み込んでいます

肝蛭症

執筆者:

Richard D. Pearson

, MD, University of Virginia School of Medicine

最終査読/改訂年月 2016年 8月
ここをクリックすると家庭版へ移動します
本ページのリソース

肝蛭症は,肝臓に寄生する吸虫である肝蛭(Fasciola hepatica)による感染症であり,汚染されたクレソンなどの水生植物を摂取することで感染する。

吸虫は種によって様々な部位(例,血管,消化管,肺,肝臓)に寄生する扁形動物である。

肝蛭(F. hepatica)はヒツジおよびウシの肝臓に寄生する吸虫である。ヒツジまたはウシの糞で汚染されたクレソンの摂食による偶発的なヒト肝蛭症は,欧州,アフリカ,中国,および南米で発生するが,米国ではまれである。

急性感染症では,未成熟な吸虫が腸壁,腹腔,肝被膜,および肝臓の実質組織を移行し,やがて胆管に侵襲し,そこで成熟して約3~4カ月で成虫となる。

症状と徴候

急性感染症は,肝傷害に起因する腹痛,肝腫大,悪心,嘔吐,間欠熱,蕁麻疹,好酸球増多,倦怠感および体重減少を引き起こす。

慢性感染症は無症状のこともあれば,間欠性の腹痛,胆石症,胆管炎,閉塞性黄疸,または膵炎に発展することもある。

多数寄生では,硬化性胆管炎および胆汁性肝硬変が生じることがある。腸壁,肺,またはその他の臓器に異所性病変が生じることもある。中東では,感染した生の肝臓を摂食した後に発生した咽頭の肝蛭症が報告されている。

診断

  • 抗体分析

  • 便検体または十二指腸もしくは胆道内容の鏡検による虫卵の検出

感染症の急性期には,CTで肝臓に低吸収病変をしばしば認める。慢性例では,超音波検査,CT,MRI,ERCP,または胆道造影で胆道の異常を検出できる。

以下の状況では抗体検出法が有用である:

  • 産卵前の感染早期

  • 産卵が散発的ないし少量しかみられない慢性感染例

治癒の6~12カ月後には抗体が検出できなくなる。

慢性感染症では,便または十二指腸もしくは胆道検体から虫卵が回収されることがある。虫卵は肥大吸虫(Fasciolopsis buski)のものと鑑別できない。流行地域では,感染動物の肝臓を摂取した後の便中でも虫卵が検出される。そのため,便検査を行う前の数日間は肝臓を含まない食事を遵守するよう患者に指示すべきである。

治療

  • トリクラベンダゾールまたはニタゾキサニド

肝蛭症の治療は,トリクラベンダゾール(10mg/kg,経口,食後に1回または重症感染時は12~24時間間隔で2回)の投与による;この薬剤は治験薬としてCenters for Disease Control and Prevention(CDC)から入手可能である。あるいは,ニタゾキサニドを500mg,1日2回,経口,7日間で投与する。

プラジカンテルによる治療は失敗例が多い。

ここをクリックすると家庭版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ソーシャルメディア

TOP