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マイコプラズマ

執筆者:

Margaret R. Hammerschlag

, MD, State University of New York Downstate Medical Center

レビュー/改訂 2019年 12月
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マイコプラズマは遍在性の細菌で,細胞壁を欠いているという点で他の原核生物と異なっている。

非淋菌性尿道炎症例の一部は性器マイコプラズマ(Mycoplasma genitalium)またはUreaplasma urealyticumが原因菌であることを示唆したエビデンスが蓄積されている。これらの細菌(およびMycoplasma hominis)は,しばしば他の泌尿生殖器感染症(例,腟炎,子宮頸管炎,腎盂腎炎,骨盤内炎症性疾患)や泌尿生殖器以外の一部の感染症の患者でも認められるが,それらの感染症における各細菌の役割は明らかでない。

マイコプラズマは光学顕微鏡では見ることができない。培養は技術的に難しく,利用できないことが多いが,核酸増幅検査(NAAT)または抗体(M. pneumoniaeに対するもの)の検出によって検査室での診断が可能である;しばしば除外診断が必要となる。現在では,肺炎クラミジア(M. pneumoniae)に対する2つのNAATが複数の呼吸器病原体を対象とする市販の検査パネルの一部として利用可能となっている。性器マイコプラズマ(M. genitalium)を検出するための,米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の承認を受けたNAATが現在市販されている。

マイコプラズマの治療

  • マクロライド系抗菌薬

  • ときにフルオロキノロン系またはテトラサイクリン系薬剤

通常はマクロライド系薬剤が第1選択の抗菌薬である。大半の菌種はフルオロキノロン系およびテトラサイクリン系薬剤にも感受性を示す。中国および日本では,肺炎クラミジア(M. pneumoniae)のマクロライド耐性が80%を超える分離株で報告されている。予備的データによると,米国でも耐性率が12%にも上っている可能性がある。そのため,治療抵抗例にはフルオロキノロン系またはテトラサイクリン系薬剤を考慮すべきであり,マクロライド耐性が顕著な地域では特に考慮すべきである。M. genitaliumは,マクロライド系,テトラサイクリン系,およびフルオロキノロン系薬剤に対する耐性が広範に出現しており,この菌による感染症の治療を困難にしている。

肺炎クラミジア(M. pneumoniae)および性器マイコプラズマ(M. genitalium)のマクロライド耐性を検出するためのNAATの開発が現在進められている。

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